地球温暖化対策は当然、CO2排出量の削減

 CO2の増加が地球温暖化を加速している。そんなことが現実に起きている。世界気象機関(WMO)は、日本を含む世界各地でこの夏異常気象が起きているとしたうえで、地球温暖化が熱波や干ばつをより深刻なものにしていると指摘した。

 世界気象機関は7月24日、スイスのジュネーブで記者会見を開き、この1週間の世界の気象について発表した。

 この中で担当者は、日本の埼玉県熊谷市で7月23日、41度1分と観測史上最も高い気温となるなど、日本の各地で連日猛烈な暑さになっていることや、ノルウェーなどヨーロッパ北部や米国でも熱波で気温が30度を超え、干ばつや森林火災が起きていることなどを挙げて、この夏世界各地で異常気象が起きていると指摘した。



 原因についてWMOは、勢力の強い高気圧に長い間覆われるなど、直接の原因は地域ごとに異なるものの、地球温暖化が熱波や干ばつの頻度を増やし、より深刻なものにしていると指摘した。

 こうなると、やはり石油、石炭などの化石燃料の消費量を極力減らしてCO2の増加を抑えなければならない。日本の発電は石油・石炭に多くを依存している。石油は全発電量の39.7%、石炭は25.4%、天然ガスは23.8%にもなる。(2016年調べ)その点、原子力であれば、CO2の排出量は「0」なので、有望な対策だ。

 自動車や航空機の燃料もこれまでは石油がメインだった。日本のCO2排出量の運輸部門が占める割合は、全体の18.6%。産業部門の33.8%、商業、サービス業の20.0%に次いで3番目に多い。(平成23年調べ)運輸部門の航空機が占める割合は全体の3.9%。これは、自動車の87.8%の燃料に比べればはるかに小さいが、自動車もハイブリッド化や電気化がすすんでいる。

 電気自動車の石油依存度は「0」%であるし、モーターで走るので騒音もない。航空機の燃料、そしてあの騒音も、どうにかできないだろうか?


電気で飛ぶ航空機の開発が始まる JAXAがコンソーシアムを設立

 今回、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、電気で飛ぶ航空機の技術開発を目指す組織「航空機電動化コンソーシアム」をこのほど設立した。世界の航空機需要が増える中で地球温暖化をもたらす二酸化炭素(CO2)を排出しない「地球にやさしい航空機」の実現を目指すという。

 JAXAによると、世界の旅客需要の増加にともなって航空機の数は今後20年間で倍増することが予想されている。航空機用ジェット燃料は天然の原油を精製して得られる成分を主につくられるため化石燃料に分類される。このため国際民間航空機関(ICAO)の総会で国際線航空機によるCO2の排出規制で合意するなど、航空分野での温暖化対策の機運が国際的に高まっている。

 しかし従来の技術によるジェット燃料燃費向上策には限界があり、革新的な技術による航空機の電動化やバイオ燃料の導入などが求められていた。電気自動車用のバッテリーやインバータ、モーターなどの性能は近年飛躍的に向上し、小型の航空機に適用可能なレベルになっている。海外では既に電動航空機の実用化に向けた開発が進んでいるという。

 コンソーシアムは7月1日付で発足。運営を担うメンバー(ステアリング会議メンバー)は、JAXAのほか、IHI、川崎重工業、SUBARU、日立製作所、三菱重工航空エンジン、三菱電機と経済産業省の8者。国土交通省や全日本航空事業連合会、日本航空宇宙工業会、東京大学などがオブザーバーとなるほか、多くの航空、電気、素材産業の企業が参加する。

 JAXAによると、航空機のエンジンを電動化するためには、電動モーターや蓄電池の性能を大幅に向上させ、素材を格段に軽量化するなど技術的課題は多い。このためコンソ-シアムでは、航空産業ばかりでなく関係する分野の企業を含めた産、学、官が連携して電気で飛ぶ航空機実現のための革新的技術創出を目指す。


 航空機電動化の遅れを取り戻す

 7月9日に記者会見したJAXA航空技術部門の担当者は「日本は航空機電動化に適応できる世界に誇る要素技術を持っているが、協業や航空機全機の開発や飛行実証は遅れている。

 産、学、官連携のオープンイノベーション手法により、抜本的なCO2排出削減可能な航空機の実現に向けた活動をしていく」などと述べた。電気で飛ぶ航空機の実現時期は未定だが、年内に具体的な目標を決めるという。

 航空機の電動化は燃費や整備費を大幅に低減できる革新技術の候補であり、将来の航空機技術の競争力を左右する重要な技術。将来この分野で日本が国際的に優位に立つため、JAXAでは先行して電動化航空機における国内有人飛行の前例を作り、国内の電動化航空機開発を推進する「FEATHER(Flight demonstration of Electric Aircraft Technology for Harmonized Ecological Revolution)」事業を2014(平成26)年度まで行ってきた。

 FEATHERで得られた技術を更に発展させて、電動モーターの特性を活かした航空機用パワーマネージメント技術の研究や、燃料電池やガスタービンエンジンなどと組み合わせることによりさらに出力を向上可能なハイブリッド推進システムの検討を行っていく。


