新型ワクチンとは何か?
8月16日現在、日本の新型コロナのワクチンの接種状況は1回のみが50%、2回接種終わった人は38%。65歳以上は85%の人が2回接種が終わっている。政府によると、緊急事態宣言の解除はワクチン接種の進捗や、医療提供体制の強化の状況などを総合的に判断していくいう。
使用されているワクチンはアストラゼネカ社のワクチンと、ファイザー社そしてモデルナ社のワクチンである。 ファイザー社のワクチンは個別接種や集団接種で、モデルナ社のワクチンは大規模接種や職域接種で使われている。これにアストラゼネカ社のワクチンも使われている。
今回のワクチンは従来より早く完成させる技術が使われている。このワクチンをmRNAワクチンという。mRNAはタンパク質をつくるための遺伝子。遺伝子とワクチンとどんな関係があるのだろうか?
調べて見ると、ワクチンの目的は病原体に特有なタンパク質を攻撃する免疫力をつけることにある。このタンパク質をつくらせるのがmRNAであり、複雑なタンパク質より、mRNAの方がつくりが簡単でワクチンにしやすい利点がある。
ワクチンの働くしくみ
私たちの体には、ウイルスや細菌といった病原体が体内に侵入したとき、病原体を攻撃しながら、その特徴を覚えこみ、より素早く、強く、効果的に攻撃できるよう、態勢を整える仕組みが備わっている。
これが「免疫」で、一度かかったことがある感染症に、その後は感染しなかったり、感染しても重症化しなかったりするのは、この免疫システムのおかげ。
この仕組みを活用するため、ワクチンは、体内に人工的な疑似感染の状態をつくりだし、免疫システムに、病原体の特徴を覚えこませる。本物の病原体の侵入前に、ワクチン接種で免疫の予行演習をし、本物の病原体に負けない備えをする。
自然免疫と獲得免疫
ワクチンを接種すると、体内では、「自然免疫」と「獲得免疫」という2種類の免疫反応が時間差で起こる。自然免疫は、すぐさま攻撃を始める前衛隊のような存在。戦いながら敵(病原体)の特徴を分析し、その情報を獲得免疫に伝える。
情報を受け取った獲得免疫は、敵を攻撃するのに効果的な特製の武器をつくる作業を始める。自然免疫から獲得免疫に伝達する敵の特徴情報は「抗原」、それをもとに準備する特製の武器の一つは「抗体」と呼ばれている。
特製武器の生産態勢を整えて、効果的な攻撃をするには、2~3週間かかる。ただし、いったん態勢が整うと武器の作り方などが記録(記憶)として残されるので、次に同じ外敵がきたときは、素早く、効果的な攻撃を仕掛けることができるようになる。
遺伝子を使い、開発期間を短縮
欧米を中心に世界各地で使われている新型コロナワクチンの主力は、これまでにない新しいタイプのワクチンである。どこが違うのだろうか?
これまでのワクチンとの最大の違いは、「生命の設計図」などとして知られているDNAやRNAを使ってワクチンがつくられているところだ。これがワクチンの開発期間の短縮に寄与している。
従来型のワクチンは、大きく分けると「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の2種類がある。生ワクチンは、毒性を弱めた(弱毒化した)病原体そのものを使う。
「不活化ワクチン」は、感染力や病原性(毒性)をなくしたワクチンの総称で、薬品などで感染や増殖をできなくさせた病原体を使うタイプや、たんぱく質や毒素など、病原体の特徴となる一部だけを人工的に合成したタイプなどがある。
一方、RNAをつかった新型コロナウイルスワクチンとして、日本国内での接種が始まったのは「m(メッセンジャー)RNAワクチン」です。
mRNAは、たんぱく質の設計図である。mRNAワクチンには、新型コロナウイルスの表面上に突き出した突起状のたんぱく質の設計図が書き込まれたmRNAが、脂質の膜でくるまれて入っている。
接種したワクチン内のmRNAは、体内で細胞の中に入り込み、細胞内にある「たんぱく質製造工場」で、設計図に書いてある突起状のたんぱく質をつくる。
このたんぱく質が、新型コロナウイルスの特徴的な目印(抗原)の役目をする。「異物」をみつけた体内の免疫システムが動き出し、新型コロナウイルスの目印めがけて攻撃をする特製の武器(抗体)が作り出される。
参考 朝日新聞:そもそもワクチンとはなに? 新型コロナワクチンの一番の特徴は?
��潟�<�潟��