地球の歴史上、最大の動物は何か?
世界一大きな動物は何だろうか?ゾウやクジラを思い浮かべるかもしれない。過去の動物も含めると恐竜を思い浮かべるかもしれない。
実は、現存する最大の動物種であるだけでなく、かつて地球上に存在した確認されている限りの恐竜や動物を含めても、あらゆる既知の動物の中で最大級の動物が「シロナガスクジラ」である。記録では体長34メートルのものまで確認されている。(ただし、今後巨大な恐竜の化石が発見されるかもしれない)
平均全長26メートル。最大全長33.6メートル。体重190トン(全長27.6メートル)と哺乳綱最大種。体長20-34m、体重80-190t。ただし、30m級の個体はまれで、特に北太平洋ではほとんどが26m未満と小型のため別の亜種に分類される。東京・上野の国立科学博物館に行くと、実物大のシロナガスクジラの模型が展示されている。
近年、個体数は年々増加し続けているものの、総計で1万頭前後と非常に少なく、絶滅危惧種に指定されている。巨大で高速なことから捕獲が困難で、古くは捕鯨の対象とはならず、元々は個体数は30万頭いたと推定されている。
しかし、19世紀以降、爆発銛、大型・高速の捕鯨船が導入された近代捕鯨が始まると捕獲対象となった。もっとも早く減少した北大西洋のシロナガスクジラは、第二次世界大戦前には関係国の協定により捕獲が停止されており、1954年には国際捕鯨委員会で正式に捕獲停止が決定された。
1962/1963年の漁期を最後に通常型の捕獲は停止された。捕獲停止時の南極海の通常型の個体数は約700頭と推定されている。北太平洋でも東部海域は1954年、西部海域も1966年には捕獲が停止された。その後はごく少数の例外を除き捕獲はされておらず、捕獲は全世界で停止状態にある。捕獲禁止後も長らく個体数回復の調子が見られなかったが、近年ではようやく回復に転じている。
南極海の個体数について、1997/1998年の推定では通常型(ピグミーを除く)2300頭とされ、このほかピグミーシロナガスクジラが5700頭以上とされる。増加率は、南極海の通常型について1978/1979年期-2003/2004年期の間で年平均8.2%と推定されている。
2018年8月5日、神奈川県鎌倉市の由比ヶ浜に、クジラの死骸が打ち上げられているのが発見された。これが何とシロナガスクジラであった。体長10メートルほどの今年生まれの子どもでオスと見られている。国立科学博物館の研究員によれば、シロナガスクジラが日本の海岸に打ち上げられたのは国内初であり、調査のために国立科学博物館が引き取る。
漂着したのはシロナガスクジラだった!国内で初
8月5日、神奈川県鎌倉市の海岸で見つかった体長10メートルほどのクジラの死骸は地球上で最大の動物、シロナガスクジラの子どもであることがわかった。国内の海岸に漂着したのは初めてと見られるということで、国立科学博物館では死因やDNAの分析など可能なかぎり調査を行うことにしている。
このクジラは5日、神奈川県鎌倉市の由比ヶ浜海岸で波打ち際に打ち上げられているのが見つかった。6日朝、国立科学博物館の専門家が現場を訪れ、クジラを詳しく調査した。
その結果、胸びれの形や体の色から、打ち上げられたのは、地球上で最大の動物として知られるシロナガスクジラと確認された。体長10メートル52センチの子どもで、体の表面には赤ちゃんに特徴的ないぼがあることから、ことし生まれたと見られ、オスだという。
国立科学博物館によるとシロナガスクジラが国内の海岸に漂着した記録はなく、今回が初めてと見られる。クジラは国立科学博物館が調査のため引き取ることになっていて、国立科学博物館の田島木綿子研究主幹は「日本での生物学的な調査は初めてのことで、世界的な期待も高まっているので、今後、死因のほか、DNAの分析など可能なかぎりの調査をしなければならないと思っています」と話した。
海岸には打ち上げられたクジラを一目見ようと多くの人が集まり娘と訪れた女性は「初めてこんなに近くでクジラを見て、びっくりしました」と話していた。
シロナガスクジラは史上最大の動物で長寿
クジラの生態に詳しい東京海洋大学の中村玄助教によると、シロナガスクジラは確認されている範囲で恐竜なども含めて史上最大の動物で、過去には体長33メートル、体重200トンほどの個体も確認されている。
寿命が長いのも特徴で、これまでに確認された最高齢は110歳だが、さらに長寿のものがいる可能性もあるという。中村助教によると、シロナガスクジラは北半球と南半球とで別々のグループが生息していることが知られ、体の大きさは北半球のもののほうが1割ほど小さいという。
繁殖の時を除いて基本的に陸から遠く離れた外洋で単独行動をしていて、北半球のグループはこの時期は太平洋や大西洋の北部から北極海に近い海域で餌を食べているものとみられているが、繁殖や回遊などの生態はわかっていない部分が多い。
子どもは体長7メートルほどで生まれ、今回打ち上げられた個体は体長などから1歳前後の赤ちゃんとみられ、何らかの原因で親からはぐれてしまった可能性があるという。
シロナガスクジラは19世紀後半から20世紀にかけて行われた商業捕鯨の影響で激減し、北半球と南半球でそれぞれ数千頭ほどしか生息していないとみられ、絶滅危惧種に指定されている。
中村助教は「数が少ないうえに外洋で暮らしているため、陸に打ち上げられることは極めて珍しい」と話しています。
現場で調査にあたった国立科学博物館の田島木綿子研究主幹は「シロナガスクジラが漂着するのは、国内で初めてのことなので大変、驚きました。日本での生物学的な調査は初めてのことで、世界的な期待も高まっているので、今後、クジラを移動して、死因のほか、DNAサンプリングなど可能なかぎりの調査をしなければならないと思っています」と話していました。
シロナガスクジラとは何か?
