ナノカーボン材料とは?

 ナノカーボン材料とは、ナノメートル(10億分の1m)の大きさの構造をもつカー ボン(炭素)からなる物質群である。ナノカーボンには、C60分子(フラーレン)、ナノチューブ、グラフェンが代表的な物質である。1985年のフラーレン発見後、カーボンナノチューブ、グラフェンなど様々な形態が見出され、その多様かつ特徴的な性能からナノテクノロジーの代表的な素材として注目を浴びている。

 産学官で幅広く基礎研究及び用途開発研究が展開されており、ここ数年のナノカーボン材料にまつわる様々な技術開発はめざましく、ナノカーボン材料も事業化段階に入ろうとしている。

 今回、NECは新たな炭素素材「カーボンナノブラシ」を発見したと発表した。直径100ナノメートル(1万分の1ミリ)、長さ1〜10マイクロメートル(1000分の1〜100分の1ミリ)の繊維状に炭素原子がつながり合い、表面にブラシの毛のような突起が多数ある。電気をよく通す特徴があり、電気自動車の電池の電極に使った場合、充電速度が10〜15%向上し、省エネ効果もあると見込まれる。



ナノカーボン: 炭素材料の基礎と応用 (シリーズ:未来を創るナノ・サイエンス&テクノロジー)
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