地球温暖化で注目されるバイオマスエネルギー
バイオマス燃料(エネルギー)とは、動植物から生まれた生物資源(バイオマス)でつくる燃料のこと。
化石燃料と同様にバイオマス燃料を使用(燃焼)した際にはCO₂が発生するが、植物由来のバイオマスはその成長過程において「光合成」によりCO₂を吸収している。そのため、燃焼時に発生するCO₂と相殺され、「バイオマス燃料の使用時にCO₂は発生しない」とみなされる。またバイオマス燃料はそのまま燃焼したり、ガスにして発電に利用することもできる。
パリ議定書においても、バイオマス燃料は化石燃料に代わるカーボンニュートラルな燃料として扱われており、利用拡大が期待されている。最近はこのバイオマス由来の液体燃料が注目されている。 バイオエタノールやバイオディーゼルなどが代表的で、ガソリンや軽油の代替として、自動車燃料などに利用されてる。

バイオエタノール
サトウキビやトウモロコシなどの糖質・でんぷん質を原料に、発酵・蒸留して作られる液体燃料。ガソリンの代替燃料として、自動車に混合して使用される。
バイオエタノールは、海外では、主原料にサトウキビやトウモロコシなどの「糖質原料」、トウモロコシや麦などの「でんぷん質原料」が用いられるが、日本では食物問題との競合を避けるため、非可食バイオマス(例:バガス(サトウキビの絞りかす)、黒液、建築廃材など)を原料としている。
しかし非可食バイオマスからバイオエタノールを製造する場合、技術的なハードルは高くなり、そのためバイオエタノールの国内需給率は極めて低く、ほぼ全量をブラジルからの輸入(サトウキビ由来)に依存している。
バイオディーゼル(BDF)
菜種油、大豆油、廃食油などを原料に、エステル交換反応によって作られる液体燃料。軽油の代替燃料として、自動車に混合して使用される。また、ジェット機の燃料(SAF)としても利用されている。廃食油を原料とする場合、環境負荷の低減に貢献する。
バイオディーゼル (BDF) は、植物性油脂をメタノールと化学反応(メチルエステル化)させ、温水洗浄や脱水をおこなうことで精製される。燃費や走行性能も軽油とほぼ同等といわれている。
海外では主に原料には菜種油やパーム油などが使用されているが、日本ではバイオエタノール同様、食物問題との競合回避のため、廃食用油を使用している。 製造過程の副生物としては、未反応の廃食用油、カリウムやメタノール、アルカリ触媒等が高濃度含まれる「グリセリン廃液」が発生。バイオディーゼル生産量の約20%相当のグリセリン廃液が発生するケースもあり、適正処理や再資源化が課題となっている。

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