9月24日中秋の名月
2018年は9月24日が「中秋の名月」。お月見といえば「9月の満月」と思われがちだが、今年2018年の場合、中秋の名月の日は9月24日で、満月の日である9月25日の前日になる。中秋の名月の日は、どのように決まるのだろうか。
昔から、秋こそが月を見るのに良い季節とされていたが、秋である旧暦の7月~9月のちょうど真ん中の日が「中秋」、8月15日である。そのため、8月15日を「中秋の名月」と呼んで月を愛でることにした。なお、似た言葉の「仲秋」は「八月」を指す(七月は初秋、九月は晩秋)。旧暦と新暦ではおよそ1ヶ月のずれがあるため、今年は9月24日が中秋となる。
日本では月の模様をウサギに見立てるなど、古くから人々に親しまれてきた。海外では月の模様をカニやロバ、ワニ、ライオンなどさまざまな動物に見立てたり、女性の横顔、本を読むおばあさんなど、いろいろな見方がある。実際にアポロ11号で月に降りてみると、月は荒涼とした岩と砂の世界だった。せっかく月に行ってみたけれど、人が利用する価値のあるものはほとんどなかった。
あれから50年近く経とうとしている。莫大な費用がかかったアポロ計画以来、再び人類を月面へ送ろうとする計画が持ち上がってきている。それは、他の惑星有人探査のための中継基地としての役割だ。
有人基地である以上、飲み水や食料、燃料は欠かせない。これらの物資はお金をかけて地球から運ぶしかなかった。しかし、最近は月面でも水があるのではないかという場所が発見されている。
月の南極と北極には確実に氷が存在する
今回、月の南極と北極には確実に氷が存在することが分かった...と米航空宇宙局(NASA)の研究チームが8月21日に発表した。これまでさまざまな観測や研究から月面に氷が存在する可能性が高いとされてきたが、NASAは今回の研究結果について「氷が存在する直接的かつ決定的な証拠」と強調している。研究論文は20日付の米科学アカデミー紀要に掲載された。
研究チームは米ハワイ大学やカリフォルニア大学シリコンバレー校の研究者らで構成された。同チームは、2008年にインド宇宙研究機関(ISRO)が打ち上げた月周回衛星チャンドラヤーン1号に搭載された装置が収集したデータを詳しく分析した。この装置はNASAのジェット推進研究所(JPL)が月に分布する鉱物地図を作るために開発した「月面鉱物マッピング装置(M3)」。同チームの説明によると、M3は氷が反射する光を観測できるだけでなく、氷とみられる物質が赤外線を吸収するかどうかを測定することにより、その物質が固体の氷か液体の水か、あるいは蒸気かが判別できるという。
研究チームはM3のデータを長い時間をかけて詳細に分析した。その結果、南極の極点近くのクレーターのほか、北極の周辺にも氷が存在することを証明するデータが得られたという。月の回転軸の傾きは極めて小さいため極地には太陽光が当たらない。今回存在が明らかになった氷は年間最高温度でも絶対温度110度(セ氏・マイナス約163度)未満の極低温の場所に集中しているという。
NASAはこれまでも、チャンドラヤーン1号による観測データなどから、月の北極や南極には氷が存在する可能性が高い、としていた。NASAは今回、M3の詳細な分析データを研究論文としてまとめ、発表文(プレスリリース)で初めて「直接的かつ決定的な証拠を観測した」という表現を使った。
月面の氷は、将来長期間の有人月探査が実現した際には貴重な水資源として使用できる可能性がある。
月の両極の表面に水の氷の存在を示す決定的証拠
米・ハワイ大学およびブラウン大学のShuai Liさんたちの研究チームが、2008年にインド宇宙研究機関が打ち上げた月探査衛星「チャンドラヤーン1号(Chandrayaan-1)」が観測したデータを調べ、スペクトル中の近赤外線の波長に3つの吸収線の特徴を見つけた。この特徴からLiさんたちは、月の表面の深さ数ミリメートル以内のところに水の氷が存在すると結論付けた。
検出された月の氷は、南極と北極に近いところに分布しており、南極付近では集中して、北極付近では広範囲にわたってまばらに存在している。これらの氷のほとんどは、クレーター内部の暗い「永久影」の部分にある。永久影は太陽の光が決して届くことがなく、温度が最高でも摂氏マイナス160度ほどにしかならない非常に冷たい場所だ。
月の南極(左)と北極(右)における氷の分布(青い点)。月面図は灰色が暗いほど低温であることを表している(提供:NASA)過去には、月の南極の表面に水の氷が存在する兆候が間接的に見つかっていたが、他の現象でも説明可能なものであり確実な証拠とは言えないものだった。決定的な証拠が直接観測されたのは今回が初めてである。
一方で、非常に低温の「コールド・トラップ」のうち3.5%にしか水の氷の存在が検出されていない。このように表面に水の氷が少ないことは、月の形成や進化の過程と関連があるかもしれないと考えられている。
月の表面に水の氷がじゅうぶん存在していることが明らかになれば、地下の氷よりも採取しやすい水資源として、将来の月探査や月滞在にも利用できるかもしれない。
参考 サイエンスポータル: https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2018/08/20180824_01.html
世界はなぜ月をめざすのか 月面に立つための知識と戦略 (ブルーバックス) | |
クリエーター情報なし | |
講談社 |
月の地形観察ガイド: クレーター、海、山脈 月の地形を裏側まで解説 | |
クリエーター情報なし | |
誠文堂新光社 |
��潟�<�潟��