アイソン彗星の見頃はいつ?
 「アイソン彗星の特徴は、太陽をかすめる軌道を持つこと。太陽に最接近するのは11月29日ですが、この前後2~3日は太陽に近づきすぎて観測が困難です。」

 国立天文台天文情報センター(東京・三鷹市)・専門研究員の臼田-佐藤功美子さんはいう。

 「11月24日以前、または12月4日以降に明け方の東の空低くに注目してください」 最接近時の太陽との距離は約190万km。太陽の直径が140万kmなので、文字どおり「太陽をかすめる」彗星だといえる。

 その後、12月26日に地球から約6400万kmの距離を通過する際も、「世紀の大彗星」として夜空に出現する可能性がある。 なお、アイソン彗星が太陽に近づくのは今回の一度きり。


 これを受けて、各地で観測イベントが予定されている。 東京・六本木ヒルズの森タワーでは、「六本木天文クラブ」主催で12月6日~8日(4時~)に日本一高い屋外展望台「スカイデッキ」で観察会が行われる。

 天文台を有する宿泊施設、奈良・大塔コスミックパーク「星のくに」でも12月7日に観測会を行う(翌日早朝)。また、山梨県立科学館では「星を見る会~アイソン彗星特別観望会~」と題して、12月15日4時30分から展望テラスで観望会を実施する。

 静岡・浜名湖遊覧船では12月14日の夕暮れ時に「冬のアイソン彗星観望会」クルーズ(フラワーパーク港発着)が予定されている。(R25編集部)


 アイソン彗星の太陽最接近まで1週間 この週末は水星と土星が目印
 
運命の太陽最接近を1週間後に控えたアイソン彗星。日に日に明け方の空に低くなり、あと少しで朝の光に消えていく。この週末、東の空がよく開けた場所で水星と土星を目印に探し出してみよう。

 11月23日~25日のアイソン彗星の位置。水星と土星を目印にすると見つけやすい。確認することは難しいが、エンケ彗星の位置も示している。

 11月中旬に急増光したアイソン彗星(C/2012 S1)は、その後も順調に明るさを増し、11月22日までに3~4等級に到達している。

 太陽に近づくにつれて日に日に夜明け前の空に低くなり、じゅうぶんな高さに上ったころには薄明が始まるので、位置としては見えにくい。だが彗星としてはくっきりとした、青みがかったにじんだ恒星のように見えるので、東の空が開けた場所に出向き、空が白んだころでもあきらめずに探してみよう。23日~25日には、水星や土星とともに双眼鏡で一度に見ることができる。

 デジタルカメラを使うと、数秒ほどの露出をかければ撮影することができる。水星の方向を目安にしてシャッターを切り、画像を調べてみよう。

 エンケ彗星(2P)も接近しているが、明るくなりはじめた低空で8等級の彗星をとらえるのは至難の業だろう。

 アイソン彗星はいったん見えなくなり、11月29日に太陽に最接近した後ふたたび明け方の空に姿を現す。熱で活発化した大彗星となって登場することが期待される一方、核が崩壊して二度とその姿を見られなくなる可能性もゼロではない。太陽系の果てからたどりつき今最大の難関に挑むアイソン彗星を、期待を込めて見届けよう。(2013年11月22日 アストロアーツ)


 すばる望遠鏡が捕らえたアイソン彗星
 国立天文台は、ハワイ島マウナケア(標高4,200m)山頂にある「すばる望遠鏡」の超広視野主焦点カメラ「ハイパー・シュプリーム・カム(Hyper Suprime-Cam)」で撮影した、太陽に接近しつつある「アイソン彗星」の画像を公開した。青白く光る彗星の“尾”が、満月の見かけの直径の2倍以上に伸びている様子が見えている。

 アイソン彗星は昨年9月に、「国際科学光学ネットワーク(ISON)」に所属する2人の科学者が発見し、“ISON”と名付けられた。今月29日午前4時9分(日本時間)に太陽に最接近した後は、2度と太陽系には戻って来ない“一期一会”の彗星だ。しかも、半径約70万キロメートルの太陽の表面からすぐそばの120万キロメートルの距離を通過するので、彗星本体が分裂・崩壊して、消えてしまう可能性もあるという。

 彗星は太陽に近づくにつれ、強まる熱や太陽風によって長く“尾”を引くようになる。すばる望遠鏡の最新カメラが5日明け方(現地時間)撮影したアイソン彗星は、太陽とは1億3,000キロメートルの距離にあり、頭部の“核”と“尾”を含めた長さは視野角1.5度ほどになっていた(満月の視野角は0.5度)。さらに尾は2筋見えており、これは「(核から出た)チリの尾とガスの尾が分かれて見えているのかもしれない」と副台長の渡部潤一さん。

 アイソン彗星はこれから、近日点通過の29日の前までが見ごろ。どれだけ明るさが増すかは不明だが、「双眼鏡や肉眼でも見える可能性が十分にある」という。さらに崩壊せずに“無事に”太陽を回って来れば、来月4日ごろから、再び明け方の東の低空に姿を見せるはずだ。

 アイソン彗星の太陽接近の模様は、国際宇宙ステーションで日本人初の船長を務める若田光一さんが超高感度4Kカメラで撮影観測する。米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)の太陽観測衛星「SOHO」もコロナ常時観測装置(LASCO C3)で画像を捉え、ネット上にも公開する。同装置では27日ごろから、アイソン彗星の姿が画面に入って来るかもしれないという。


巨大彗星-アイソン彗星がやってくる
クリエーター情報なし
誠文堂新光社
アイソン彗星 観察・撮影 徹底マニュアル (SEIBUNDO Mook)
クリエーター情報なし
誠文堂新光社

ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ   ←One Click please