世界各地で熱波や干ばつ、それでも氷河期はやってくる?
世界気象機関(WMO)は、日本を含む世界各地でこの夏異常気象が起きているとしたうえで、地球温暖化が熱波や干ばつをより深刻なものにしていると指摘し。
日本の埼玉県熊谷市で23日、41度1分と観測史上最も高い気温となるなど、日本の各地で連日猛烈な暑さになっていることや、ノルウェーなどヨーロッパ北部も熱波で気温が30度を超え、干ばつや森林火災が起きている。
異常な暑さは世界各地で今後も続く見通しで、アメリカ西部カリフォルニア州のデスバレーでは、この数日の間に最高気温が53度に達するおそれがあるという。地球温暖化が進んでいる状況だが、信じられないことに、これから地球は氷期に向かう...という研究発表がある。
2017年2月、英紙「Metro」(2月1日付)などによると、英ノーザンブリア大学のバレンティーナ・ザーコバ教授らが、厳密な数学モデルを用いて太陽活動のデータを分析したところ、2030年までに太陽の活動が現在の60%まで減少し、97%の確率で地球が「小氷河期」に突入することが分かったという。
それによると、次の「氷河期」は、14世紀半ばから19世紀半ばにかけて世界各地を襲った「小氷期(Little Ice Age)」相当の規模になると予想されている。
今夏の熱波の中にいると「氷河期」が近未来に起きるとは想像しにくい。だが、氷河期が過去にあったことは、地上に残る氷河や、氷河が削ってできた地形など様々な証拠残っており確実だ。氷河期の証拠は、サンゴなどの化石から知ることもできる。
今回、東京大学が、オーストラリアのグレートバリアーリーフで、サンゴの化石の調査を行ったところ、地球上が寒冷だったおよそ2万2000年前、南極などの氷が増えて代わりに海面が年最大2センチという急激なペースで下がっていたことがわかった。これほど急な海面変化はこれまで知られておらず、気候変動のメカニズムの解明と温暖化による今後の影響予測に役立つ成果として注目されている。
熱帯域のサンゴ化石試料から過去3万年の氷床変化の復元に成功
東京大学(東大)は7月26日、グレートバリアリーフで科学掘削を実施して、熱帯域のサンゴ化石試料を採取することに成功したと発表した。同成果は、東京大学大気海洋研究所の横山祐典 教授らの研究グループによるもの。詳細は英国の学術誌「Nature Geosciences」に掲載された。
グリーンランド氷床は世界の平均海面を7m以上、また南極氷床にいたっては70mほども上昇させる淡水を蓄えている。将来の氷床変化の予測については、気候と氷床変化の関係性のモデルを高精度化する必要があるが、そのために必要な古環境データで現在の観測値がとらえている情報は過去100年ほどと短い。
氷床は富士山ほどの高さ(厚さ)の氷が大陸全体をすっぽり覆うほど大規模なため、その膨大な質量により直下の地殻を100mも押し下げ、さらにその下のマントル物質を低緯度域に移動させるほどの固体地球の変形を引き起こす。これによって、融解した水の受け皿である海底の地形を変形させてしまうため、その容積の見積もりが困難だ。
また、近傍の海面を引き寄せるなどの変化を起こしてしまうために、氷床の変化を知るためには、できるだけそれらの影響が少ない場所、つまり遠く離れた熱帯域の情報が有効となる。加えて、地震によって地形の変形が起こっていない地域が研究に適している。
今回の研究では、これら条件を満たすオーストラリアのグレートバリアリーフにて、サンゴ礁のサンプル採取を実施。同サンプルのLGM前後のサンゴ化石試料を使った化学分析を行うことで、過去3万年間の海水準変動を復元し、世界の氷床変化を高精度に復元した。
今回の成果に関して研究グループは、人工衛星で得られる南極氷床変化の定量的な解釈を含め、現在進行中の地球温暖化が引き起こす海水面上昇の予測を行う上で重要な知見となると説明している。(2018.7.26 マイナビニュース)
2万2000年前に急激な海面低下 南極などの氷増加
地球上が寒冷だったおよそ2万2000年前、南極などの氷が増えて代わりに海面が年最大2センチという急激なペースで下がっていたことが東京大学などの調査でわかった。これほど急な海面変化はこれまで知られておらず、気候変動のメカニズムの解明と温暖化による今後の影響予測に役立つ成果として注目されている。
東京大学の横山祐典教授らの研究グループは、海面の変化を調べるため太古からあるオーストラリアのさんご礁、グレートバリアリーフでさんごの化石の調査を行った。さんごは海の浅い場所にいるため、化石を調べると当時の海面の高さを知ることができる。
その結果、およそ2万2000年前の「氷期」と呼ばれる寒冷だった時期の終わりごろ、海面が年最大2センチという急激なペースで下がっていたことがわかった。
これは、雪が増えたことなどで、当時、南極や北アメリカ大陸にあった巨大な氷床が考えられていたよりも数倍早く増え、代わりに海水が減ったと見られるということで、この状況は1500年くらい続いて、海面は20メートル以上低くなったという。
これほど急な海面変化はこれまで知られておらず、気候変動のメカニズムの解明と地球温暖化による今後の影響予測に役立つ成果として注目される。
横山教授は「いちばん危惧されるのは、海面の上昇による災害だ。データを積み重ねメカニズムを明らかにして、これからの温暖化の影響を予測したい」と話している。(2018.7.26 NHK news)
氷河時代とは何か?
