米情報当局、UFO存在を公に認める

 日本のマスメディアではほとんど報道しなかったが、2021年6月25日米情報当局は、長く待ち望まれていた未確認飛行物体(UFO)に関する報告書を公表している。これまでUFOの存在さえ公に認めてこなかった米国が、存在を映像とともに認めたことに大きな意義があった。

 報告書では、その正体は分からないものの、今回の文書公開は、海軍パイロットらによるUFOの目撃情報は正当な検証に値すると米政府が公的に認めたほぼ初の例となった。

 報告書では、米政府が「未確認飛行現象(UAP)」と呼ぶ事案144件を調査。そのうち調査員に説明可能だったのは1件のみにとどまった。その1件は「空気の抜けていく巨大な風船」であり、他のケースに関しては依然、説明がついていない」としている。

 調査員は地球外生命体の存在や、ロシアや中国のような主要敵国による技術的進展を示す証拠は発見できなかったが、そうした可能性も十分にありうることを認めた。

 UFOの目的は?

 米国政府がようやく「UFO・未確認飛行物体が存在する」ことを公に認めたことに意義があるが、もうそんなことは、現代だけでなく、50年以上前からも言われていたことであり、古代の文献にも残されていることでもある。今回の公表では物足りないと感じるのは私だけであろうか?

 というのは万一、宇宙人が飛来して来ているとしたら「何の目的で?」というのが次の問題になる。

 人類の見えない所で何か計画が進行していたら、取り返しのつかないことになっていることも十分に考えられ、これに対して知りませんでしたで済ませていいのかという問題がある。

 もう少し、地球で起きていることと宇宙人が飛来していることと関連づけて考えるべきではないだろうか。

 ちょっとしたイデオロギーの違いで、アフガニスタンでテロを起こしたり、戦争をしている場合ではないと思う。我々人類はもっと何かしなければならないのではないか?

 UFO説、もう笑えない

 これまで「UFOを見た」というと「非科学的だ」...と一笑に付されたり、精神異常を疑われたりした、マスメディアによる文化が長く続いてきたが、2021年7月22日付日本経済新聞は、オピニオンページに「UFO説、もう笑えない」というタイトルの記事を掲載している。

 執筆者である同社コメンテーターの秋田浩之氏は、記事の冒頭で、「主要国は安全保障上の問題として、真剣にこのテーマに向き合うときにきている」と指摘した。

 米国家情報長官室が6月25日に公開したUFOに関する報告書について、主に米軍が目撃した144件のうち、143件の正体は分からなかったと紹介し、「米国では、国家安全保障の重要な問題になりつつある」と述べてた。

 米政府や米軍は、「地球上の国家や集団がUFOを飛ばしている可能性」を懸念しており、「『米政府、米産業界』が開発中の物体である可能性」もあるとした上で、宇宙人説も完全には排除していないと説明した。

 最後に、「UFOの陰謀論をあおるような言動を、政治家やメディアが厳に慎むべきであることは当然だ。だが、米政府が報告書を出した以上、UFO問題の議論をタブー視する時代は終わりを告げた」と記事を締めくくっている。

 日経新聞が「UFO説、もう笑えない」というタイトルの記事を掲載したこと自体に、ようやく時代の変化を感じるが、私には「遅すぎる」と感じる。

 現代の天動説「宇宙人不在説」に挑戦

 非科学的・オカルトなどとされた「UFO」問題について、科学界でもようやく変化が起きている。

 米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの著名天文学者エイブラハム・ローブ博士率いる国際チームがこのほど、UFOなど地球外生命体の痕跡を探す「ガリレオ・プロジェクト」を発表し、話題となっている。

 ローブ博士はハーバード天文学科の学科長を最も長い間つとめ、同大学のブラックホール・イニシアチブや全米アカデミーの物理学・天文学委員会議長を歴任するなど、世界を代表する理論物理学者だ。

 同氏は2018年、ハワイの天文台が2017年に発見していた太陽系外から飛来した天体「オウムアムア」について、「地球外生命体の探査機ではないか」という論文を発表。

 それ以来、学術界の動揺の眼差しや批判を受けながらも、「暗黒物質や多元的宇宙の追究といった理論物理学の推論に比べれば、地球外生命を探索するほうがはるかに常識に近い」と訴えてきた。

 そんななか、同氏率いるチームがこのほど発表した「ガリレオ・プロジェクト」は、「未確認空中現象(UAP)の性質解明」などを手掛けることになった。高解像度望遠鏡やAIを組み合わせてUAPを検出し、分析するとのこと。

 米政府が6月に、UAPを分析した結果に関する報告書を発表しましたが、ローブ氏は「空に見えるものは、科学者としての訓練を受けていない政治家や軍人が解釈すべきものではなく、科学界が解明すべきだ」と述べてい。

 プロジェクトには、米国のハーバード大学、プリンストン大学、カリフォルニア工科大学、英ケンブリッジ大学、スウェーデンのストックホルム大学の研究者が参加する。

 ローブ氏らが「ガリレオ」というプロジェクト名で訴えようとしているように、「地球にしか知的生命体がいない」「地球の科学技術で他の銀河に行けない、あるいは宇宙人を観測できないから宇宙人はいない」という考え方は、ガリレオ・ガリレイが戦った「天動説」と同じだ。

 宇宙人はなぜ姿を現さないか?

 広大な宇宙に無数の文明が存在することは自明である。

 地球外生命体に関する一般的な議論の中には、「宇宙に地球人以外がいるというなら、なぜ我々は彼らと出会っていないのか」という命題(いわゆるフェルミのパラドックス)というものがある。

 これに対しては、宇宙には「ある星の文明に介入して、その進化に手を加えてはならない」という宇宙協定があり、宇宙人たちは地球人の認識レベルが上がるまで、公に姿を現すのを待っている状況がある。

 米国におけるここ数年の政府系のUFO系情報の公開などもあり、現在アメリカ人の66%が地球外の知的生命体の存在を信じている。2010年にはこの割合は半分にも満たなかったとのことなので、10年間で20%近くも信じる人が増えたことになる(CBSニュース調査)。

 UFO系の情報公開や、それに呼応するかのような科学者たちの動き、人々のUFOへの認識の高まりが相乗効果を生めば、宇宙時代の扉は確実に開かれる。

参考 NHK:謎の飛行物体“UFO” アメリカで高まる真相解明の動き 

The Liberty Web:宇宙人探査プロジェクト「ガリレオ」を開始