スターバックスからストローがなくなる

 スターバックスコーヒーは、2020年までにストローを廃止して、その代わりに「ストローなしのフタ」に変更するようだ。子供用につくられた、液体がこぼれにくいデザインのコップになるという。

 日本の外食大手すかいらーくも環境を配慮して、国内では初めてプラスチック製ストローを2020年までに全廃すると発表した。同社では紙製ストローなどの代替品を使わず、ストローの提供自体をなくすという方針を打ち出している。

 こんな動きがあるのも、世界中で問題になっているプラスチックごみの問題があるからだが、プラスチック製品は他にもたくさんある。例えば使い捨てプラスチック製コンタクト。米国の下水に流されているコンタクトレンズは年間最大33億枚に達する...そんな推計を米アリゾナ州立大の研究チームが、米化学会で発表している。コンタクトレンズがマイクロプラスチックを増やしている可能性がある。



 マイクロプラスチック自体も、化粧品、歯磨き粉あらゆるものに使われている。何もストローから禁止しなくてもという気もしないではない。台湾で人気タピオカミルクティーは、太めのストローがあってこその飲み物だ。だが、レジ袋と同様に身近なものから失くしていこうという動きが世界中で起きている。

 将来、便利なストローが亡くなる日が来るのだろうか?当面は生分解性プラスチックや、丈夫な紙製ストローに変わっていくらしい。欧米ではプラスチック製品に対する取り組みはすすんでいる。日本でもようやく、環境省が中心になってすすめていくようだ。今、世界的に話題になっているストローなどプラスチック製品に関する動きを調べてみた。


 米シアトル、プラスチックストロー全面廃止

 海洋プラスチック汚染と戦うためには、できるだけ多くの人を巻き込む必要がある。簡単でやりやすく、取り組みたいと思わせるようなことから始めなければならない。プラスチックを一切諦めるような生活に一変するやり方よりも、プラスチックストローのような使い捨てプラスチックの使用をやめてもらうなどの小さなことから始めるべきだ。

 プラスチックのごみによる環境や海洋汚染は世界的に深刻な問題で、喫緊の課題として各国が真剣に向き合い始めている。アメリカ・シアトル市は今年7月1日、全米で初めて、市内の約5,000の飲食店でプラスチック製ストローやカトラリー(ナイフ、フォーク、スプーンなど)の提供を禁止した。

 また同市ではこれに先駆け、廃棄ストローで汚染された海をきれいにするための「Strawless in Seattle」(ストローレス・イン・シアトル)キャンペンーンも立ち上がっている。主宰団体のLonely Whale(ロンリー・ウェイル)財団によると、全米では毎日5億本のプラスチック製ストローが消費されており、年間1,200万トンのプラスチックが海に流されているとのこと。

 シアトルに本社を構えるスターバックス社も、2020年までにプラスチック製ストローを全廃すると発表している。

 一方東海岸のニューヨークでは、まだ法律でプラスチック製ストローが禁止されてはいないものの、シアトルのように法案で禁止される日が来るのも近いのではないかと囁かれており、人々の間でももっぱらホットトピックだ。日本ではどうなっているのだろうか?


環境省、紙ストローに補助金

 環境省は使い捨てプラスチック製のストローやレジ袋を、自然界で分解できる製品に切り替えるよう後押しする。紙製や生分解性のバイオプラスチックを製造する企業に補助金を出す。海に流出する使い捨てプラスチック製品の使用を見直す動きが広がるなか、代替品普及の課題となっていた供給体制を整えるのが狙い。

 同省は2019年度の概算要求に50億円を盛り込む。補助金は使い捨てプラスチックを代替する紙製品やバイオプラスチックの製造を手がける企業が対象になる。補助額は製品の種類や生産量などに応じて決める。

 ストローは製紙会社などが紙製の試作品の開発を進めるが、量産体制は整っていない。植物を原料にするバイオプラスチックは微生物などの働きで分解するためレジ袋や食品容器に使われるが、既存のプラスチックより生産コストが数倍高く普及が進んでいない。補助金で、コスト増を理由に慎重だった企業の切り替えを促す。

