エメラルドゴキブリバチ

 寄生バチはハチ目のうち、生活史の中で、寄生生活する時期を持つものの総称である。ほぼすべての昆虫の幼虫が、何らかの寄生生物に攻撃される危険にさらされている。幼虫にとっては非常に物騒な世界だ。

 寄生バチの幼虫は卵からかえると、宿主の幼虫の体を食って成長する。このとき、宿主の体は寄生バチのつくった毒(化合物)によって、すでに神経が麻痺している状態だという。いったいどうやって毒を注入するのだろうか?

 2003年に行われた放射性同位体標識による追跡実験では、エメラルドゴキブリバチがゴキブリの特定の神経節を狙って刺していることが報告された。1回目の刺撃では胸部神経節に毒を注入し、前肢を穏やかかつ可逆的に麻痺させる。これは、より正確な照準が必要となる2回目の刺撃への準備である。



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