新型コロナウイルス流行

 2025年7月以降、新型コロナウイルスの患者数が増加傾向にある。「ニンバス」と呼ばれる変異株の拡大が原因だという。厚生労働省のまとめによると、全国の定点医療機関から報告される感染者は9週連続で増加。直近では8月17日までの1週間に報告された、1医療機関あたりの感染者は6・30人(前年同時期は8・50人)で、計2万2288人だった。

 今の時期に新型コロナウイルスにかかった場合、主にどのような症状が出るのだろうか。症状が出たらどのようにしたらよいのだろうか。

 主に発熱やせき、咽頭痛(喉の痛み)、鼻汁・鼻閉、倦怠(けんたい)感、頭痛、筋肉痛、吐き気、下痢などの症状が出る。特に現在のニンバス株は強い咽頭痛が出ることが多い。また、発熱が長く続く人は前より減っている印象がある。嗅覚障害や味覚障害は流行初期より頻度が低くなっているが、ゼロではない。画像

 ワクチン接種や既感染による免疫の蓄積、治療薬の普及などにより、パンデミック初期と比べて『1回の感染当たりの重症化、死亡のリスク』は総じて低い水準が続いている。WHOの解析でも入院患者の院内死亡率は2023年夏以降、大幅に低下し、2025年初めも低めに推移している。ただし、高齢者や基礎疾患がある人の場合、依然として重症化リスクが残り、波によって入院は増減する。

 新型コロナ新変異株 NB.1.8.1(ニンバス)

 ニンバス(NB.1.8.1)は2025年1月に初めて検出され、世界的に急速な拡大を見せている。世界保健機関(WHO)は2025年5月23日に「監視下の変異株(VUM)」に指定した。

 感染力は高いものの、重症化リスクが他の変異株より高いという報告は現時点ではない。2025年夏時点では米国の症例の43%を占める主要な流行株となっており、日本からの渡航者でも検出が確認されるなど、国内でも注意が必要な状況である。

 風邪やインフルエンザとの違いは、特に喉の痛みの質と強さで区別できる。ガラスを飲むような激しい喉の痛みが初期から現れることが多い。アレルギー様の鼻水や咳を伴う。

 インフルエンザは38度以上の高熱、強い関節痛・筋肉痛など全身症状が急激に現れるのが特徴。 一般的な風邪は、喉のイガイガ感、鼻水など局所的な症状から始まり、発熱は軽度なことが多い。ただし、自己判断は難しいため、確定診断には検査が不可欠だ。

 流行の原因

 現在、感染者が増えている原因として、主に次の3点が考えらる。

(1)型(変異株)の入れ替わり

 2025年春以降、『NB.1.8.1系統(通称Nimbus、ニンバス)』の株が増えており、5月下旬にWHO(世界保健機関)によって監視対象の変異株に指定された。日本でも6月以降に置き換わりが進み、7月には各地で主流になってきているが、このニンバスは感染しやすさ(広がりやすさ)がやや強いと評価されている。

(2)「換気不足&人が集まる」という夏の生活パターン

 暑さにより、窓を閉め切ってエアコンをつけるシーンが増えているのも原因と考えられている。この場合、換気が悪くなりがちで、屋内で感染が広がりやすくなる。各自治体が『冷房中でも小まめに換気を』と注意を呼び掛けている。また、帰省や旅行、夏祭りなどで移動や人が集まる機会が増えることも、患者数を増加させる原因となっている。

(3)免疫の薄れ(時間とともに効果が下がる)

 ワクチンや過去の感染でできた感染予防の力(抗体)は、時間がたつと少しずつ下がるため、数カ月ごとに波が起きやすい性質がある。重症化予防効果は比較的保たれているが、感染そのものは再び起こりやすい。

 対処療法

 新型コロナウイルスとみられる症状が出た場合の対処法はどうすれば良いのだろうか。

 軽症の場合には自宅で安静にし、水分をしっかり摂取するとともに、市販薬の服用のような対症療法で様子を見るのもよい。市販の政府承認済み抗原検査キットでのセルフ検査も推奨されている。

 鎮痛薬の使用: 喉の炎症を抑える作用があるイブプロフェンが特に推奨されるが、アセトアミノフェンも有効。

 適切な水分補給: 刺激の少ない、人肌程度の温度の飲み物(白湯、麦茶、経口補水液など)を少しずつ頻繁に摂取しよう。

 喉を潤す: 蜂蜜を入れた温かい飲み物や、のど飴、氷片を口に含むことも痛みの緩和に役立つ。加湿器で室内の湿度を保つことも重要。

 食事の工夫: 喉への刺激が少ない、ゼリー、プリン、おかゆ、豆腐などを選ぶと良いでしょう。熱いもの、辛いもの、酸っぱいものは避ける。

 これらは対処療法である。早めに病院へ行き診察を受けよう。