国内史上最大クラスの竜巻、静岡県で発生
9月4日〜5日にかけて日本列島を横断した台風15号。各地で大きな被害をもたらしたが、静岡県では牧之原市、吉田町を中心に、竜巻とみられる被害の報告が相次いだ。
東海地方に進んできた台風は上空の気圧の谷と結びついて温帯低気圧の性質を帯び始め、発達を始めた。中心のすぐ東側では積乱雲が猛発達し、地上付近では南からの湿った風が、上空では西風が強まったことで、竜巻やダウンバーストなどの突風が発生したと考えられた。
突風の原因は何か。このような突風は一般的に局地的な現象で、実際に今回の台風でも、付近の菊川牧之原のアメダスでは突風をとらえることはできなかった。観測された最大瞬間風速は20m/s程度とさほど強くはなかった。
気象庁は被害の状況から牧之原市から吉田町にかけて発生した突風は竜巻で、状況などから国内最大級の規模(風速は75m/s)だったと推定している。
9日午後2時の県のまとめによると、今回の竜巻で初めての死者が吉田町で1人確認されたほか、けが人は83人に上り、このうち重傷は牧之原市と吉田町でいずれも4人の合わせて8人となっている。住宅の被害も、台風による浸水被害も含め合わせて1836棟に上っている。
竜巻の強さはJEF(藤田スケール)6段階
気象庁は今回の竜巻について、6段階(5~0)で強さを示す「日本版改良藤田スケール」で上から3番目の「JEF3」にあたると判定。この竜巻は、突風の強さを示す「日本版改良藤田スケール」において6段階のうち上から3番目の「JEF3」に該当するという。
「JEF3」はどの程度の強さなのか? 「『木造住宅が崩壊』『鉄筋コンクリート住宅のベランダや手すりが変形』『アスファルトが剥離・飛散』といった被害が出る強さ」
日本よりも竜巻被害が多いアメリカではどの程度の強さなのか?「アメリカでは最も強い『JEF5』も発生する。これは“何もかも跡形もなくなる”ほど強い竜巻だ」
どういう時に、どんなメカニズムで竜巻は発生するのか? 「大気が不安定なときに起こりやすい。例えば積乱雲ができて、風向きが地上と上空で違うことで渦巻きができ、それが竜巻の元になる」
なぜ竜巻の発生は予想が難しいのか?
「積乱雲の中にできる渦が直径数キロ程度で非常に小さいからだ。対して、雨であれば10数キロ単位で観測している」
具体的にはどのように竜巻発生を予測しているのか?
「竜巻が起こりやすい気象条件かどうかを表しているのが気象庁が提供する『ナウキャスト』だ。まず見るのは強い雨をもたらす積乱雲があるかどうかだ」
「次に、大気が不安定かどうか雷注意報で見る。大気の不安定度は上空と地上との温度差などを加味している」
竜巻が起こりやすい場所はあるのか?
「どこでも起こるが平野部の方が多い傾向にある。日本は山地が多いので、結果的には沿岸沿いに起こる。例えば秋田県・山形県・新潟県・石川県・福井県は冬の季節風で日本海の海上で竜巻が発生することがよくあり、それが陸上に入ってくる。
九州や四国では台風が原因で竜巻が起こる場合が多いが、気象条件として、南から湿った空気が、北から寒冷前線で冷たい空気が入ってきた際に暖かい空気と冷たい空気がぶつかり合って、風向の違いから渦ができて竜巻が起こるなど、海岸と沿岸に起こりやすい傾向にある」
竜巻が発生しやすい時期はあるか?
「年中発生するが特に多いのは7月から10月ぐらいまでで9月が一番多い。9月が多いのは、台風シーズンということも大きく影響しているだろう」
風速100メートルを超えるアメリカのような竜巻が日本で発生する可能性はあるか? 「可能性は否定できないが、そもそもアメリカと日本は竜巻を起こす気象条件があまり似ていない。アメリカでは北極からの冷たい空気とカリブ海からの空気が中西部の大平原でぶつかることで非常に強い渦巻きが起こるが、日本にはアルプスなど山地がある。そのため、アメリカのようなF4(風速93~116m/s)やF5(117~142m/s)は起こりづらい」
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