「スーパー・ブラッド・ウルフムーン」1月21日に欧米などで観測

 1月6日の部分日食はご覧になっただろうか?あいにく湘南地方は厚い雲におおわれ、太陽が顔を出すことはなかったが、各地で部分日食は観測された。

 2012年の金環食の時に購入した太陽観測グラスをとっておいたのだが、残念ながら見ることはできなかった。今年はもう一度12月26日に部分日食が観察できるチャンスがある。

 次の天文現象のチャンスは 1月21日、皆既月食がある。これは欧米を中心に観測できるもので、残念ながらアジアでは観測できない。

 月が通常よりも大きく見える「スーパームーン」、皆既月食の際に月が赤く見える「ブラッドムーン」、1月最初の満月である「ウルフムーン」が組み合わさり、「スーパー・ブラッド・ウルフムーン」とよぶ。

 米航空宇宙局(NASA)によれば、21日の皆既月食では月が地球に最接近し、普段よりも大きく明るく見える。この現象はしばしば「スーパームーン」と呼ばれる。

 また、皆既月食は「ブラッドムーン」と呼ばれることが多い。太陽、地球、月が一直線に並んだ際、地球の大気を通過した太陽光で月が赤く見えるためだ。月食が起きるのは満月の時のみだ。

 さらに1月の最初の満月は「ウルフムーン」として知られていることから、多くの人はこのイベントを「スーパー・ブラッド・ウルフムーン・エクリプス」と呼んでいる。

 北米と南米では東部標準時間の午前0時12分ごろ、このショーを観測できる。欧州とアフリカの西部でも観測できる見通しだ。

 2019年の天文イベント

 今年はこの他にも日食・月食や、水星の太陽面通過、流星群など、天文イベントがめじろ押しとなっている。

 まずは、1月6日の部分日食が北東アジアや北太平洋で見られた。東京では太陽の30%、北京では20%、ウラジオストクでは37%が月に隠れた。

 4月19日~5月26日にはハレー彗星(すいせい)の残骸からできたみずがめ座イータ流星群が見られる。米東部時間5月6日午前3時ごろにピークを迎え、1時間に20~40の流星が出現する予定。

 7月2日には南アジアや南米で皆既日食が起きる。中国南部やアルゼンチン、南太平洋で観測でき、米東部時間の午後3時23分に隠れる部分が最大となる。

 7月16日には南米、欧州、アフリカ、アジア、オーストラリアで月の3分の2ほどが隠れる部分月食が見られる。

 12月11日には水星が太陽面を通過する。100年間に約13回発生するイベントで、直近では2016年に約10年ぶりに見られた。12月26日は再び日食が起きる。アラビア半島から南アジアでは金環日食を観測できる。

 2019年、絶対に見たい天体ショー9選

 2019年は、天文ファンにとってうれしい1年になりそうだ。日食や月食が年に複数回起こり、水星の影が太陽を横切るなど、驚くべき天文現象を毎月のように見ることができる。 以下、2019年注目の天体ショーを紹介する。ぜひカレンダーに印をつけておこう!(1月6日以外の日付は米国時間です)

 1月6日――部分日食 :2019年の天体ショーの幕開けは日食から。北は北海道から南は沖縄まで、この日は日本全国で部分日食を観測できる。国立天文台の予報によると、日食は9時前から始まり、太陽が最も欠ける時間は、那覇で9時39分、東京で10時6分、札幌では10時13分。札幌では太陽の4割以上が月に隠されるなお、安全に観測するためには、適切な日食観測用グラスを必ず装着すること。

 日食のしくみ

 皆既月食は、1、2年に1度、地球上の「どこか」で見ることができる。日食の仕組み、4種類の日食、安全に観測する方法について説明する。 日食観測マップは、許諾を得てhttps://www.exploratorium.edu/eclipse/から転載。(解説は英語です)

 1月20〜21日──スーパー・ブラッドムーンの皆既月食

 月食が起こるのは満月のときに限られる。1月20日から21日にかけての満月は、月がいつもよりも大きく、明るく見える「スーパームーン」だ。

 そして、皆既月食のとき、月は血のような赤色を帯びて「ブラッドムーン」に姿を変える。今回はこの2つが重なり、特別な皆既月食「スーパー・ブラッドムーン」になる。

 このスーパー・ブラッドムーンは、比較的広い範囲で見ることができる。次に地球上で皆既月食を見られる機会は、2021年5月26日までやってこない。

 月が完全に地球の影に隠れる皆既食は、日本時間の1月21日午後1時41分に始まり、62分間続く。前後の部分食を含めると3時間半ほどのイベントになる。その全てを見られるのは、北南米、グリーンランド、アイスランド、西欧、西アフリカだ。東欧や東アフリカの天文ファンは部分食のみ観測できる。残念ながら、アジアではほぼこの月食は見られない。

