9月の星空
 9月も中旬になると、昼はかなり暑くても夜は過ごしやすくなる。こうなると夜空の星でもゆっくり眺めようか…という気分になってくる。9月の星空はどうなっているのだろうか?
 9月17日は「中秋の名月」。晴れて涼しく、空気がきれいなときに見る「お月見」の月である。この日土星が月の近くで明るく輝く。9月は土星の観測の好機だ。9月8日は衝(しょう)になる。衝の頃の惑星は、一晩中空に見えている。
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 ところで「中秋の名月」が満月でないのはご存知だろうか?ここ数年は、中秋の名月と満月が同じ日だったが、今年は翌日18日が満月になる。
 実は「中秋の名月」は、太陰太陽暦(旧暦) の8月15日の夜に見える月のことを指す。中秋の名月をめでる習慣は、平安時代に中国から伝わったと言われている。日本では中秋の名月は農業の行事と結びつき、「芋名月」などと呼ばれることもある。  また、夜遅くに東の空から木星と火星も昇ってきて。明け方まで、夜空には土星、木星、火星の3惑星が見えている。
 土星の環の傾きの変化
 環(わ)のある惑星として人気のある土星が、9月8日に「衝(しょう)」となり、観望の好機を迎える。衝とは、太陽系の天体が地球から見て太陽とちょうど反対側になる瞬間のこと。衝の頃の土星は、日の入りの頃に東の空から昇って真夜中に南中し、日の出の頃に西の空に沈むため、一晩中見ることができる。
 衝の頃の土星は、0.6等の明るさがある。秋の星座の領域にある土星は、周囲に明るい星も少なく、見つけやすいため、ぜひ夜空に探してみてほしい。
 土星の環は約15年周期で土星は公転軌道面に対して傾いた状態で太陽の周りを公転しているため、地球から見た環の傾きは約15年の周期で変化する。立派に見える土星の環だが、実はたいへん薄いことがわかっている。来年、2025年には環を真横から見ることになり、環がほとんど見えなくなる。今年も環の傾きが小さく、環はたいへん細く見えている。