氷河時代(ice age)は、地球の気候が寒冷化し、地表と大気の温度が長期にわたって低下する期間で、極地の大陸氷床や高山域の氷河群が存在し、または拡大する時代である。
長期に及ぶ氷河時代のうち、律動する個々の寒冷な気候の期間は氷期と呼ばれ、氷期と氷期の間の断続的な温暖期は間氷期と呼ばれる。氷河学の専門用語では、「氷河時代」 (ice age) は北半球と南半球の両方において広大な氷床が存在することを示唆する。
この定義によれば、我々は氷河時代の間氷期―完新世―の只中にいることになる。最後の氷河時代(第四紀氷河時代)は更新世が開始した約260万年前に始まり、それは今もグリーンランド(英語版)、北極、そして南極大陸に氷床が存在していることからいえる。
最終氷期(Last glacial period)は、およそ7万年前に始まって1万年前に終了した一番新しい氷期。この時期は氷期の中でも地質学的、地理学的、気候学的にも最も詳しく研究されており、気温や、大気・海洋の状態、海水準低下により変化した海岸線など緻密な復元が進んでいる。
氷河作用の影響を直接受けた地域
最終氷期の時代、およそヨーロッパ北部全域、カナダのほぼ全域と、西シベリア平原の北半分が巨大な氷床に覆われていた。北アメリカではその南限は五大湖周辺、東ヨーロッパではライン川の河口からクラクフ、ロシアではモスクワからアナバル川河口まで達していた。
アイスランド全島、南部を除いたブリテン諸島も氷床に覆われていた。一方南半球では、パタゴニア氷床がチリ南部、南緯41度付近まで達した。チベットや、カシミール地方のバルティスタン(パキスタン北端部)とラダック(インド西北部)、アンデス山脈のアルティプラーノも氷床に覆われていた。
アフリカ、中東、東南アジアでは小規模な山岳氷河が形成され、特にアフリカではアトラス山脈とバレ山地、東南アジアではニューギニアに氷河が存在した。オビ川、エニセイ川は広大な氷床によってせき止められ巨大な湖が形成された。
永久凍土が、ヨーロッパでは氷床の南から現在のハンガリーのセゲドまで、アジアでは北京まで発達していた。しかし北アメリカでは標高の高いところ以外では氷床の南域に永久凍土は発達しなかった。
氷床に覆われた時期の北アメリカは現在の氷河地域のような気候であったが、東アジアやアラスカの一部は標高の高いところ以外は氷河化していなかった。この特殊な現象には3つの原因が考えられる。
1.寒流の親潮がベーリング陸橋に遮断されていたため、太平洋は大西洋より暖かかった。
2.現在の東アジアの降水量は夏に非常に多いが、冬はヨーロッパや北アメリカの同緯度と比べて極端に少ないことから、氷河が形成されるだけの降雪が起こらなかったと推測される。
3.東アジアには東西方向に高い山々が連なっているため、氷床の南下が妨げられた。最終氷期の最盛期には、数十万立方キロメートルといわれる大量の氷がヨーロッパや北米に氷河・氷床として積み重なった。
氷河期には海面低下、最大120mも
海水を構成していた水分が蒸発して降雪し陸上の氷となったため、地球上の海水量が減少、世界中で海面が約120メートルも低下した。その影響で海岸線は現在よりも沖に移動していた。
この海水準がもっとも低下した時代、東南アジアでは現在の浅い海が陸地になっており「スンダランド」を形成していた。アジアとアラスカの間にはベーリング陸橋が形成され、ここを通って北アメリカに人類が移住したと信じられている(海水準変動を参照)。
日本列島およびその周辺では、海岸線の低下によって北海道と樺太、ユーラシア大陸は陸続きとなっており、現在の瀬戸内海や東京湾もほとんどが陸地となっていた。
また、東シナ海の大部分も陸地となり、日本海と東シナ海をつなぐ対馬海峡もきわめて浅くなり、対馬暖流の流入が止まったと言われている。この影響もあり日本列島は現在より寒冷で、冬季の降雪量が少なかったと考えられている。北海道では永久凍土やツンドラ、標高の高い地域では山岳氷河が発達し、針葉樹林は西日本まで南下していたと言われている。 最終氷期が終わった現在の完新世のことを後氷期と呼ぶこともある。
寒のもどり「ヤンガードリアス期」
最終氷期が終わって後氷期に移行する時に大きな「寒の戻り」がおこり一時的に氷期のような寒冷な気候になった。この時期はヤンガードリアス期(およそ1万3000年前)と呼ばれ、約10年のあいだに気温が約7.7℃以上下降したということがわかっている。
これは氷期から間氷期に移行する時の急激な温暖化によって、北半球の氷床が溶解し、大量の淡水が大西洋に流入して海洋・気候のシステムに大きな影響を与えたためと言われていた。
「米科学アカデミー紀要(電子版)にメキシコや米国などの研究チームが発表する論文によると、チームはメキシコ中部のクイツェオ湖にある1万2900年前の地層を分析。通常は見られない、急激な加熱と冷却によりできたダイヤモンドの微粒子などが含まれていたことから、山火事や火山噴火ではなく彗星などの空中爆発や地上への衝突が起きたと結論づけた 」と朝日新聞は報じている。
寒のもどりの原因が「彗星の衝突」であったとは、驚きである。恐竜が絶滅したのも彗星などの衝突が原因であるし、現代では考えられないが、地球の過去には、たびたび彗星など他の天体衝突があったようだ。
マイナビニュース: https://news.mynavi.jp/article/20180802-671700/
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