シロナガスクジラ(Balaenoptera musculus)は、哺乳綱偶蹄目(鯨偶蹄目とする説もあり)ナガスクジラ科ナガスクジラ属に分類される鯨類。
現存する最大の動物種であるだけでなく、かつて地球上に存在した確認されている限りの恐竜や動物を含めても、あらゆる既知の動物の中で最大の種であり、記録では体長34メートルのものまで確認されている。長身であることを指して、江戸時代にはナガスクジラとともに「長須鯨」と呼ばれた。
「白」を冠した現在の和名は、浮かび上がる際に水上からは白く見えることに由来する。 英語では一般にblue whaleと呼ぶが、腹側に付着した珪藻によって黄色味を帯びて見えることからsulphur bottom(「硫黄色の腹」)の異称もある。 熱帯から寒帯にかけての外洋域。模式標本の産地(基準産地・タイプ産地・模式産地)はフォース湾(イギリススコットランド)。オホーツク海や地中海・日本海・東シナ海・ベーリング海などには分布しない。
全長26メートル。最大全長33.6メートル。体重190トン(全長27.6メートル)と哺乳綱最大種。体長20-34m、体重80-190t。ただし、30m級の個体はまれで、特に北太平洋ではほとんどが26m未満と小型のため別の亜種に分類される。南半球に生息する亜種のピグミーシロナガスクジラはさらに小型である。成体ではオスよりメスのほうが若干大きい。体型は紡錘型。下顎から臍にかけて55 - 88本の溝(畝)が入る。体色は青灰色で、淡色の斑紋が点在する。和名は水中では他種と比較して白く見えることに由来する。胸鰭の腹面は白い。
上顎は扁平で、アルファベットの「U」字状。髭は髭板も剛毛も黒い。背鰭は小型で、三角形。
上あごと下あごが軟骨のみで繋がっているため、直径10メートル近く口をあけることができる。流線型の体型をしており、尖った頭部をもつ。細く長い胸びれ、横に広がった薄い尾ひれをもつ。また、背中の後方には小さな背びれをもつ。
この背びれの形や、付近の模様から個体識別を行うことができる。体表は淡灰色と白のまだら模様で、のどから胸にかけては白い模様になっている。のどの表面には60本程度の畝(うね)がある。
主食であるオキアミを捕食するときは、この畝が広がって大きなのど袋をつくる。頭頂部には2つの噴気孔がある。歯に代わる部分として食事に使われるいわゆる鯨髭と呼ばれる髭板の長さは一枚70cm以上にも及ぶ。ただし、髭板の長さではセミクジラ科のホッキョククジラの方がはるかに長く、最大3m近くに達するのに比べれば小さく、鰭の大きさでも同じ仲間のザトウクジラには及ばない。
しかし、シロナガスクジラ最大の特徴は、やはり何と言ってもその体長である。世界最大の動物であるが、その大きさは、人間を仮に平均170センチメートルだとすると、シロナガスクジラは、およそ12倍から最大で20倍に相当する。ちなみに34メートルというのは、およそ11階建てのビルと同じである。
大きさや側面の模様は、2番目に大きいナガスクジラと類似するため、アイスランドでは捕獲したクジラが捕鯨禁止のシロナガスクジラか否かが問題となったことがある。その際には、稀に見られるシロナガスクジラとナガスクジラの交雑種の存在も指摘された。
シロナガスクジラの仲間として キタシロナガス、ミナミシロナガス、ピグミーシロナガスなどがいる。1903年、E・G・ラコビツァにより、これらの学名が整理され、初めて最終的な学名が確定した。亜種としては、南半球に生息する小型の亜種としてピグミーシロナガスクジラB.m.brevicaudaが分類されている。さらに、通常型のシロナガスクジラについても、北太平洋などに生息するキタシロナガスクジラ B. m. musculusと、南半球のミナミシロナガスクジラ B. m. intermediaの2亜種に分類する仮説が有力である。
シロナガスクジラの生態
外洋に生息するが、カリフォルニア湾では沿岸部に生息する個体群もいる。全海域に生息し、回遊を行う。多くの個体が夏は、オキアミが豊富な北極海・南極海の積氷まぎわまで回遊し、冬には熱帯または亜熱帯で繁殖を行う。オホーツク海など付属海にはあまり入らない。繁殖期や子育ての期間を除き、基本的に単独で行動する。
主にオキアミ・カイアシ類などのプランクトンを食べる。カリフォルニア湾では浮遊性のカニ類も食べる。主にプランクトン、いわし等の小魚を食べるが、時にはアジなどの中型魚も食べる。
