関東を直撃した「台風9号」
強い台風9号は22日午前、伊豆諸島付近を北進し、同日午後0時半頃、千葉県館山市付近に上陸した。神奈川県湘南地域では境川、目久尻川が増水し、珍しく避難勧告が出された。幸い近くに川や山もないので洪水や土砂崩れの恐れはなかったが、このようなときはどうしたらよいのだろうか?
22日に関東に上陸した台風9号の影響で、県内では相模原市で1人が死亡したほか、横浜市や川崎市などで少なくとも8人がけがをし、約61万人に避難勧告が出た。交通機関も大きく乱れた。横浜地方気象台によると、23日も大気が不安定な状態が続き、昼前から夜にかけて雷を伴う雨が降ると予想されている。地盤が緩んでいる場所もあり、同気象台は引き続き警戒を呼びかけている。
横浜市港北区や都筑区などを流れる鶴見川は、水位が普段より最大で約6メートル上昇した。県のまとめでは、22日午後8時現在、横浜市の一部や厚木市全域など県内14市町村の約26万世帯(約61万人)に避難勧告が出た。横浜市と葉山町で建物の一部破損が計5件あった。
22日正午までの24時間雨量は静岡県伊豆市で401.5ミリ、神奈川県箱根町で214ミリ、東京都大島町で223.5ミリ、都心でも昼過ぎまでに74.5ミリと大雨を観測した。
気象庁によると、東日本や北日本では23日にかけ、雷を伴って1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降り、局地的には80ミリ以上の猛烈な雨が降ると予測されている。同日朝までの24時間雨量は、多いところで東海で400ミリ、関東甲信で300ミリと予想される。北海道や東北でも200ミリに達するという。
22日午前11時現在、台風の中心気圧は975ヘクトパスカルで、中心付近の最大風速は35メートル、最大瞬間風速は50メートル。1時間に20キロの速さで伊豆大島付近を北上している。22日夜には福島市付近に到達する見通し。その後、北海道網走市の西南西約70キロに近づくとみられる。
台風の影響で、鉄道や航空便は、首都圏と各地を結ぶ路線を中心に始発から運休や欠航が相次ぐなど影響が出ている。また、21日夜に北海道釧路市付近に上陸した台風11号は、22日未明にオホーツク海で温帯低気圧に変わった。
トリプル台風 9・10・11号
しかし、今回は日本付近に3つの台風が、いったいどうなっているのだろうか?
8月20日の時点で、日本周辺には3つの台風、9号、10号、11号。21日にかけて大雨をもたらしたのは20日に発生した11号。北海道は1か月分の雨量が一気に降っている。
台風9号、10号に続き、20(土)午前9時に台風11号が発生。目先、警戒が必要なのはこの台風11号だった。発生順位は9号、10号より遅いが21(日)にかけて北海道から関東に大雨をもたらした。
台風11号は20日(土)夜には関東の東海上、21日(日)の朝は東北北部付近、22日(月)には北海道の北で温帯低気圧に。足早に関東から北海道をかけぬけていった。
関東から北海道は台風から熱帯の空気が流れ込み、所々で激しい雨に。特に、北海道は21日にかけて前線が停滞するため、前線+台風=大雨のパターンになった。
21日正午までの24時間雨量は北海道の太平洋側では多い所200ミリ、さらに22日にかけても100ミリから200ミリの雨が降った。8月の1か月分の平年雨量が、札幌や旭川、釧路で130ミリくらいなので、いかにこの予想雨量が危険かがわかる。
北海道は先日17日に台風7号が襟裳岬付近に上陸。十勝地方の足寄町などでは住宅が広く水につかる浸水被害がでたばかり。地盤の緩んでいる所もあるため、引き続き土砂災害や河川の増水・氾濫、低い土地の浸水などに警戒し、太平洋沿岸では強風や高波に注意が必要だ。
台風11号のあとは、台風9号が22日に関東を直撃。大きな被害を出した。また、台風10号は本州の南海上を西へ進み、海水温の高い海域を進むため発達した。来週後半は台風10号の動きにも警戒が必要である。
3つの台風が発生した理由は?
