水中鍾乳洞の発見

 2024年、世界の探検家を驚かす発見があった。沖縄本島の東360キロにある南大東島で、大規模な水中洞窟が見つかった。謎の地下空間は、まさに“日本最後の秘境”だ。

 水中鍾乳洞を見つけたのは世界中で潜水経験を持つトップダイバーでもある伊左治さん。数年にわたって南大東島を探検していた。「南大東島は石灰岩でできた島。洞窟がたくさんあるに違いないと考えて調査を始めた」

 “秘境”発見の知らせ情報がもたらされたのは、2024年冬。水中探検家の伊左治佳孝さんたちからの連絡でした。場所は人が住む集落のすぐ近くの足元に“秘境”が広がっていた。世界でも有名なメキシコやバハマの水中鍾乳洞に勝るとも劣らない美しさだという。

 サトウキビ畑の広がる大地にあいた複数の穴。そのわずか地下10mほどの場所に、水中鍾乳洞の高さ8m、奥行き35mのホールが広がっていた。現在調査が進んでいるのは入り口から120mほど。実際はこの10倍の深さにまで鍾乳洞が広がっている可能性がある。


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 これらの水中鍾乳洞ができたのは、約20万年前、海水面が低下しサンゴ石灰岩も島が地上に姿を現した時に雨が降り、石灰岩の内部が溶けて鍾乳洞や鍾乳石ができた。例えば2万年前は氷期で海水面が今より130m下がっていた。

 南大東島はサンゴ礁隆起の島

 南大東島は、沖縄本島の約360km東方(宮崎県の真南)に位置する大東諸島の島で、沖縄県内では6番目に面積が大きい。全域が南大東村に属している。

 サンゴ礁が隆起してできた島で、ほとんどが石灰岩でできており、鍾乳洞がおよそ120カ所あると言われている。近年、航空機の大型化などで観光客が容易に訪れることが可能になり、豊かな自然を生かした観光地としても注目されている。

 北方の北大東島とは12km離れている。面積30.53km2、周囲21.2km、標高75mの島。島の北端から北に10kmの位置にある北大東島のほか沖大東島を除いては、周囲360kmに渡って陸地のない絶海の孤島である。島の周りの海は非常に深く、沖へ2kmほど出れば水深は1,000mに達する。

 島内には大小110ほどの湖沼が存在し、そのうち23の湖沼に名前が付いている。権蔵池や栄太池など発見者の名が付けられた池が多数ある。沖縄県の大きな湖沼は全て南大東島に存在している。

 開拓当初は人口も少なく飲料水には困らない島であった。しかし、入植者が増えたことで雨水が貴重な飲用水として用いられるようになった(1976年10月簡易水道が開設、1990年5月海水淡水化システムが導入)。

 現在、淡水の湖沼の水は農業用に利用されている。大池では、カヌーによる池の遊覧ツアーも行われている。 大池は南西諸島で最大の天然の湖沼。淡水の池だが、海から切り離されたマングローブが自生している。これは植物学では極めて貴重な生態系とされ、「大池のオヒルギ群落」として国の天然記念物に指定されている。また池の中に複数の島が存在する。近くに鍾乳洞である星野洞がある。

 星野洞は、長さ375m、約1,000坪の空間。歩道や照明が整備されていて、自然が創った乳白色の美しい鍾乳石を見学することができる。鍾乳洞の中にはカーテン状やつらら形など、様々なパターンの鍾乳石があり、神秘的で幻想的な美しさは感動の一言。必見の観光スポットだ。

 カルスト地形とドリーネ
 1936年に北大東島中央部でボーリング調査が行われ地下431 mまで掘り下げられたが、ボーリング・コアの結果、深さ431 mまで全て石灰岩であることが確認されている。

 カルスト地形(Karst)とは、石灰岩などの水に溶解しやすい岩石で構成された大地が雨水、地表水、土壌水、地下水などによって侵食(主として溶食)されてできた地形(鍾乳洞などの地下地形を含む)である。化学的には、空気中の二酸化炭素を消費する自然現象である。

 雨水が石灰岩の割れ目に沿って集中的に地下に浸透する過程で周囲の石灰岩を溶かすため、地表にはドリーネ(doline)と呼ぶすり鉢型の窪地が多数形成される。直径は10mから1,000m、深さは2mから100mくらいである。

 ドリーネは地下の空洞の天井部が陥没することによってもできるが、このような陥没型のものは側壁が急で、グラス形や湯呑み形が多い。沖縄県宮古島市下地島の通り池は、陥没ドリーネに海水が浸入した例である。

 ドリーネが徐々に拡大して隣り合った複数のドリーネがつながってより大きな窪地に成長したものがウバーレである。地下水位が浅くあるドリーネでは、豪雨時に一時的なドリーネ湖が生じることがあり、珍しい。

 雨水がドリーネを通じて地下に流入するため、一般には地上に川が生じない。そのため他種岩石の地帯のように、谷による地表地形の侵食が起こらない。地下に浸透した雨水はやがて割れ目に沿って集まり、地下川をなし、大小の洞窟をつくりながら下流へと流れ、山麓に開口した洞窟や湧泉から再び地上へと現れる。



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