最古の地球岩石
地球はいつ誕生したのだろうか?地球は今からおよそ、45億年前に誕生したと考えられている。太陽系の隕石や月の岩石の生成年代から、この頃、原始地球が形成されたと考えられている。では地球上で最古の岩石とは何だろう?
地球が誕生して間もない45億4000万年前から44億4000万年前のマントルに由来する溶岩が、カナダ・バフィン島とグリーンランド西部で見つかったと、米カーネギー研究所の研究チームが2010年8月『ネイチャー』に発表している。
44億年前、現在、知られている最古の岩石鉱物が現れる。西オーストラリア州のジャック・ヒルズで発見されたジルコン粒子のうち最古の物(44億400万±800万年前)。ジルコン粒子の中にダイヤモンドが含まれていることが、2007年に明らかになっている。
今回、オーストラリアで地球上で最も古い大陸地殻が、44億年前に存在したことが再確認された。
ウィスコンシン大学の研究チームは、岩石に含まれる「ジルコン粒子」を詳しく調べ、結晶内に捉えられた放射性の鉛について、その原子の実物を調査した。これらの原子は、溶岩が固まる際に分析対象となったジルコン結晶の中に閉じ込められたものだ。
これは当初は放射性を持つウランだった物質が、崩壊を経て鉛に変化するもので、その過程を調べることでこれらの物質の年代が特定できる。鉛原子の直接観察による年代測定から、これらのジルコン結晶は43億7400万年前(誤差はプラスマイナス600万年)のものである可能性が高いことがわかった。
地球最古の地殻、44億年前と年代特定
オーストラリア西部に位置し、鉄分の多いジャックヒルズの岩石が、地球上で最も古いものなのかをめぐっては、10年以上前から地球科学者の間で議論があった。今回の研究では、はるか昔に溶岩が固まってできた岩石に含まれる小さな結晶について原子レベルの分析を行い、その結果を発見の論拠としている。
今回の研究を主導したウィスコンシン大学マディソン校のジョン・バレー(John Valley)氏は声明の中で、「この分析結果は、地球が冷え、生物が生息可能になるまでの過程についての我々の見解を裏付けるものだ」と述べている。「さらにこれにより、生命が居住可能な地球以外の惑星の形成過程についても・・・
オーストラリア西部に位置し、鉄分の多いジャックヒルズの岩石が、地球上で最も古いものなのかをめぐっては、10年以上前から地球科学者の間で議論があった。今回の研究では、はるか昔に溶岩が固まってできた岩石に含まれる小さな結晶について原子レベルの分析を行い、その結果を発見の論拠としている。
今回の研究を主導したウィスコンシン大学マディソン校のジョン・バレー(John Valley)氏は声明の中で、「この分析結果は、地球が冷え、生物が生息可能になるまでの過程についての我々の見解を裏付けるものだ」と述べている。「さらにこれにより、生命が居住可能な地球以外の惑星の形成過程についても理解が深まるかもしれない」。
地球そのものの年齢が45億年をやや上回るほどであることから、研究チームでは、今回の新発見が、月、および最初の大陸群の形成に関する新たな知見を提供してくれることを期待している。ジャックヒルズの岩石は、太陽系の誕生からわずか1億6000万年ほどで形成されたことになる。これは驚くほど早い時期だ。
研究チームが分析したジルコンの結晶は、地球全体を覆った溶岩の海が冷えてできた、地球の最初期の地殻に由来している。この溶岩の海は、月が生まれるもととなった天体衝突によって発生した可能性が高い。
放射年代測定による計測
これまでにもジャックヒルズが地球上で最も古い地殻であることを示唆する発見が複数あり、今回の研究は、これらの発見を検証し、その当否を確かめることが目的だった(カナダのハドソン湾地域に分布する緑色岩帯も、ここと同程度に古いと考えられている)。ジャックヒルズの年代については、2001年の研究で実施された放射年代測定により、およそ44億年を経ていることが最初に示唆されていた。
今回の新しい研究では、研究チームはジャックヒルズの岩から採取した小さなジルコン結晶の表面を削り取り、この結晶内に捉えられた放射性の鉛について、その原子の実物を調査した。今回検証されたクラスタには、それぞれ約50個の原子が含まれていた。
これらの原子は、溶岩が固まる際に分析対象となったジルコン結晶の中に閉じ込められたものだ。これは当初は放射性を持つウランだった物質が、崩壊を経て鉛に変化するもので、その過程を調べることでこれらの物質の年代が特定できる。
研究チームでは次に、これらの鉛原子を調べ、これまでの放射年代測定の結果を覆すような、放射能が変化した痕跡がないか検証した。その結果、そうした跡は全く見つからなかった。
鉛原子の直接観察による年代測定から、これらのジルコン結晶は43億7400万年前(誤差はプラスマイナス600万年)のものである可能性が高いことがわかった。
月の誕生時期との関連
マサチューセッツ工科大学(MIT)のサミュエル・バウリング(Samuel Bowring)氏は、今回の研究論文に寄せた解説の中で、「この研究結果は、非常に古い年代のジルコンの一粒一粒に、豊かな歴史があることを示すものだ。我々の住む地球の、ごく初期の歴史にまで及ぶ意義がある」と述べている。
バウリング氏はこうした意義の一例として、今回のジルコンの分析結果から、最初期の地殻を形成した大理石はわずか1億年ほどで形成されたことがわかった点を指摘する。これはこれまで知られていなかったことだ。
さらに興味深いことに、これらの岩塊の形成時期は、地質学上の大変動が起きた年代に非常に近い。これは火星サイズの天体が初期の地球に激突したことで発生したと考えられており、この衝突により月が生まれたとされている。
さらにバウリング氏は、「非常に手間がかかる」としながらも、今回の分析手法を次は月の石のサンプルや隕石に含まれるジルコンの検証に用いれば、さらに新たな事実がわかるかもしれないと期待をかける。「ゆえに、40億年以上の時を経た物質は、どんなものであれ非常に興味深い研究対象だ」。
今回の研究論文は、学術誌「Nature Geoscience」のオンライン版に2月23日付で掲載された。(Dan Vergano, National Geographic News February 25, 2014)
鉱物「ジルコン」とは何か?
