ナメクジは貝のなかま

 ナメクジは、陸に生息する巻貝(軟体動物)のうち、殻が退化しているものの総称。つまり貝のなかまだ。ナメクジにはナメクジ科・コウラナメクジ科・オオコウラナメクジ科など数科のものが含まれる。これらは必ずしも同じ系統のものではなく、別系統のカタツムリからそれぞれ貝殻を失う方向へ進化したものである。

 アシヒダナメクジ科など特殊なものを除けば、一般にナメクジと呼ばれるものは分類学的にはカタツムリと同じ有肺亜綱の柄眼目に属し、カタツムリの一種とも言える。カタツムリの貝殻が徐々に退化して小さくなり体内に入って見えなくなればナメクジの形になるが、実際にはその途中の形態をもつ種類もある。

 このような貝殻の消失はさまざまな系統で起こっており、これを「ナメクジ化」(limacization)とも言う。海に棲むウミウシ類もナメクジ化した貝類である。



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