終末期鎮静

 癌の末期の患者は痛みに苦しむらしい。私の父親も最後は癌でなくなった。2016年1月19日、NHKで「終末期鎮静」というのを特集していた。末期癌、癌の末期状態というのはもう普通に使われる用語になった。

 通常は体のあちこちに転移して、手の施しようがなく、死を待つだけの状況を指す。げっそり痩せて、食事もできずに。とくに背骨に転移すると痛い、その除痛のために緩和ケアという治療が別建てされている。

 何も特別の治療ではない、モルヒネを使って除痛するのだが、心のケアも重要視される。心穏やかに余命過ごしてもらうという特命を帯びる。なんだかすばらしい事のように聞こえるが、何のことはない、そこに送られた人がよく言われるように「匙を投げられる」状態で、治療の枠から外されるのだ。



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