台風12号寿命はわずか1日

 台風12号は、8月21日午前に、鹿児島県の西の海上で発生。熱帯低気圧から変わった台風12号は、21日夕方、鹿児島県日置市付近に上陸した。その後九州南部を横断し、22日午前9時に宮崎県の沖合で熱帯低気圧に変わった。なぜ日本近海で急に台風に発達したのだろうか。


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 台風の発生場所は、ふつう熱帯の海上である。特に日本に影響を与える台風は、赤道よりも北で、東経180度よりも西の太平洋(北西太平洋)や南シナ海で発生することがほとんど。これらの地域で海面水温が高い(26.5℃以上)ために水蒸気が大量に発生し、積乱雲が渦状に集まって台風が形成される。

 今年は、九州付近の海水温が平年より1度ほど高く、30度という高い海面水温の領域が広がっている。平年と比べても2℃ほど高く、台風が発達するのには十分高い海水温といえる。むしろ南の海域のほうが海面水温が低い。台風は、高温の海域で大量の水蒸気が上昇気流となって雲を形成し、発達して渦を巻き始めた熱帯低気圧のうち、中心付近の最大風速が秒速17m以上になったものを指す。

 もとは沖縄の南の熱帯低気圧

 この台風12号は、もとは沖縄県の南の海上にあった熱帯低気圧。気象庁は今月18日午前中、この熱帯低気圧が沖縄県の南の海上にあった時点で「今後12時間以内に台風に発達する見込みだ」と予報を発表していた。

 しかし、台風には発達せず、翌日午前10時すぎには「台風に発達する可能性は小さくなった」と発表した。上空の乾燥した空気の影響で、台風まで発達する可能性は低くなったとしていた。

 熱帯低気圧はその後北上し、九州の西の海上でしだいに動きが遅くなる。熱帯低気圧周辺の雨雲がまとまってきたことから、21日午前4時半、「今後24時間以内に台風に発達する見込みだ」と再び発表した。台風が発生したと発表したのは、そのおよそ6時間後にあたる午前10時過ぎだった。

  台風の寿命

 台風の寿命(台風の発生から熱帯低気圧または温帯低気圧に変わるまでの期間)は30年間(1991~2020年)の平均で5.2日。中には昭和61年(1986年)台風第14号の19.25日という長寿記録もある。長寿台風は夏に多く、不規則な経路をとる傾向がある。

 一方、台風の寿命で最も寿命が短かったのは1970年台風13号で、寿命は0時間とされている。これは北西太平洋の西端の東経180度(日付変更線)で発生し、その後すぐに東の地域に離れた「境界台風」という特殊なケース。この「境界台風」を除けば、統計史上最も寿命が短かった台風は、1974年の29号台風で、その寿命は3時間だった。