NASA 微生物の化石発見か
NASA (アメリカ航空宇宙局)は9月10日、火星探査車がX線などを使って火星の岩を分析した結果、微生物が存在した可能性を示す痕跡を発見したと発表した。NASAはより詳しい分析が必要だとしている。
発見したのはパーシビアランス(Perseverance)。火星のジェゼロクレーターで生命の痕跡を探している。今回の岩石は古代の川の谷である「Neretva Vallis」(ネレトバ渓谷)で7月21日に採取された22番目のコアサンプルだ。
探査機に搭載された機器による分析から岩石全体に硫酸カルシウムの鉱脈が走っていることがわかった。これはかつて、生命に不可欠な水が岩石を流れていたことを示唆している。「ヒョウの斑点」と名付けられた、数十ミリサイズの斑点には鉄とリン酸が含まれており、これは地球上では微生物による化学反応として生成される。

「これらの斑点は大きな驚きだ」と、Perseveranceの科学チームのDavid Flannery氏は述べている。「地球における岩石のこのような特徴は、地表下に生息する微生物の化石の記録と関連づけられることが多い」。科学者のMorgan Cable氏は「火星でこれら3つのものが一緒に存在するのを、これまで見たことがない」と海外メディアのSpace.comにコメントとしている。
火星探査機「パーシビアランス」
パーシビアランス(Perseverance)の意味は「忍耐強さ」、「不屈(の努力)」。愛称は Percy(パーシー)。NASAのマーズ2020ミッションの一環として、火星のジェゼロクレーターを探査するためのマーズ・ローバー(火星探査車)である。 ジェット推進研究所によって製造され、2020年7月30日に打ち上げられた。ローバーが火星に着陸したことの確認は、2021年2月18日に受信された。2025年7月23日現在、パーシビアランスは火星に地球日数1614日滞在している。
パーシビアランスは、7つの新しい科学機器を搭載し、合計19台のカメラと2つのマイクを搭載している。ローバーは、他の惑星で初の動力飛行を試みる実験機である小型ヘリコプター「インジェニュイティ」を搭載。インジェニュイティヘリコプターは、太陽電池式ドローン。質量1.8kgで、火星の希薄な大気圏での飛行の安定性を実証した。
現在パーシビアランスは、生命の痕跡を見つけようと活動中だが、研究者たちを驚かせたのは、かつて湖があったとされる場所で見つかった紫色の「謎の物質」。この物質が、地球上では生命と深く関係するものだったことから、火星にも生命が存在していたのではないかと期待が高まっている。
火星はかつて水の惑星だった
宇宙旅行や移住先としても話題にのぼる火星。地球の隣にある惑星で、表面は酸化鉄を多く含む岩や鉄に覆われ、赤っぽいのが特徴。直径は地球の半分ほど。主に二酸化炭素でできた大気はとても薄く、平均気温はマイナス50°Cを下回る。
それでも火星には生命を育む条件があった。およそ 35 億から 40 億年前には液体の水が海のように大量にあったことに加え、火星には生命の材料である有機物も存在し、火山があるため生命が生きていくエネルギーもあると考えられている。あとは決定的な証拠を見つけるだけ、つまり生命を手にする段階まできている。
大きな期待を背負って、NASA の最新探査車「パーシビアランス」は火星へ向かい、2021年2月、「ジェゼロクレーター」と呼ばれる場所に着陸を果した。
ジェゼロクレーターを目指したのは、かつてこの場所には水を豊富にたたえた湖があり、しかも流入していた川の跡が残っているため。地球であればこうした場所に、土砂と一緒に生きものの死骸が積み重なり、化石が見つかる。これまでにパーシビアランスはジェゼロクレーターの中を 18km 以上移動しながら探査を続けてきた。
パーシビアランスが撮影した画像は鮮烈だった。地球と見間違えるような火星の姿。ねらい通り、水の作用で土砂が堆積し、岩として固まっているのが確かめられた。もし火星に生命がいるとしたら、この堆積岩のなかに生命の痕跡がある可能性が高く、いずれ地球に持ち帰って確かめることも期待できる。
マンガンを含む謎の物質を発見
生命の痕跡ではないか、と研究者が色めきたった画像もある。写されていたのは、岩石の表面を覆っている紫色のナゾの物質。パーシビアランスがレーザー照射し、組成分析をすると、ナゾの物質は「マンガン」を多く含んでいることが突き止められた。
マンガンは、地球でも砂漠の岩の表面にあることが知られている。アメリカ・ロスアラモス国立研究所で惑星科学を専門にしているニーナ・ランザさんが地球の岩石のマンガンを調べたところ、「シアノバクテリア」という原始的な生物によって作られていることが分かった。
シアノバクテリアは 27 億年前には誕生していたと考えられ、砂漠から海まで幅広く存在している。その中のある種類は、強い紫外線が降り注ぐ環境で、濃縮したマンガンを日傘のようにして紫外線から身を守っていると考えられている。
火星の岩石で発見されたマンガンがシアノバクテリアのような生物によって作られたものなのかどうかはまだ分からない。今回のサンプルとともに、持ち帰られたあかつきには、これが「地球外生命の初めての証拠」になるかもしれない。

��潟�<�潟��