 「電気飛行機」の時代は2045年にやってくる

 飛行機の未来について考えたとき、やはり思い浮かべるのは電気飛行機だろう。空飛ぶタクシーが高層ビルから高層ビルへと飛び回り、飛行機が静かに大海原をクルーズするように。どこにでも自由に行ける未来の旅行者が、はたして化石燃料に頼ることになるなんてあるのだろうか。

 2017年9月、英国の格安航空会社であるEasyjet(イージージェット)が、10年以内に電気旅客機を運航する計画を明らかにした。

 電気飛行機の開発を行う米国のベンチャー企業Wright Electric(ライト・エレクトリック)と組み、短距離路線向け電気旅客機を開発する。米Boeing(ボーイング)や米航空宇宙局(NASA)出身者が設立した企業で、既に小型機を試作しているという。

 航空機メーカーも動き出している。ボーイングは、ライト・エレクトリックと同様の航空機ベンチャーであるZunum Aero(ズーナムエアロ)に出資しており、短距離用の電気旅客機の開発を支援しているほか、仏Airbus(エアバス)も開発を進めている。

 9月にスイスで行われた航空ショーでは、独Siemens(シーメンス)が電動小型プロペラ機のデモ飛行を行い観客を沸かせた。ちなみにシーメンスはエアバスと共同で、モーターと従来のエンジンを組み合わせたハイブリット推進システムを開発する方針を明らかにしている。


 バッテリー技術の向上

 電気飛行機のアイデアは昔から存在したが、電気自動車(EV)と同様、バッテリー容量の問題があり、なかなか実用されなかった。だが、ここ数年でバッテリーの技術が格段に進歩したことから、現実的な運用が視野に入り始めた。

 模型飛行機の分野ではかなり前からモーター駆動が普及しており、いずれ実機の世界も電動化されるとの予想は多かったが、ここに来て、実機のプロジェクトが盛り上がっているのは、やはり全世界的なEVシフトと無関係ではないだろう。

 電気飛行機の最大のウリは、二酸化炭素などを排出しないことだが、航空機によるエネルギー消費は、全体の割合からするとそれほど多くない。例えば日本の石油消費量のうちジェット燃料が占める割合はわずか3%である。地球環境全体の話からすると自動車のガソリン消費の方が圧倒的に多く、飛行機の電動化がそれほど大きな効果をもたらすわけではない。

 だが飛行機の電動化には別な意味での潜在力がある。それは低騒音とメンテナンスの容易さである。現実にはこの2つの要素が航空業界に決定的な変化をもたらすことになる。


航空機の電動化は騒音対策にもなる

 航空機はジェットエンジンはもちろんのこと、レシプロエンジン(ピストンエンジン)でも大きな騒音が発生する。このため、航空機の運用には多くの制約が伴うことになり、これがタクシーのような柔軟な運行の妨げになってきた。だが電気飛行機であれば、騒音の問題をほぼゼロにすることも不可能ではない。

 これに加えて、電気飛行機はエンジンの構造がシンプルなのでメンテナンスの負荷が軽い。場合によっては運航コストを大幅に削減できる可能性があり、自動車のEV化と同じインパクトを航空業界にもたらすことになる。もし、安価な小型電気旅客機の開発に成功すれば、短距離路線において柔軟に航空機を運航することが可能となり、航空輸送の世界は一変することになるだろう。

 既に米国では、空のウーバー化(シェアリングエコノミーの活用)がかなりのレベルまで進んでいる。米国では富裕層や企業のマネジメント層などを中心に、定期便の旅客機ではなくプライベートジェットを利用するケースが多い。既に2万機を超えるプライベートジェットが米国内で運行しており、実際、米国の大都市近郊にあるプライベートジェットの飛行場に行くと、ひっきりなしに航空機が離着陸する光景を目にすることができる。

 空の「ウーバー化」航空機シェアリングも着々と進む

 日本ではプライベートジェットというと、超富裕層が利用するものというイメージが強いが、米国では必ずしもそうとは限らない。プライベートジェットを自ら所有し、自分専用に運行している人はごくわずかであり、多くのプライベートジェットのオーナーは、利用しないときには飛行機を時間単位で貸し出し、そこからのレンタル収入で高額な維持費の一部を賄っている。ファンドやリース会社が運用するケースや、ホテルのタイムシェアのような形で複数人が所有する形態も多い。

 つまり、プライベートジェットも実質的にレンタカーやカーシェアのような状況となっている。利用者の多くは時間単位での支払いであり、この形態とウーバー型のビジネスは親和性が高い。

 既に多くのプライベートジェットの予約サイトがあり、日程、出発地、目的地、人数などを入力すると、該当するスケジュールで飛べるプライベートジェットの一覧が表示される。機材や価格などから、好みのものを選択して予約するだけでよい。日程や移動する場所にもよるが、条件がうまく合致すれば、1時間750~1000ドルといった超低価格でプライベートジェットを利用することも可能だ。

 もしこの分野に、圧倒的に安価な電気飛行機が登場してきた場合、近距離航空輸送の市場は爆発的に拡大する可能性がある。タクシーやハイヤーの予約サービスと、航空機の予約サービスは、おそらくシームレスにつながることになるだろう。AI(人工知能)を活用し、目的地を告げれば、もっとも効率がよく低価格なルートが提示されるはずである。その時、利用者はタクシーに乗るのと同じような感覚で、プライベート機を利用するようになるかもしれない。


参考 JAXA: http://fanfun.jaxa.jp/jaxatv/detail/12230.html


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