東京で桜開花 過去最も早く今年全国トップ

 今年は桜の開花が早かった。東京は3月14日に桜の開花を観測。東京としては統計開始以来、最も早い記録になった。2020年の桜前線(ソメイヨシノ)は、東京からスタートした。

 東京の桜の開花は、気象庁が東京・靖国神社にある桜の標本木で5~6輪咲いた状態で決める。3月11日には最高気温が21.4度まで上がり、桜の標本木では、花が1輪咲き始めていたがこの時は開花宣言されなかった。

 今年の桜の開花は平年より12日早く、昨年より7日早い観測だった。東京では、これまで最も早かった2013年と2002年の3月16日を抜いて、統計開始以来、最も早い記録となる。なお、東京が全国の桜前線のスタートとなるのは、2017年以来、3年ぶりである。

 今年は東京都心で、2月の気温が平年よりかなり高く、3月になっても、暖かい日が多くなっていた。3月14日は真冬並みの厳しい寒さとなったが、これまでの暖かさで開花が進んだ。

 全国各地の桜の開花 満開の傾向

 桜の開花は各地で平年より早い。平年より3日から7日早く開花するところが多く、平年より10日から2週間以上も早まるところがありそうだ。このあと、信越、東北では記録的な早さの開花となる見込みだ。

 今年は3月14日に全国のトップをきって、東京で桜が咲いた。すでに福島や仙台など、東北南部まで桜前線は到達しており、東京、福島、仙台では桜の開花・満開の統計が開始された1953年以来、最も早い開花となった。

 また、4月1日にようやく鹿児島で開花したが、福島や仙台の桜が鹿児島よりも先に咲いたのは、統計開始以来、初めてのこと。

 この先、信越や東北北部で次々と咲く見込みで、記録的な早さの開花となる。桜前線は4月下旬には津軽海峡を渡って、北海道へ到達する見通しだ。函館では4月20日、札幌は22日に開花する予想だ。

 満開日は、開花日の1週間から10日くらい後で、満開は樹木全体の80%以上開花した状態をいう。全国的に平年より早い。満開の全国トップも東京で、3月22日だった。3月29日には関東で広く雪が降り、満開の桜に雪が積もった。

 今週は、京都や松江、和歌山などから満開の便りが届いている。4月1日には、名古屋、金沢などで満開となり、金沢は統計開始以来トップタイの記録となる。このあと、西日本、東日本のあちらこちらから満開の便りが届くだろう。

 記録的なソメイヨシノ、開花から満開まで12日は過去最長

 気象庁は、この冬の記録的な暖冬が桜の開花を早めているとみている。2月と3月上旬が高温だったことから開花が早まった。「2月の気温がかなり高かっただけでなく、開花を促すのに必要な適度な寒さ(休眠打破)もあったため」と分析する。

 暖冬だと桜も早く咲くと思われがちなのですが、実はそうでもない。むしろ、ずっと暖冬が続いてしまうと桜の開花は遅れる。開花に必要なのは暖かさだけでなく、一定期間の寒さも必要なのだ。

 桜は前年の夏に花芽を形成し、葉が青々と茂る夏〜秋にかけてお休みに入る。これを、休眠という。そして秋〜冬に落葉し、冬に一定期間低温にさらされると、花芽は眠りから覚めて開花の準備を始める。これを、休眠打破という0。そして春に気温が上昇すると花芽が一気に成長をし、ついに開花に至る。

 つまり、桜は春夏秋冬の四季のある国でしか咲く事のできない、まさに日本を象徴するような樹木といえる。

 まれに、まったく季節はずれの時期に桜が開花してしまうことがある。これを狂い咲きといい、異常気象を象徴する現象としてニュースに取り上げられたりする。この狂い咲きは、どうして起こるのだろうか?

 花芽がつくられたあとに台風や虫害の影響等で葉がなくなってしまい、さらに秋に低温の日が続くと、花芽は休眠から覚めてしまい、急な小春日和の秋冬に開花する。

 先ほど説明した通り、桜が開花するには、夏の花芽形成→休眠→落葉→低温による休眠打破→気温上昇という条件が全て揃うことが必要。逆に言うと、これらの条件が揃えば桜はいつでも咲いてしまう。この仕組みは、お客様の希望の時期に合わせて桜を咲かせることもでき、園芸店などでもよく取り入れられている。

 品種ごとに異なる開花時期

 気象庁が開花宣言に用いる桜はソメイヨシノという品種で、日本の桜の約80%を占めているそうだ。しかし、実は桜には他にも600種以上の品種が存在する。なかには秋や初夏に花を咲かせる品種もあるので、変わった時期に咲く桜をいくつかご紹介する。

10月〜11月の秋……十月桜・冬桜・不断桜
2月下旬……日寒桜
5月中旬……イヌザクラ・ブラックチェリー

 

  

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