オス化遺伝子「環状DNA」に乗りX染色体へ
ヒトやラット、マウスなど多くの哺乳類では、性染色体で性が決まる。X染色体とY染色体を1本ずつ持つXY型だと男性(オス)、X染色体を2本持つXX型だと女性(メス)となる。
しかし、南西諸島に生息する日本固有のトゲネズミ属、アマミトゲネズミとトクノシマトゲネズミがY染色体を失っており、オスもメスも性染色体はX染色体のみしかない。一方、沖縄本島に生息するオキナワトゲネズミにはY染色体が残っており、XY型がオスとなる。
今回、アマミトゲネズミとトクノシマトゲネズミの2種のトゲネズミでは、オキナワトゲネズミとの3種共通の祖先から分かれる過程で、Y染色体の一部が丸まった「環状DNA」に載った遺伝子が、X染色体に移動した可能性があることがわかった。

この成果は、これらのユニークなトゲネズミの性染色体の進化や、性決定のメカニズムの解明につながりそうだ。
「環状DNA」とその形成
環状DNAは環状染色体ともいう。環状になっている正常な染色体。大腸菌のDNA、その他原核細胞のDNA、プラスミド、ミトコンドリア、クロスプラストのDNA等が知られている。
真核細胞の異常染色体で、末端のない環状になった染色体もある。放射線や化学物質などにより切断された染色体が結合することによって生じる構造的に異常な染色体の一種で、同じ染色体の他の部位と結合してできたものである。異常な環状DNA(ecDNA)はがん細胞の発生や進行に関与することが知られている。
近年、研究が進み、DNA複製と転写が衝突することで、がん細胞で見られるような大きな環状DNAが作られるメカニズムが解明さた。このプロセスを抑制する働きを持つタンパク質が、環状DNAの形成を制御することが明らかになっている。

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