過去、トリプル台風(3つの台風)が日本付近に影響を与えたのは1999年8月19日15時に10号、8月20日の9時に11号、8月20日15時に12号が発生。2013年には12号、13号、14号が、2010年にも6号、7号、8号が相次いで発生している。一日で3個発生ではないが、昨年2015年7月の9号、10号、11号も日本周辺に3つの台風がならんだ。
今年は台風1号の発生が遅く、7月3日にようやく発生。統計史上2番目に遅い台風1号となった。ただ、7月24日に台風2号が発生してからわずか1か月弱の間に10コの台風が発生。7月も8月も平年の台風発生数を上回っている。
今回、台風が3つも発生した原因は、フィリピン沖の海面水温と太平洋高気圧の配置にあった。気象庁によると、台風が互いに相乗効果を発揮し、湿った空気が列島周辺に停滞しやすいため、雨量が多く予想されるという。
今年は夏の高気圧が西と東に分かれ、その間が台風の通り道になるため、本州を直撃しやすいコースが多くなっている。さらに、フィリピン沖の海面水温が平年より高い状態が続き、台風の元になる積乱雲が発達しやすい状況があった。列島を覆っていた太平洋高気圧が通常より北東寄りに位置し、高気圧の縁を時計回りに回る風で太平洋上の湿った空気が次々と流入、積乱雲が台風へと発達した。
一方、北海道では17日に台風7号が上陸したばかり。北海道への直接上陸は平成5年以来で同じ年に2度続くのは「前例がない」(気象庁)という。連続発生した台風が、東北沖にある太平洋高気圧を回る風に乗り、次々と北海道を通る進路を取ったためだという。
台風シーズン到来!知っておきたい「避難情報」
8月も終盤にさしかかり、本格的な台風シーズンへと突入しつつある。台風の接近や大雨が降るたびに手持ちのスマートフォンには、「土砂災害警戒情報発表」や「避難勧告の発令」などとドキッとするような通知が届く。
そんな時に慌てないために、今回は「避難」や各種災害情報に関する基本を整理していこう。
●各種「避難」情報は地方自治体が発表
まず最初に「避難準備」「避難勧告」「避難指示」などの避難に関する情報を発表するのは、市区町村などの地方自治体。こうした情報は、天気予報を通じて知ることが多いため、気象庁などが発表していると思ってしまうが、各種情報を確認したい場合は、最寄りの地方自治体のWebサイト、周辺に設置された防災行政無線から流される情報を確認するのが確実だ。
3段階の避難情報の緊急性としては、「避難準備」→「避難勧告」→「避難指示」の順で高くなる。
「避難準備」は、文字通り、避難に向けた準備を呼びかけるもので、避難に時間がかかるような場所に住んでいたり、高齢の方や要援護者の方が家族にいる場合には、この段階から避難行動を開始するのが望ましい。
続いて「避難勧告」は、自治体が「避難」を勧めるといった意味で出される。さらに緊急性が高い「避難指示」に関しては、人的な被害の発生が極めて高く、直ちに避難すべき状況で出されるため、「避難勧告」の段階で避難の決断をしておいた方が得策だろう。
ただし、強風や豪雨などで避難時に危険が伴う場合もあるので、避難するタイミングはその都度検討する必要がある。
●自分の住んでいる場所の災害危険度を確認
続いては避難情報や各種災害情報を受け取る場合の心構え。天気予報などでは、「○○市に避難勧告」「○○区に土砂災害警戒情報」といった大きな枠で発表されるが、情報の受け手としては、自分が住んでいる町内、番地が該当するかも確認しておきたい。
実際、自治体のWebサイトなどを見ると、対象地域として特定の番地が指定されているので、テレビやラジオで避難情報を知ったら、より詳細な情報にアプローチする習慣をつけることで、無用な心配をする必要がなくなる。
また、多くの自治体が公開している災害に関する「ハザードマップ」を平時の時に見ておくと、自分の家や会社、学校のある地域の災害リスクを知ることができ、避難経路の検討にも役立てることができる。
ちなみにハザードマップに関しては、水害、土砂災害など災害の種類ごとに作成されているので、特定の災害に限らず、ひととおりチェックしておきたいところ。
●避難情報に付随する防災情報の基本
最後は、避難情報と付随して見聞きする「○○注意報」「××警報」などの各種災害情報。こちらは各種避難情報が発表される前に気象庁が発表しているもので、「注意報」なら災害の発生が予想される場合、「警報」なら“重大災害”が起こる可能性がある場合に警戒を呼びかける意図で発表される。警報よりもさらに“重大災害”が起こる可能性が高い場合には、「特別警報」となる。
ちなみに今回の台風9号の接近に伴い、よく見聞きする「土砂災害警戒情報」に関しては、「大雨警報」が発表された状況下で、土砂災害発生の危険性が高まった場合に気象庁と都道府県が共同で発表する。市区町村は、この情報を判断材料にして「避難情報」を発表していく。
避難情報との連動で見ていくと、例えば「大雨警報」などの警報が出た段階で「避難準備情報」、「土砂災害警戒情報」が出ると「避難勧告」となり、場合によっては「避難指示」が出される。また、「大雨特別警報」が出る前段階としては、数年に一度レベルの短時間の大雨に対して「記録的短時間大雨情報」というのが各地の気象台が発表するが、この段階では避難情報もおおむね「避難指示」となる。
今回の台風9号に関わらず、これから本格的な台風シーズンを迎えるにあたり、天気予報や防災行政無線で流される各種避難&災害情報の意味を正しく理解して、適切な避難行動に役立ててほしい。(RBBTODAY:台風シーズン到来!知っておきたい「避難情報」)
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