バナナの健康成分
医者からダイエットを勧められている。朝は、バナナ一本とミルクティー。昼は、ご飯の量を減らすようにしている。
バナナは腹持ちがよく、消化にもよい。胃もたれしたことがない。ダイエットには最適だが、毎日食べると飽きてくるのが難点。だが、今回、筑波大学の研究で、スギの花粉症を改善できる効果が確認された。体によいと聞くと、少し食欲が増してくる。
調べて見ると、栄養も満点、バナナは、タンパク質、カロリーはじゃがいもに匹敵し、カロチン、カリウム、繊維質などを豊富に含んでいる。さらに、ビタミンB1、B2、B6、ビタミンC、カリウム、食物繊維であるペクチン、オリゴ糖、タンニンなどのポリフェノール、アミノ酸なども豊富。特にビタミンAの含有量は、果物の中でトップクラス。
バナナで花粉症改善の可能性
筑波大の谷中昭典教授らの研究グループは11月29日、バナナを食べるとスギ花粉による一部のアレルギー症状の抑制につながることが、ヒトでの臨床試験でわかったと発表。花粉症そのものを改善させるという結論には至らなかったが、くしゃみの症状は緩和されるという。
花粉症の治療は、一時的に症状を緩和させる医薬品が主流だが、眠気や口の渇きなどの副作用も指摘されている。一方で、食品による症状の予防を目指す研究については、効果などに不明な点が多く、予防法の確立までには至っていない。
研究グループは、ポリフェノールなどの抗酸化物質や、免疫調整作用を持つオイゲノールなどの香料が含まれるバナナに着目。マウスを使った実験で、アレルギー反応を抑制できることがわかった。このため、ヒトにも効果があるとみて、今年2~3月に試験を実施した。
20歳以上で自覚症状の軽い患者26人にバナナを1日200グラム(2本)、8週間摂取させる試験では、食べなかった患者26人と比べて、くしゃみの症状が緩和されることがわかった。また、年齢や花粉症の重症度などで分類した試験では、35歳以下の患者にアレルギー症状の悪化を抑え、思考力の低下や憂鬱感などを防ぐ結果が得られた。
谷中教授は「バナナに含まれる豊富なビタミンB6が脳内のセロトニン合成を促進させ、自覚症状の感受性を弱めたのでは」と仮説を立てている。
今後はアレルギー症状抑制メカニズムの解明とともに、より効果的な摂取方法などについて検討していく予定。(産経news:2013.11.29)
バナナを食べるとスギ花粉症を改善できる!?
筑波大学は11月29日に記者発表会を開催し、バナナを定期的に食べることでスギ花粉症を部分的に改善できるという研究結果を発表した。
筑波大学 医学医療系 谷中昭典教授らの研究チームは、2010年にマウスを使った実験で、バナナを摂取したマウスは摂取していないマウスに比べてアレルギーを引き起こす原因となる「IgE抗体」の値が低下したことなどを確認。
今回の実験は、比較的軽症のスギ花粉症の患者52人を2グループに分け、一方はバナナ2 本(200g)を8週間毎日食べ、もう一方は同期間バナナを食べることを禁止した。どちらのグループも期間内に合計3回の問診と採血を行い、くしゃみ、鼻水、目のかゆみといった自覚症状を数値化した「QOLスコア」、「IgE抗体」、「血中好酸球数」などの変化を調査した。
実験の結果、血中好酸球数やIgE抗体に関しては大きな変化はなかったが、バナナを食べたグループは食べていないグループに比べてQOLスコアが低下したという。特に35歳以下の男性への効果が顕著に現れたほか、IgE抗体の値が低いヒトが食べた場合もくしゃみを抑制できるといった効果を得られたという。
谷中教授は「バナナにはビタミンB6がほかの食材より多く含まれており、ビタミンB6はセロトニンなどの脳内伝達物質の合成を促進させる。セロトニンは脳内の抑うつ気分を改善させる効果があり、これが花粉症の改善に影響している」と分析する。
なお、同研究は日本バナナ輸入組合からの受託研究として谷中教授らの研究グループが実施。12月7日、8日に開催される「第11回日本機能性食品医用学会総会」で成果を発表する予定だという。(マイナビニュース 2013/11/30)
バナナとは何か?