ジルコン(zircon)は、ケイ酸塩鉱物(ネソケイ酸塩鉱物)の一種。化学組成は ZrSiO4、結晶系は正方晶系。風信子鉱、ヒヤシンス鉱、風信子石ともいう。火成岩中に微小な結晶として広く産する。風化変質に強い鉱物なので、砕屑粒子として、砂岩などの堆積岩にも広く見られ、これをジルコンサンド(英語版)などと呼ぶ。また、それらが変成した岩石にも含まれる。 オーストラリアのジャックヒルズ(英語版)で、地球最古の鉱物として見つかっている。
通常、ZrSiO4に近い化学組成をもつが、ジルコニウムの一部はハフニウムにより置き換えられ、ハフニウムが多いものはハフノン(英語版)(HfSiO4)となる。微量成分として希土類元素や、ウラン、トリウムなどを含む。ウラン、トリウムを多く含むものでは、放射線による損傷によってメタミクト現象が起きていることがある。比重は 3.9 - 4.7、モース硬度は 7.5。 純粋なものは無色だが、不純物や結晶欠陥によって着色していることがある。
ジルコンは、ウラン、トリウムに富み、鉛に乏しいので、ウラン・鉛法あるいはトリウム・鉛法の放射年代測定の対象鉱物として重要である。フィッショントラック法による年代測定にも広く用いられる。 また、ダイヤモンド類似石として、古くから装飾用宝石として用いられている(合成品のキュービックジルコニアとは別)。(Wikipedia)
地球の履歴書
地球は今からおよそ、45億4000万年前に誕生したと考えられている。太陽系の隕石や月の岩石の生成年代から、この頃、原始地球が形成されたと考えられている。
地球の形成は太陽系の形成と進化での説明が詳しい。水、アンモニア、メタンなどの水素化合物が凝集し固体となるのに充分な低温となる主たる恒星からの距離を凍結線と呼び、太陽系の場合、凍結線は約2.7AUであり、小惑星帯の辺りになる。原始太陽系星雲内で凍結線よりも温度の低いところでは、降着による微惑星および惑星の生成が、これらの固体となった粒子によって起こりやすくなる。
したがって凍結線は惑星の質を地球型と木星型に分ける境界になる。H2O(水)が昇華する温度がおよそ170Kであり、凍結線の内側ではH2O(水)は水蒸気に、外側では氷になり、そのため凍結線の内側では地球のような岩石の惑星が形成され、その外側には氷の惑星ができる。
また、地球の形成位置は、後に生命を育むことができる液体の水を保持することができるハビタブルゾーンに位置していた。月の形成時期も、45億5000万年前とされる。月の形成仮説の1つとして、地球に原始惑星が衝突して形成されたとするジャイアント・インパクト説がある。
地球が誕生して間もない45億4000万年前から44億4000万年前のマントルに由来する溶岩が、カナダ・バフィン島とグリーンランド西部で見つかったと、米カーネギー研究所の研究チームが2010年8月『ネイチャー』に発表した。地球大気の歴史については、確証は得られていないが、以下のようなことが考えられている。
地球が誕生した46億年前頃の原始大気は、主にヘリウムと水素からなり、高温高圧だった。これは現在の太陽の大気と似た成分である。これらの軽い成分は、原始太陽の強力な太陽風によって数千万年のうちにほとんどが吹き飛ばされてしまったと考えられている。やがて、太陽風は太陽の成長とともに次第に弱くなってくる。
この頃には、地表の温度が低下したことで地殻ができ、地殻上で多くの火山が盛んに噴火を繰り返していた。この噴火にともなって、二酸化炭素とアンモニアが大量に放出された。水蒸気と多少の窒素も含まれていたが、酸素は存在しなかった。
この原始大気は二酸化炭素が大半を占め、微量成分として一酸化炭素、窒素、水蒸気などを含む、現在の金星の大気に近いものであったと考えられている。100気圧程度と濃く、高濃度の二酸化炭素が存在した。地球が十分に冷却されていなかった時期の原始大気には大量の水蒸気が含まれていたと考えられる。
44億年前 - 現在、知られている最古の岩石鉱物が現れる。西オーストラリア州のジャック・ヒルズで発見されたジルコン粒子のうち最古の物(44億400万±800万年前)。ジルコン粒子の中にダイヤモンドが含まれていることが、2007年に明らかになった。このジルコン粒子年代値は、30億年~42.5億年前である。
参考 Wikipedia: 地球史年表 National Geographic news: 地球最古の地殻、44億年前と特定
![]() | 137億年の物語 宇宙が始まってから今日までの全歴史 |
クリエーター情報なし | |
文藝春秋 |
![]() | 地球全史――写真が語る46億年の奇跡 |
クリエーター情報なし | |
岩波書店 |
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