瑞鳥

 新年、あけましておめでとうございます。2017年は酉年。正月なのでおめでたい話を一つ。瑞鳥とはめでたいことが起きる縁起の良い鳥のこと。鶴や鳳凰などをさす。

 鶴の中でも「タンチョウ」はその清楚な体色と気品のある体つきにより特に神聖視され、ひいては縁起のよい意匠として、文学や美術のモチーフに多用されてきた。また「皇太子の乗る車」を指して「鶴駕(かくが)」と呼ぶように、高貴の象徴ともされた。

 タンチョウは体長が1.5メートル、羽を広げると2.4メートル、体重は10キログラムで、日本で一番大きな鳥である。シベリアや中国、朝鮮半島のタンチョウは渡り鳥であるが、北海道のタンチョウは一年中生息地を変えずに生活する留鳥だ。かつては本州にもいたが、今では北海道にしかいない。タンチョウは古くから昔話に登場し、数多くの日本画にも描かれてきた。日本人にとって馴染み深く、心に深く刻み込まれた特別な鳥である。



 しかし、明治時代の乱獲や彼らの生息地である湿地の開拓により、一時は絶滅したと思われていた。ところが1924年、狩猟者も立ち入れないような釧路湿原の奥地、鶴居村のキラコタン岬の近くで密かに生息しているタンチョウの姿が発見された。タンチョウがまだ生き残っていたというニュースは、北海道のみならず、日本中の人々に驚きを与えた。

 その後、徐々にタンチョウを保護する動きが始まり、1952年には「釧路のタンチョウ」として繁殖地も含めて国の特別天然記念物に指定。そうした動きに合わせ、鶴居村や隣の阿寒町では、献身的に給餌活動を行う有志の人々が現れ、保護活動が活発になっていった。

 現在、日本で1500羽ほどのタンチョウが確認されているが、そのうち1000羽近くが釧路湿原に生息している。世界中で2800羽ほどのタンチョウが生息しているが、その3分の1以上が釧路湿原で暮らしているということになる。そして越冬期には、その7割近くが鶴居村にやって来る。鶴居村は、繁殖地である釧路湿原と、冬でも凍結しない安全な塒(ねぐら)や給餌場があるため、まさしく一年中「鶴の居る村」となっている。 


 2017年は丁酉(ひのととり)どんな年?

 2017年はどんな年になるのだろうか?暦(こよみ)から考えてみたいと思う。2017年の干支は何か?暦で見ると、2017年は平成29年であって酉年(とりどし)。この酉年が干支(えと)と言われる。年賀状を書く人は年末になれば、嫌でも意識しなければいけない干支。

「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」これが十二支だ。酉は10番目である。

 ところで十二支の「支」に注目すると、これは「干支」の支。では「干支」の「干」は何なのか。それは十二支とはまた別にある。十干というもの。

「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」これが十干。これを毎年順番に繰り返している。2017年は4番目の丁(ひのと)の年となる。

 つまり、干支は十干と十二支を組み合わせたもので作られているので、2017年はただの酉年ではなくて、「丁酉(ひのととり)」の年と言った方が正確だ。

 この干支は全部で60通りの組み合わせがあり、時代は60年ごとに繰り返しているというのが「陰陽五行」の考え方。 そこで、60年前の丁酉の年1957年を見てみると...宇宙開発(ソ連のスプートニク)、エネルギー(原子力発電)、企業の海外展開(トヨタ・日産)など、発展的な動きの多い年だった。しかし、必ずしも順調ではなく、その中には現在なくなってしまったもの、問題になっているものなどもある。

 そう考えると2017年は、あまり順調にいく年ではないかもしれない。そのため、人生においての大きな決断など何かを決める際には、本物は何かしっかりと見極める必要である。自分一人ではどうしようも出来ない時は、第三者から正確な情報や力を借りて乗り切る事が大切な年になるだろう。


 今年の干支である「丁」は成長、「酉」は利を得る

 さてここまで干支の概念について考察してきたが、では2017年の干支である「丁酉」は何を意味しているのか?まず、十干の「丁」は、生命のサイクルの4番目、すくすくと伸びる茎がシッカリしだした状態を指している。

 そして十二支の「酉」は、季節なら秋で、時間なら夕方(17時から19時)、方位なら西、五行思想では金に属する。これは酉の文字の成り立ちを探ると、わかりやすい。

 酉は西と言う字によく似ている。そしてこの西と言う字は、甲骨文字の水汲み用の器から来ているとする説がある。これは1日の終わり、西に太陽が沈む頃に水汲みに行ってご飯を作るという習慣から、西の方角を指すようになったと言われている。

 また酉という字自体、象形文字で首の長い酒器を表している。ついでに言えば酒という文字は、「酉」の中に入っている液体だから酒である。この2つのことから、古代中国において、「酉」は収穫した実から酒を作り、利を得ることという解釈が生まれたのである。

 つまり2017年は、「丁」は成長期の安定、「酉」は収穫期で利を得ると言うことになり、すくすくと成長して収穫を迎える嬉しい年になりそうだが、そう単純な解釈ができないのが、干支の怖いところでもある。