 同省は使い捨てプラスチックの削減に向けて、年内にも数値目標を盛り込んだ対応策もまとめる方針だ。欧州連合(EU)では規制が進む一方で、日本では産業界の慎重姿勢が強い。規制ではなくまず補助金を設けることで、日本式の削減策を打ち出す。

 使い捨てプラスチックを巡っては、外食を中心に切り替えの検討が進む。国内ではすかいらーくホールディングス(HD)が20年までにプラスチック製ストローを全廃する方針を発表した。海外では米コーヒーチェーン大手のスターバックスも20年までに全世界で廃止。米マクドナルドも英国とアイルランドで紙製に切り替える方針を公表している。国連環境計画(UNEP)によると、世界で年間に約1300万トンのプラスチックが海に流出しているという。(2018/8/23 日本経済新聞)


海洋プラスチック憲章 

 政府はプラスチックごみによる海洋汚染の深刻化を受けて削減に向けた対策に乗り出す。年内にも数値目標を盛り込んだ対応策をまとめる。プラごみを巡っては欧州連合(EU)などで規制が進む。日本は包括的な規制がなく国内外から批判が強まっている。レジ袋や使い捨て容器など、どこまで規制に踏み込めるかが焦点となる。

 環境省が8月17日に開いた審議会でプラごみの削減の議論に着手した。6月の主要7カ国(G7)首脳会議で「海洋プラスチック憲章」がまとまったため。削減や規制案のほか、効率的な回収・再利用の方法、「バイオマスプラスチック」と呼ばれる分解しやすい代替品の開発や普及策も検討し、年内にも答申案をまとめる。

 同省で検討が始まったものの、実効性のある対策の実現は不透明。一部の産業界ではプラスチック製品の規制強化には代替品の調達が間に合わないとして慎重論が根強いためだ。具体的な削減に向け、レジ袋や使い捨ての弁当箱など日常生活に関連した製品を対象にした規制が進むかが焦点になる。

 また規制の導入には環境省だけではなく、経済産業省や農林水産省との調整も必要になる。「どこまで実効性を持つ規制策が打てるかは各省折衝など今後の議論次第だ」(政府関係者)という。

 経済協力開発機構(OECD)はプラごみによる環境汚染などの損害が年間約130億ドル(約1兆4千億円)に上ると試算。EUなどは既に規制を強化している。

 日本は1人当たりの使い捨てプラスチックの発生量は米国に次ぎ世界で2位だ。ところがG7の海洋プラスチック憲章は米国とともに署名を見送り、批判を浴びた。憲章では数値目標が盛り込まれた。署名しなかった理由について中川雅治環境相は「産業界と調整する時間が足りなかった」と釈明した。

 日本はプラごみによる海洋汚染を2019年6月に大阪で開く20カ国・地域(G20)首脳会議におけるテーマの一つとして各国と議論したい考えだ。ただ国内向けの具体的な削減や規制策を打ち出せなければ再び批判の的となる可能性もある。(2018/8/17 日本経済新聞)


欧州(EU)、脱プラスチック加速  

 海洋汚染が問題になっているプラスチックごみを減らす取り組みが、欧州で加速してきた。飲食や小売店でストローの配布をやめたり、食器を再生可能な素材に変えたりする動きが広がっている。欧州連合(EU)は今後、使い捨てのプラスチック容器などの使用を禁じる方針だ。地球環境を脅かすプラスチックごみの削減へ海洋大国の日本も積極的な対応が迫られる。

 米マクドナルドは英国とアイルランドの全1361店舗で9月から、プラスチック製のストローを紙製に順次切り替える。同社の2カ国でのストロー消費量は1日あたり約180万本にのぼるとされ、2019年中に変更を終える予定だ。米国やフランス、スウェーデンなどでも今後、一部の店舗で紙製ストローの導入を試験的に始める。

 英パブ運営大手のJDウェザースプーンは18年に入り、ストローを客から求められない限り出さないようにした。素材もプラスチックから微生物で自然分解される紙製に変えた。リサイクルが困難なごみを減らす対策の一環で「客の反応は上々」(広報担当者)という。