食性はオキアミにほぼ特化しており、上あごにある「ひげ板」でこしとって採食する。成体では一日に4t程度のオキアミを捕食する。また、オキアミの食べ方にもいろいろあり、一例としては、海面近くに生息するオキアミを食べるのに一端水中に潜り威嚇するように泳いで、オキアミが身を守るために集団で寄り添ったところを一気に食べる。また、最近の研究で、まれなケースとしてイワシを捕食した例が確認されている。イワシはオキアミに比べ泳ぐのが速く縦横に移動するため、それを追いかけ上下逆向きで泳ぐなどの複雑な挙動を繰り返す。
繁殖様式は胎生。冬季に交尾を行う(南半球では7 - 8月)。妊娠期間は10 - 11か月。夏に交尾し、妊娠期間は約11ヶ月。冬季に低緯度地方で出産を行う。1回に1頭の幼獣を産む。体長約7mの子どもを通常1頭出産する。まれに双子が生まれることもある。出産間隔は2 - 3年。授乳期間は6 - 8か月。授乳期間は7 - 8ヶ月。生後8 - 10年で性成熟する。
若い個体は、急角度で水面から飛び出し着水する「ブリーチング」をしばしば行う。最長寿命は120年と推定されている。
シロナガスクジラは最も大きな鳴き声をあげる動物種でもある。低周波の大きなうなり声を発し、音量は180ホンを超えることもある。この鳴き声により個体間のコミュニケーションを行っており、150km以上先の相手とも連絡をとる事が出来る。天敵はヒトやシャチ以外には殆どいない。
シロナガスクジラと人間との関係
カリフォルニア州ではホエール・ウォッチングの対象とされることもある。
古くは遊泳速度が速く死骸が沈むことから捕鯨の対象とはされていなかった。1860年代に近代式の捕鯨方法が開発されたことで、捕鯨の対象とされるようになった。南極海では1904年から捕鯨が開始された。2008年現在では本種に対する大きな脅威はなく、生息数は増加傾向にあると考えられている。一方で地域によっては船舶による攪乱や、南極海では棚氷の減少による影響が懸念されている。
近年、個体数は年々増加し続けているものの、総計で1万頭前後と非常に少なく、絶滅危惧種に指定されている。巨大で高速なことから捕獲が困難で、古くは捕鯨の対象とはならず、元々は個体数は30万頭いたと推定されている。
しかし、19世紀以降、爆発銛、大型・高速の捕鯨船が導入された近代捕鯨が始まると捕獲対象となった。もっとも早く減少した北大西洋のシロナガスクジラは、第二次世界大戦前には関係国の協定により捕獲が停止されており、1954年には国際捕鯨委員会で正式に捕獲停止が決定された。
手付かずであった南極海でも20世紀初頭には捕鯨が始まり、ノルウェー、イギリス、日本を中心とした10カ国が捕鯨船団を派遣するなどして捕獲が行われた。最盛期である1930/1931年の1漁期だけで約3万頭が捕獲された。
第二次世界大戦による捕鯨中断のため若干の回復があったものの減少が続いた。1937年に一部の国の協定で操業期間制限が始まり、1946年の国際捕鯨取締り条約で捕獲量に制限が設けられたものの、規制に用いられた「シロナガス換算方式」の欠点から、個体あたりの鯨油生産効率の高いシロナガスクジラに捕獲が集中し、十分な歯止めとならなかった。
1962/1963年の漁期を最後に通常型の捕獲は停止された。捕獲停止時の南極海の通常型の個体数は約700頭と推定されている。なお、亜種のピグミーシロナガスクジラも1966年には捕獲が停止され、南極海での捕鯨は完全停止した。
北太平洋でも東部海域は1954年、西部海域も1966年には捕獲が停止された。その後はごく少数の例外を除き捕獲はされておらず、捕獲は全世界で停止状態にある。捕獲禁止後も長らく個体数回復の調子が見られなかったが、近年では回復に転じている。南極海の個体数について、1997/1998年の推定では通常型(ピグミーを除く)2300頭とされ、このほかピグミーシロナガスクジラが5700頭以上とされる。増加率は、南極海の通常型について1978/1979年期-2003/2004年期の間で年平均8.2%と推定されている。
参考 朝日新聞: https://www.asahi.com/articles/ASL864CQDL86ULOB00F.html
![]() |
地球最大の動物 シロナガスクジラに迫る/中村宏治 [DVD] |
クリエーター情報なし | |
BMG JAPAN |
![]() |
クジラは昔陸を歩いていた―史上最大の動物の神秘 |
クリエーター情報なし | |
PHP研究所 |
��潟�<�潟��