 「ブラッドムーン」とも呼ばれる皆既月食を不吉なできごとととらえる古代文明もあった。現在では、この天文現象は興奮と驚きを人々にもたらす。観測できる場所が限られる日食とは異なり、皆既月食は夜であれば地球上どこからでも観測できる場合が多い。月

 4月23日──月と木星の大接近

 4月23日、月と木星が大接近する。夜明けの南の空を見上げると、満月を少し過ぎたぐらいのまだ大きめの月が、明るく輝く木星にぴったりと寄り添っているのが見えるだろう。この2つの天体は午前1時ごろに東の空に昇り、夜明けごろには南の空高くにあがる。このカップルの様子は裸眼で見ても印象的だが、双眼鏡や望遠鏡で覗いてみても圧巻だ。

 5月6日──みずがめ座η流星群

 みずがめ座η(イータ)流星群は、その名の通りみずがめ座η星から飛んでくるように見える。

 2019年、ペルセウス座とふたご座の流星群はどちらも満月の時期と重なってしまうため、月の明かりで見えにくくなる。だが、みずがめ座η(イータ)流星群は新月の時期と重なるので、流星群を観測する絶好の機会となる。

 天文学者の予測では、1時間あたり最大で30個ほどの流れ星が空を彩るという。5月5日午後10時ごろに始まり、ピークは6日の早朝だ。流星は、この時期に東の空にあるみずがめ座からやってくるように見える。

 毎年訪れるこの流星群の自慢は数ではなく、その出自。というのも、その夜に見られる流星はすべてハレー彗星の欠片なのだ。氷と岩石でできたハレー彗星が最後に地球に近づいたのは1986年だった。次にやってくるのは2062年になる。それまでの間は、この天体が残した砂粒ほどの忘れ形見が、夜空で燃え上がる様子を毎年5月に観測することができる。

 7月2日──皆既日食ほか7月2日──皆既日食

 2019年7月2日(日本時間では3日)、月が地球と太陽の間を通過する。南太平洋、チリ、アルゼンチンにかけて、幸運な天文ファンは荘厳な皆既日食を見ることができる。

 日食は日本時間の7月3日午前1時55分から6時50分まで。食が最大となるのは4時23分だ。南米チリのラ・セレナからアルゼンチンのブエノスアイレスにかけては、2分から2分半の間、太陽が完全に隠れる皆既日食が見られる。

 皆既日食になるのは狭い地域のみだが、部分日食はエクアドル、ブラジル、ウルグアイ、パラグアイでも観測できる。

 7月16日──部分月食

 1969年7月16日は、史上初めて月に降り立ったNASAの宇宙飛行士を乗せたアポロ11号が打ち上げられた日だ。そのちょうど50年後にあたる日には、地球から部分月食を観測できる。

 日本時間の17日午前3時43分、月に地球の影が落ちはじめる。このイベントを目撃できる場所は、南米、欧州、アフリカ、南アジア、オーストラリアだ。月食が続くのは5時間半ほどで、最大で満月の6割ほどが影に隠れる。

 11月11日──水星の太陽面通過

 これは、太陽の前を水星が滑空するという非常に珍しい現象だ。太陽系の最も内側を回る小さな水星の影が、5時間半ほどかけて太陽の前を横断する。日本時間11日午後9時35分に始まり12日午前3時4分まで続く。

 天候がよければ、北南米、欧州、アフリカ、西アジアなど、多くの場所で一部始終を観測できる。残念ながら、この時間帯に夜を迎えている中央アジアや東アジア、日本、オーストラリアでは見られない。安全に観測するには、適切なソーラーフィルターを取りつけた小型望遠鏡が必要だ。前回、水星の太陽面通過が起きたのは2016年だったが、次回は2032年になる。

 12月26日──金環日食

 中東とアジアの一部地域ではこの日、金環日食を目撃できる。この日食では、月が地球から遠い位置にあるため、月の見かけ上の大きさが太陽より小さくなる。太陽が完全に覆われないので、美しい「炎の輪」ができるのだ。

 金環日食が始まるのは日本時間12月26日午後0時34分。まずサウジアラビアやオマーンで観測され始め、インド南端部とスリランカを通ってインドネシアのスマトラ島、シンガポール、グアムまでの地域で見ることができる。

 なお、日本では午後2時過ぎぐらいから太陽が欠けはじめ、北日本から東日本にかけては、日食の最中に日が沈む「日入帯食」になる。

 12月28日──三日月と金星の接近

 2019年12月28日、三日月と金星のランデブーを見よう。

 2019年の終わりには、満ちていく三日月と宵の明星が接近する。街の光に悩まされている都会の天文ファンでも、夕暮れ時、南西の低い空に浮かぶ美しい2つの天体を見ることができる。晴天を祈ろう!

参考 National Geographic news:https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/122800014/

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