 江戸時代まで、日本の1日は12刻で、十二支の動物たちは、時間や方位を表す目印だった。干支の持つ意味を知り、足元を見直すキッカケに
五行思想では、組み合わせにより「相生」「比和」「相剋」「相侮」「相乗」など、お互いを強めあったり、弱めてしまったりする関係性が存在する。丁と酉の組み合わせは「相剋」にあたり、これは片方が片方を弱めるという関係にある。

 相剋は「火剋金」という具合に書きあらわし、ジャンケンや3すくみのようにグルッと強弱の関係が一巡している。相剋の組み合わせを下記に簡単にご紹介しよう。

①木剋土(もっこくど):木は養分を吸って土地を痩せさせる。
②土剋水(どこくすい):土は水を濁す。
③水剋火(すいこくか):水は火を消す。
④火剋金(かこくごん):火は金属を熔かす。
⑤金剋木(ごんこくもく):金属の斧や鋸は木を切り倒す。

 2017年の干支である丁酉は「火剋金」にあたり、収穫期の利益を、新たに芽吹いて安定成長期に入った新しい事業が阻害するという意味になる。結果の見えた確定利益と将来の期待値のある新展開のどちらを選ぶのか迷う一年になる、というわけだ。

 この矛盾がどのような形で現れてくるのか。そのヒントが60年前の1957年にある。1957年、60年前にどんなことが起こったのだろうか?


 60年前の1957年はどんな年?

 1957年は神武景気と岩戸景気のちょうど間の時期で経済的には微妙な時期。新5000円冊、100円硬貨が発行されたのもこの年。また、東京が851万人の人口となり、ロンドンを抜いて世界一の人口都市になった。

 この年の主な動きを見てみたいと思う。ソ連が世界初の人工衛星打ち上げに成功、この時期はアメリカとソ連の冷戦構造の時代で、人工衛星の開発も両国によって競われていた。ソ連は世界初のスプートニク1号と、犬を乗せたスプートニク2号を打ち上げた。他にも弾道ミサイルの実験など、なんとなくこの年の出来事にはソ連の名前がよく出てくる。

 1957年の8月27日に茨城県東海村の日本原子力研究所で日本ではじめて核分裂状態の「臨界」に達した。今から考えると、放射線が気になるが、当時はどちらかと言えば、核兵器につながるのかという点が気にされたようだ。

 トヨタは1957年にアメリカへの自動車の輸出を開始。日産はスポーツカーを発売している。そごうが東京の有楽町に進出、大阪のそごうが東京に進出。フランク永井という歌手の「有楽町であいましょう」がヒット。

 ここまでのキワードを拾ってみると、いくつかの出来事を見た。どれも拡大成長路線である。酉年は革命の年とも言われている。宇宙開発、エネルギー、企業の海外展開など、とても発展的な動きの多い年だと思わないだろうか?

 これなら、2017年も大いに発展を期待したいところだが、そうも行かないようだ。キーワードを拾ってみると、ソ連、原子力、自動車輸出、日産、そごう。やがてどうなったか…

 ソ連は解体、原子力は東日本大震災をきっかけに予想もしていなかった状況になった。自動車輸出も貿易摩擦に発展。日産は経営危機に陥り、そごうも倒産し、有楽町店は閉店して今はビックカメラがある。このときの拡大路線は正しかったのだろうか…。もう少し見てみよう。

 大阪に「主婦の店ダイエー」が開店した。全国展開されていくが、こちらもやがて経営危機に陥った。どうも分が悪いような気がしてならない。


 丁酉の年の拡大路線、大きな一歩は慎重に?

 このように、1957年に大きな決断のもとに実行されたような動きが、後々時代に合わなくなっていることも特徴。これがポイント。決してすぐにダメだったというわけではない。やがて時間が経って時代と合わなくなっている印象がある。そしてとても大きな苦労や後悔につながっている。頭では行けると思っていても、体がついていけないというような...。

 順調で実力も確かにある。そして、もっと前進しようという気持ちがある。これが干支の「丁」が意味する、まだまだ伸び盛りの状態ではないかと思う。ところが「酉」はもう完熟した状態です。だから、頭ではもっと前に進みたくても、体がついていかないということが起こるのではないかと思う。

 2017年の丁酉の年。何かを決定するならば、熟考したり、相談したりと慎重に決めるのが良さそうだ。そして、新たな一歩を踏み出すとしても、やがてスムーズに行かない時期が出てくるかもしれない。だから、いつどうなっても対応できるように、新しい策も検討しながら慎重に進めていければいいのではないだろうか。

 2017年、日本で言えば、エネルギーの問題もあるし、憲法改正の問題もある。保育園の問題もあるし、技術では人工知能が進歩している。これらは、どれも将来にとても大きな影響がある。本物を見極めて慎重に行くことが大切だ。

 参考:本物を知るためにはこちらがお勧めだ → ザ・リバティWeb


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