コーヒーの成分とは何だろう?
コーヒーには多糖を中心とする糖類、アミノ酸やタンパク質、脂質の他、コーヒーに含まれるポリフェノールであるクロロゲン酸、アルカロイドであるカフェイン(豆重量の1%程度)やトリゴネリン、ジテルペンであるカフェストールやカーウェオールなど、特徴的な成分が含まれている。
特に覚醒作用があるカフェインが有名だ。カフェイン(caffeine)は、アルカロイドの一種。コーヒー、コーラ、緑茶、紅茶、ウーロン茶、ココア、チョコレート、栄養ドリンクなどに含まれる。ただし緑茶ではタンニンと結びついて効果は穏やかなものになる。覚醒作用の他には、脳細動脈収縮作用、利尿作用。医薬品にも使われ、眠気、倦怠感に効果がある。
今回、コーヒーや紅茶に含まれるカフェインを摂ると、記憶を強化する効果のあることがわかった。調査したのはメリーランド州ボルティモアにあるジョンズ・ホプキンス大学のマイケル・ヤッサ(Michael Yassa)氏らのグループ。
実験では、ふだんはカフェインを摂らない被験者を集め、何枚かの画像を見せてから5分後に、カフェイン200ミリグラムの錠剤かプラシーボ(偽薬)のどちらかを飲んでもらった。そして24時間後に記憶の検査をしたところ、カフェインを飲んだ被験者の方が画像をよく覚えていた。
以下はNational Geographicの記事「コーヒーを飲んで記憶力アップ」から引用する。
コーヒーを飲んで記憶力アップ
朝の目覚ましにコーヒーや紅茶を飲む8割のアメリカ人にとって、カフェインを摂ると気分がシャキッとするというのは目新しい話ではない。しかし、メリーランド州ボルティモアにあるジョンズ・ホプキンス大学のマイケル・ヤッサ(Michael Yassa)氏(現在はカリフォルニア大学アーバイン校の神経生物学准教授)らは、カフェインの別の効果を特定した。記憶を強化するのだ。
ヤッサ氏らの研究は、カフェインが、摂取から24時間後に人間の記憶を強化していることを明らかにした。この発見についてヤッサ氏に話を聞いた。
問: カフェインが記憶に良い効果をもたらすことは、これまでの研究でも示唆されていました。今回の研究では何が新しく分かったのでしょう?
「私たちは、動物ではこの効果があるだろうと、しばらく前から考えていました。アメリカ国立衛生研究所(NIH)のセリーナ・ドゥデク(Serena Dudek)氏は、カフェイン入りの花蜜を吸ったミツバチが花の香りの記憶を強めることを証明しました。けれども、人間を対象にした調査では、これまではっきりした結論は得られませんでした。カフェインを、記憶検査の前に投与していたからです。そのため、検査結果に、覚醒度や注意の集中度への影響といったほかの因子が入り込んでしまった可能性があります。」
「そこで、ふだんはカフェインを摂らない被験者を集め、何枚かの画像を見せてから5分後に、カフェイン200ミリグラムの錠剤かプラシーボ(偽薬)のどちらかを飲んでもらいました。そして24時間後に記憶の検査をしたところ、カフェインを飲んだ被験者の方が画像をよく覚えていたのです。」
問: カフェインがドイツの化学者の手で初めてコーヒー豆から分離されたのは、19世紀のことです。カフェインが働く仕組みは、詳しく分かっているのでしょうか?
「いくつかの仕組みがあります。カフェインはアデノシン受容体に作用して、心拍、覚醒度、血圧を上昇させます。クマに出会ったときに起こる闘争-逃走反応と呼ばれるものです。「アドレナリンが出た」と言うときに身体の中で起こっているのが、これです。また、カフェインは脳の中の海馬という小さな領域にも作用します。海馬は、長期記憶と短期記憶に重要な役割を果たしています。」
問: カフェイン200ミリグラムというと、コーヒーをどのくらい飲めばいいのでしょう?みんなで急いでスリーショット(エスプレッソ追加)のグランデ・ラテを注文するべきなのでしょうか?
「カフェイン200mgは、エスプレッソ2杯くらいですね。こういった飲み物には大量の砂糖が入っていることをお忘れなく。私もずっと前からコーヒー党ですが、これから、飲む量を倍にしようとは思いません。」
問: 今回の被験者は、ふだんコーヒーを飲まない人たちということですが、カフェインが世界で最も多くの人が使用している精神活性薬物だということを考えると、十分な数の被験者を見つけるのは大変だったのでは?
