危機に瀕している日本の科学技術

 日本の科学が危機に瀕している。科学の中核をなす物理学や分子生物学の日本におけるアクティビティが今世紀に入って低下し始めた。主因は担い手である研究者の減少による可能性が高い。

 「近年日本人は、ほぼ毎年ノーベル賞を受賞している。自然科学部門での数は21世紀に入ってから米国についで世界2位ではないか」といぶかしく思う読者もいるだろう。しかしごく少数の例外を除いて、その受賞は20年以上前の研究成果に基づくものだ。

 2016年のノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典さんも、受賞の会見で日本の基礎科学への研究費不足を挙げ、「日本の科学は空洞化する」と、危機感を表明していた。



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