新島ができた
 先日(9月24日)、パキスタンでマグニチュード(M)7.7の地震があり、これがきっかけになって、南部グワダル沖のアラビア海に島が隆起した。

 現れた島は、アラビア海に面したグワダル港近くの沖合約600メートルで突如海底が隆起し、海面からの高さ6メートル、長さ200メートルの小さな島ができたという。この島は天然ガスが溜まった層が地震によって破壊され、海底の土砂や液体もろとも吹き上げられて出来たとみられている。

 そして今回は、日本でそれは起きた。 11月20日午後、西之島の南東約500メートルの海上に直径約200メートル、標高約20メートルの島が出現し、黒い噴煙が約600メートルの高さに達しているのを上空から確認。白い湯気も立ち上り、爆発で吹き飛んだ岩石が海面に落ちる様子が見えた。

 西之島自体も、1973年に小笠原諸島で新島が形成された島。西之島隣接海域で発生した火山の噴火によって西の島新島が形成された。当時は「新島ブーム」とマスコミに報道され、大きな話題となった。後に西之島と接合し、ひとつの島となった。


 海上保安庁では火口が赤く見えていることから、マグマが上昇してきているとしており、溶岩流が出てくる可能性が増したとみている。

 11月21日まではマグマが海水と接触して水蒸気爆発が起き、噴煙とともに噴き上げられた噴出物が火口の周囲に堆積していた。噴出物が堆積しているだけでは、波の浸食により島が水没する恐れがあるが、溶岩流が出ると地表が固まるなどして島が成長する可能性が出てくる。

 このように既存の領海内に自然現象で新たに島が出現した場合は、国際法上自動的に領海の所属国に帰属し、「先占(実効支配)」の必要性はない。西之島新島の場合も自動的に日本の領土として認定されている。


 小笠原諸島、西之島沖に“新島”
 今週、日本の面積は少しだけ大きくなった。東京の1000キロ南で火山が噴火、“新島”が出現したのだ。

 海上保安庁によると、約30の島から成る小笠原諸島の西之島から約500メートルの海上で噴火を続けている。大きさは約400×200メートル。西之島は高さ3000メートルクラスの海底火山で、40年振りに活動を再開したようだ。

 菅義偉官房長官は、「命名の予定はあるか」という報道陣の質問に対し、「新島というのは、後に消滅したという例もあったようなので、今後の活動をしばらく注視していきたい。領海が広がればいいなと思いますよ。この島がきちっとした島になってもらえばね」と述べた。

 海上保安庁は21日、噴煙と蒸気が立ち上る新島の動画を公開した。巨大な火山の最頂部の火口から、灰や岩石が噴出する様子が映っている。

 海上保安庁の伊藤弘志火山調査官は、「このままですと、波によって削られて、なくなってしまう可能性があります。ただ、溶岩流などで、上を固い溶岩で覆われたりすると、長持ちして、島として残るかもしれません」とニュース番組で解説している。

 日本列島には6000以上の島があるが、国民のほとんどは4つの大きな島に居住する。火山と地震の国としてよく知られており、環太平洋火山帯(太平洋の周囲を取り巻く火山帯)に属している。

 東アジア沿岸や南北アメリカの西側など火山活動が活発な地域も、環太平洋火山帯と重なっている。アメリカ、ワシントン州のセントヘレンズ山、フィリピンのピナトゥボ山が引き起こした数十年前の大噴火は記憶に新しい。

 今回、新島を形成している火山群は伊豆・小笠原海溝に位置し、1970年代半ばにも噴火している。(Brian Clark Howard, National Geographic News November 22, 2013)


 西之島新島
 西之島新島は、1973年に小笠原諸島で形成された陸地(島)。西之島隣接海域で発生した火山の噴火によって形成された。当時は「新島ブーム」とマスコミに報道され、大きな話題となった。後に西之島と接合し、ひとつの島となった。行政区画は、東京都小笠原村。

 なお、このように既存の領海内に自然現象で新たに島が出現した場合は、国際法上自動的に領海の所属国に帰属し、「先占(実効支配)」の必要性はない。西之島新島の場合も自動的に日本の領土として認定されている。

 東京の南約1,000km、父島の西約130kmにある。火山列島(硫黄列島)と同一火山脈に属し、付近は海底火山活動が活発である。西之島火山は海底から計測すると4,000mにもなる大火山であるが、海面に出ているのはその最上部にすぎない。

 1973年に西之島火山が噴火し、西之島新島が形成された。その後、西之島(旧島)と接合したため、陸地としての実態は西之島と一体である。現在、「西之島新島」および「新島」と特に呼ぶ場合は、この時の噴火により形成された陸地の範囲(旧島を除く範囲)を指すことが多い。

 1999年時点での新島部分の面積は0.25km²、最高標高は15.2mである。また、旧島部分を含めた西之島全体の面積は0.29km²、最高標高は25mである。

 島の周囲は波の浸食を受けて断崖となっており、上陸は難しい。島には雑草やコケ類が生えている。火山噴火が終息後、漂着した種子からグンバイヒルガオが繁殖、セグロアジサシやカツオドリが飛来するなど動植物も確認されている。周辺は好漁場となっているが、座礁事故も起こっている。


 歴史
1973年(昭和48年) - 4月に変色水が確認された。同年5月30日西之島の東方600mで海底火山の噴火があり、同年9月11日に新島が出現、同年12月21日に「西之島新島」と命名された。
1974年(昭和49年) - 3月には新島と旧島が接続。馬蹄形の形状となる。東海大学の調査隊が上陸。
1975年(昭和50年) - 新属新種のニシノシマホウキガニが発見されたが、その後、島内では絶滅した(他海域で再発見)。
1982年(昭和57年) - このころには湾口が閉じて湾が湖になり、釣鐘型の形状となる。(Wikipedia)


世界の火山図鑑: 写真からわかる 火山の特徴と噴火・予知・防災・活用について
クリエーター情報なし
誠文堂新光社
ガイド・ニッポンの世界遺産 小笠原 (地球の歩き方BOOKS)
クリエーター情報なし
ダイヤモンド社

ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ   ←One Click please