黒潮の出発点、トカラ海峡

 黒潮は、東シナ海を北上してトカラ海峡から太平洋に入り、日本列島の南岸に沿って流れ、房総半島沖を東に流れる海流である。日本近海を流れる代表的な暖流で、日本では日本海流とも呼ぶ。 貧栄養であるためプランクトンの生息数が少なく、透明度は高い。このため、海色は青黒色となり、これが黒潮の名前の由来となっている。

 トカラ海峡は屋久島・種子島と奄美諸島の間の海峡で、トカラ列島(中之島や諏訪之瀬島など10個ほどのの小さな島々からなる)がその間に列をなして散在している。ここは東シナ海から太平洋への黒潮の通り道として有名だ。

 8月30日、気象庁は日本の太平洋沿岸に沿って流れる黒潮が、和歌山・潮岬から東海沖で日本列島から離れ、北緯31.5度付近まで南下していると発表した。「黒潮大蛇行」と呼ばれる現象とみられ、2005年8月以来のことだ。漁獲量が減ったり太平洋沿岸の潮位が上昇したりする恐れがある。



海から来た植物―黒潮が運んだ花たち
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