2024年10月初旬、大彗星を見ることができるかもしれない。その名は「紫金山・アトラス彗星」。現在、南半球の観測者たちが、明るくなっていく紫金山・アトラス彗星を楽しんでいるが、北半球でも間もなく観測できるようになる。

 予報では 10月10日〜12日ごろ-3.0等から-1.0等級で、北半球の夕空に日没直後、西の低い空におとめ座で出現。肉眼で観測可能になる。10月12日には地球に最接近する。

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 大きな核を持つことから、太陽に近づく際には明るく長い尾を見せることが期待されていて、10月の最接近時期にはマイナス等級(1等星より明るい)の明るさになる可能性がある。北半球で非常に明るい彗星が見られたのは1986年ハレー彗星、1997年ヘール・ボップ彗星以来のことでかなり珍しい。

 「紫金山」は日本語読みでは「しきんざん」と読むが、英語表記では中国語読みで「Tsuchinshan-ATLAS」となる。この呼び名が正式な呼び方。カタカナで表記すると「ツーチンシャン・アトラス彗星」となる。

 紫金山は、中華人民共和国江蘇省南京市玄武区に位置する標高448メートルの山。こにある天文台と南アフリカのアトラス望遠鏡によって、2024年1月に発見された彗星である。この彗星は太陽系の外縁部オールトの雲からやってくる長周期彗星で8万660年かけて太陽を公転する。