 食品世界最大手のネスレ(スイス)は4月、自社製品の容器を25年までに、再利用や再生が可能な素材に全面的に切り替える方針を表明した。

 EUの執行機関である欧州委員会は使い捨てプラスチックの禁止や抑制をめざす新ルール制定を5月、加盟国政府と欧州議会に提案した。綿棒やストロー、皿のような代替品が手に入りやすいものは、プラスチック製の使い捨てを禁じる方針だ。食品の容器や飲料カップには削減目標の制定や有料化を求める。菓子類の包装やたばこのフィルターなどでは、メーカーに回収や処理費用を負担させるとした。

 英政府も1月、プラスチックごみを42年末までにできる限りなくす目標を打ち出した。レジ袋の有料化対象の拡大や、使い捨て製品の禁止などを検討する。英メディアによるとエリザベス女王はバッキンガム宮殿やウィンザー城などの王室施設で、使い捨てのスプーンや容器の使用を禁じた。

 こうした背景には、プラスチックごみの投棄による海洋汚染の深刻化がある。世界経済フォーラムが16年に示した報告では、少なくとも毎年800万トンが世界の海に流れ込んでいる。1億5千万トンを超すプラスチックごみが海中に漂い、適切な対応がとられないと50年までに魚の総重量を上回ると推計している。

 プラスチックは分解に長い年月がかかり、深い海に沈み込めば除去が難しい。投棄されて漂うプラスチックごみは海の生態系を傷つける。有害なプラスチックを食べたり、微細な粒子を飲み込んだりして体内に取り込むことで、600種を超す海洋生物が害を受けているとの報告がある。

 EUは海のごみの8割超がプラスチックだと指摘する。魚介類を通じた人間の健康被害への懸念も強い。地中海では閉じた地形から堆積が特に深刻とされ、欧州が危機感を強める背景となっている。

 6月上旬にカナダで開かれた主要7カ国(G7)首脳会議では、カナダと欧州勢が「海洋プラスチック憲章」を採択した。消費削減の数値目標などが盛り込まれたが、日本は産業界との調整に時間がかかるなどとして米国とともに署名を見送り、環境保護団体から批判を浴びた。

 国連環境計画(UNEP)によれば、日本は人口1人あたりのプラスチック包装によるごみ発生量が米国に次いで多い。消費量を抑えるための取り組みが今後、企業や市民に求められそうだ。(2018/6/20 日本経済新聞)


 生分解性プラスチックか、紙製ストローか?

 「生分解性プラスチック」の真実はべつに地球に優しくない。特殊な環境下でのみ生物分解するわけで、海のような自然環境下で迅速かつ完全に分解することはない。しかも酸化分解の過程で大量のマイクロプラスチックを発生させ、長い間、海などの環境中に残り続けることになる。

 昔の紙製ストローはひどかったようで、すぐもろくなるし、飲み物が漏れていたようだ。プラスチックの出現でストローは安く、便利になった。しかしプラスチックストローによる環境問題の声が大きくなり、再び紙製のストローが注目されている。ここ数年で、紙製ストローの耐久性はすさまじく進化している。

 他社でも紙製ストローが販売されているが、漏れやすかったり、裏地がプラスチックでコーティングされている半分インチキな紙製ストローまである。Aardvark社の紙ストローは、1日中ドリンクの中に入れても漏れない丈夫な紙ストロー。

 自社のインディアナ工場の周辺で持続可能な形で育てられた木から製造している。特別製の安全に飲めるインクのおかげで、ストローをカラフルなロゴにカスタマイズできる。(Aardvark Straws)

 シアトルの食品サービス業界が、最終的に紙ストローを選ぶか、生分解性プラスチックのストローを選ぶかどうかは、いまのところ任意のようだ。問題はコスト、おおよそだが、一般のプラスチックストローは0.5セントのコスト、生分解プラスチックのストローは1セント、紙製ストローは1.5セントのコストがかかる。(Oceans Deeply)

 経済的に見ると、紙ストローはプラスチック製よりコスト高になる。しかし紙製にしかできない大きなメリットがある。それが広告。プラスチックストローにプリントはできないが、紙製ストローなら企業のロゴなどをプリントでき、企業は1.5セントで広告ができるというわけである。


参考 BBC news: https://www.bbc.com/japanese/44776177


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