「実際、難しかったです。それに、正直な人を見つけるのも。あらかじめ唾液を使ってカフェインの検査をしたのですが、不合格にしなければならない人もいました。」
問: カフェインの悪影響としては、どのようなものが?
「大量に摂取すると、イライラして、頭痛が起こります。実際に、過剰摂取で命に関わることもありえます。カフェインは刺激物です。今回の研究結果で、カフェインを無制限に摂るお墨付きが出たと捉えるべきではないと考えます。」
問: 将来の応用はどうでしょうか。カフェインがアルツハイマー病や痴呆症の治療薬になる可能性はあるでしょうか?
「カフェインがそういった病気の進行を抑えるとは思いません。しかし、リスクのある人には役に立つかもしれません。次の段階は、脳の画像化技法を利用して、脳のメカニズムについて研究を進めることです。」
今回の研究論文は「Nature Neuroscience」誌オンライン版に1月12日付で掲載された。(Cathy Newman, National Geographic News January 15, 2014)
カフェインとは何か?
カフェイン(caffeine)は、アルカロイドの一種。プリン環を持つプリンアルカロイドの一種で、コーヒー類に含まれることからこの名がある。IUPAC名は 1,3,7-トリメチルキサンチン。
コーヒー、コーラ、緑茶、紅茶、ウーロン茶、ココア、チョコレート、栄養ドリンクなどに含まれる。また、一部の医薬品にも含まれる。なお、茶に含まれるカフェインはタンニンと結びつくためにその効果が抑制されることから、コーヒーのような興奮作用は弱く緩やかに作用する。
結晶は一水和物 (C8H10N4O2・H2O) もしくは無水物(無水カフェイン、C8H10N4O2)として得られる。白色の針状または六角柱状結晶で匂いはなく、味は苦い。昇華性がある。
1819年(一説には1820年)にドイツのフリードリープ・フェルディナント・ルンゲによってコーヒーから世界で初めて単離された。分析化学者であったルンゲに、コーヒーの薬理活性成分の分離を勧めたのはゲーテであったと伝えられている。
主な作用は覚醒作用、脳細動脈収縮作用、利尿作用。医薬品にも使われ、眠気、倦怠感に効果があるが、副作用として不眠、めまいがあらわれることもある。カフェインを習慣的に摂取する人が半日から1日カフェインを摂取しなかった時に現れる症状として最も顕著であるものは頭痛であり、その他、不安、疲労感、集中力の欠如、抑うつが現れることがある。
カフェインは、クモに作用し、巣作りに影響を及ぼす。カフェインはアデノシン受容体に拮抗することによって、覚醒作用を示す。また、メチルキサンチン誘導体に共通の活性として、ホスホジエステラーゼの非選択的な阻害作用があり、細胞内cAMP濃度の上昇を引き起こす。これにより、心筋収縮力の増大、気管支平滑筋の弛緩、脳細動脈の収縮のような交感神経興奮様作用を示す。
これらの作用の結果、腎血管拡張により糸球体濾過量 (GFR) が増大し、さらに尿細管での水分の再吸収の抑制により利尿作用を現わす。また膀胱括約筋に取り付いてその作用を抑制しているアデノシンの働きをカフェインが妨害するために頻尿になるという説もある。さらに、cAMPの濃度の増大は胃酸を産生する細胞では、プロトンポンプを活性化し、胃酸分泌を亢進する。
また、わずかではあるが骨格筋収縮力を増大させる作用もあり、2004年まではドーピングに対する禁止薬物リストにも含まれていた。 カフェインの半数致死量 (LD50) は約 200 mg/kg で、一般的な成人の場合、10–12 g 以上が危険といわれる(詳しくはカフェイン中毒を参照)。医療分野において薬事法では1回(1錠・1包等)あたりに500mg以上のカフェインを含むものを劇薬に指定している。カフェインは体内で代謝され、主に尿酸となって尿と共に排泄される。
緑茶 235ml: 30-50mg 紅茶 235ml: 47mg コーヒー(インスタント)235ml: 62mg コーヒー(豆から抽出したもの)235ml: 95mg コカ・コーラ 350ml: 35mg(Wikipedia)
参考 Wikipedia: カフェイン National Geographic news: コーヒーを飲んで記憶力アップ
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