寄生植物と腐生植物
「あれ?これってナンバンギセル?」と思った人はいないだろうか? ナンバンギセル(Aeginetia)は、ハマウツボ科の属の一つ。一年草の寄生植物で、イネ科、カヤツリグサ科、ショウガ科などの単子葉植物の根に寄生する。
茎は極端に短く、ほとんど地上には出ず、数個の鱗片葉がある。地上に出るのは花柄で、上部の鱗片葉の腋から長く伸びる。 花柄の先端に横を向いた大きな花を1個つける。萼は鞘状になり、下側が深く裂ける。花冠は太い筒型で、先端が5浅裂し、唇形となる。雄蕊は4本あり、その先端は花柱を取り巻く。蒴果は卵球状になり、多量の細かい種子がある。
今回発見されたのは、「ユウレイラン(Epipogium aphyllum)」だ。ユウレイラン(幽霊ラン)はラン科。日本ではトカラ列島以南に分布している。森の林床に生育する。光合成をしない菌従属栄養植物(腐生植物)の一種で、高さ15cmほどになる。花の大きさは 1cmにも満たない小さなもの。やんばるの森では、5月から6月頃花が咲く。光合成を行わないため葉が無く、花の時期だけ地上部ある。ナンバンギセルもユウレイランも、自分では光合成をしない従属栄養植物だ。そのためだろうか、よく似た姿をしている。
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