ジャガイモの起源はトマトだった
ナス科の野菜は種類が多い。ナスやトマト、ジャガイモなどだけでなく、トウガラシやピーマンなどやタバコ、チョウセンアサガオ、ホオズキ、ペチュニアなどもナスの仲間である。
同じナス科であることから、遺伝子も共通している部分が多い。そして最近の研究で私たちが愛してやまないジャガイモはトマトから生まれていたことが明らかになった。学術誌「セル」に7月31日付けで掲載された論文によると、現代のジャガイモの遺伝的起源を追跡した結果、900万〜800万年前に古代のトマトの仲間と別の植物との間で交雑が起きて誕生したことが分かったという。
トマトはイモ(塊茎)を作る遺伝子はなかったのだが、エトゥベロスムという仲間に遺伝子があり、この交雑で地下茎が肥大したデンプン質のイモ(塊茎)を作る遺伝子の組み合わせが生じたのだという。

トマトとエトゥベロスム
ジャガイモはトマトやナスと同じナス属の植物だ。ナス属は顕花植物の属の1つで、1000種以上から構成されている。
ジャガイモの系統(Petota、ペトタ)の6種と、他のナス属の植物21種の全ゲノム配列を使って系統樹を見直した。次に、さらに128のゲノムを比較して、ペトタと近縁種との系統関係を調べた。
その結果、ペトタはトマトとエトゥベロスム(Etuberosum)というナス属の別の系統との交雑によってできたことが分かった。エトゥベロスムは非常に小さな系統で、3種しかない。
エトゥベロスムは、地上部はジャガイモによく似ているが、トマトと同様、塊茎を作らない点でジャガイモとは異なっている。しかし、トマトとエトゥベロスムが交雑したとき、ペトタという系統が新たに形成され、塊茎を生み出した。
ナス科の植物
ナス科(Solanaceae)は、双子葉植物綱キク亜綱ナス目(クロンキスト体系)の科の1つ。ナスに加え、ジャガイモやトマトなど多くの有用植物が属している。熱帯から温帯にかけて、世界では115属2678種ほどがあり、その多くはナス属に分類される。
ナスやトマト、ジャガイモなどが属するナス属、トウガラシやピーマンなどが属するトウガラシ属、タバコなどが属するタバコ属、チョウセンアサガオなどが属するチョウセンアサガオ属、ホオズキなどが属するホオズキ属、ペチュニアなどが属するペチュニア属などが知られている。
多くは一年草もしくは多年草、低木の木本がある。葉は互生し単葉だが、まれに複葉のものもある。花は両性花で放射相称で、花冠が5裂するのが特徴。ピーマンやトマトを輪切りにすると、5つに分かれているのが確認できる。雄ずいは5本あり、花冠裂片と互生して花筒につく。葯は2室で、先に孔が開くか縦裂する。
ナスやトマト、トウガラシ、ピーマンなど果実を食用にする種が多く、ほかにジャガイモのように塊茎を食用とするもの、タバコのように嗜好品として栽培されるもの、ホオズキやペチュニアなど観賞用に栽培されるものなど、利用の幅は広い。
また、一般に特有のアルカロイドを含むために、多様な生理作用をもつ。これらは薬用や香辛料として用いられる場合もあるが、一般には強い刺激性や毒性を持つ。なお、食用とされる作物では品種改良により可食部にはアルカロイドが含まれないが、ジャガイモの芽・茎(ソラニン)や未熟なトマト(トマチン)などのように非可食部は有毒である場合がある。

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