バナナは、バショウ科バショウ属に属します。高さが2~10mになるため、まるで木のように見えますが、実際は多年生植物です。木のように見える部分は、柔らかい葉が重なり合ってできた茎です。1本の茎には約10〜15房のバナナがなり、初めは下を向いて実りますが、太陽の光に向かいだんだん上に曲がりながら成長していきます。
世界各地で栽培されているバナナは大きく生食用と料理用の2つに分けられます。世界中には約300種類以上もの品種があるといわれています。日本で出回っているバナナの約8割がフィリピン産のジャイアント・キャベンディッシュと呼ばれる品種のバナナです。他にも、通称モンキーバナナと呼ばれる小型のセニョリータ、レッドバナナとも呼ばれる果皮が赤茶色のモラードなどの品種があります。
バナナの原産地は、東南アジアの熱帯地域です。バナナは、約4分の3が生食用、その他が調理用として赤道をはさんだ北緯30゜から南緯30゜の間の熱帯・亜熱帯地域で生産されています。日本で出回っている多くのバナナはフィリピン産の生食用バナナです。他にもエクアドル、台湾などからも輸入されています。日本国内では沖縄などの温暖な地域で僅かに生産されています。
成熟した黄色いバナナには、日本の農作物に被害を及ぼす可能性のある害虫が寄生している恐れがあるため、黄色く熟したバナナの輸入は植物防疫法により禁止されています。そのため、日本に到着したばかりのバナナは全て未熟な青いバナナで、追熟させて黄色くしてから店頭に並べられます。
バナナの歴史はとても古く、紀元前8000年~3000年頃には東南アジア地域で食べられていたといわれています。その後、インドや東アフリカなどに伝わり、エジプトなどにも交易品として持ち込まれていました。
15世紀に入り、西アフリカから中央アメリカや南アメリカへ伝えられたとされています。日本では1903年4月10日から正式に台湾からバナナが輸入されるようになりました。昭和初期まではお土産品や病気の時にしか口にできない高級な果物でしたが、輸入拡大に伴い、一年を通して手頃な価格で手に入れることができる身近な果物になりました。
バナナに含まれる成分と性質
バナナには、でんぷんやブドウ糖、果糖、ショ糖など芋類にも匹敵するほど多くの糖質がバランス良く含まれています。バナナ1本あたりのエネルギーはご飯半膳分にも相当し、果物の中でもトップクラスのエネルギー量を誇ります。アフリカ諸国には、個人の1日の摂取エネルギーのうちの半分をバナナに頼っている地域も存在するといわれています。
また、バナナは皮をむくだけで食べることができるため、多忙な朝にも手軽に頭や体に栄養を補給することが可能です。
また、β-カロテンやビタミンB1、B2、B6、ビタミンC、カリウム、食物繊維であるペクチン、オリゴ糖、タンニンなどのポリフェノール、アミノ酸なども豊富に含まれています。
オリゴ糖とは、ブドウ糖や果糖などの単糖類が結合した糖のことです。消費者庁が認可する特定保健用食品(トクホ)で「おなかの調子を整える食品」の機能表示が認められている成分でもあります。
タンニンなどのポリフェノールやβ-カロテン、ビタミンCは、強力な抗酸化作用を持っています。
抗酸化作用とは、紫外線や喫煙、ストレスなど生活の様々な場面で発生する活性酸素を除去し、体が酸化することを防ぐ働きのことです。例えば、クギを放置し空気にさらしておくとクギがサビついてしまいます。この現象が酸化であり、人間の体内で起こると、病気や老化、肌トラブルの原因となってしまいます。バナナに含まれるこれらの成分が体内で強い抗酸化作用を発揮して酸化から体を守ることで、病気や老化、肌トラブルが予防されます。
果肉が軟らかく食べやすいバナナは、消化吸収が良い果物として知られています。
糖質は唾液やすい液に含まれる酵素により分解され吸収されますが、この酵素は加齢とともに減少してしまいます。バナナにはアミラーゼが含まれているため、効率良く消化・吸収させる働きがあります。
バナナの健康効果
バナナには、糖質をはじめとし、ビタミン類やミネラル類、食物繊維、ポリフェノール類、オリゴ糖などが豊富に含まれており、これらの成分は以下のような健康に対する効果が期待できます。
便秘・下痢を解消する効果: ペクチンやオリゴ糖などが豊富にふくまれているバナナには、腸内でビフィズス菌などの善玉菌を増殖させ、腸内環境を整える働きがあります。さらに、ポリフェノールの一種であるタンニンには、下痢を解消する効果があります。そのため、おなかの調子が整い、便秘や下痢の解消に効果があります。
疲労回復効果: バナナには、糖質であるでんぷんやブドウ糖、果糖、ショ糖がバランス良く含まれています。これらの成分は体内での燃焼速度が異なっており、ブドウ糖や果糖、ショ糖は摂取後すぐにエネルギーに変換され、その後、しばらくしてでんぷんが少しずつエネルギーに変換されます。そのため、これらの成分が含まれているバナナは即効性のエネルギー源と持久性のエネルギー源の両方を合わせ持っているため、スポーツ時や体が弱っている時などの栄養補給に優れた効果が期待できます。さらに、ビタミンB群などもバランス良く含まれているため、疲労を早く回復させる効果もあります。
集中力を高める効果: バナナに含まれるトリプトファンはセロトニンの合成材料となります。セロトニンには、脳の働きを活性化し、集中力を高める効果があることが明らかになっています。さらに、イライラを鎮める効果があるビタミンCや、唯一脳のエネルギー源となるブドウ糖が豊富に含まれているため、バナナには集中力を高める効果が期待できます。
むくみを予防・改善する効果: バナナに含まれるカリウムには、体内の余分な水分を排出する働きがあるため、細胞間に溜まる水分が原因で起こるむくみの予防・改善にも効果を発揮します。
生活習慣病の予防・改善効果: 血液中の悪玉(LDL)コレステロールが増加すると、血管の内壁が脂質で分厚くなり、こぶのようにせり出して血管を狭めるため、高血圧や動脈硬化などが引き起こされます。タンニンやビタミンC、ペクチンをはじめとするバナナに含まれる様々な成分には、血中の悪玉(LDL)コレステロールを減少させる働きがあります。
さらに、カリウムには体内の余分なナトリウムの排泄を促し、血圧の上昇を抑える働きがあります。そのため、これらの成分がバランス良く含まれているバナナは高血圧を防ぎ、動脈硬化などの生活習慣病の予防に効果的であると考えられています。
また、ビタミンB群が含まれるバナナには太りにくい体をつくるサポートをする働きもあるため、生活習慣病の原因となる肥満の予防や改善にも効果的です。
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