アルバニアで世界初のAI大臣が誕生
AI(人工知能)が、人間の知能を模倣することで、いろいろな情報が身近になった。データからパターンを学習し、認識・理解・予測・推論・計画といった知的作業を実行できる。身近な疑問があればすぐに答えてくれるドラえもんのような頼りになる存在だ。
2025年9月、東欧のイタリアやギリシャのお隣の国、アルバニアで世界で初めて人工知能(AI)が生成した架空の人物を大臣として起用したことが、話題を呼んでいる。AI大臣の名前は「ディエラ」。
アルバニアのエディ・ラマ首相は11日、マイクロソフトが開発協力したAIの女性キャラクター「Diella(ディエラ)」を、「AI担当大臣」に任命した。ディエラとは、アルバニア語で太陽を意味する。アルバニアはイスラム教徒の多い国で衣装を見てもそれとわかる。

アルバニアでは元環境大臣や元首相が汚職で起訴されるなど、政権の中枢部にまで汚職が蔓延しており、犯罪組織絡みの汚職も絶えないなど、対策が急務となっている。これに対しラマ首相は、「賄賂」や「脅迫」に惑わされることのないAIを閣僚として起用することで「汚職大国」のイメージを払拭し、自身が最重要事項と位置付ける「2030年までの欧州連合(EU)加盟」を実現しようとしている。
汚職撲滅を図るもその有効性に疑問
AI大臣のディエラは、長年汚職が横行してきた「公共入札」の管理を担うという。国がどの民間企業に業務を委託するかを決める際、ディエラが入札に応募できる資格の有無を厳格に判定し、マネーロンダリングや麻薬密売、その他の違法行為の兆候を検知することなどで公共入札の透明性を高めるとしている。
ラマ首相によると、最終的には入札に関するあらゆる決定が「公共入札の責任者」であるディエラの手に委ねられるというが、具体的なプロセスについては明かしていない。
ラマ首相はディエラが「100%腐敗のない」公共入札を実現とするとともに、「デジタル化とAIによる統治」を目指す国として同国を位置付けることに期待を寄せている。
政治は人による創造的な仕事
アルバニアでは2022年にイランによる大規模なサイバー攻撃により政府サービスが数週間にわたり麻痺したこともあり、その脆弱性に付け込んだ新たな不正利用や汚職の発生が懸念されている。
技術的な観点からもAIは最終的な責任の主体とは成りえず、人間の良識と判断の介在が必要不可欠だ。そもそも、政治とは多様な考えを持つ人々が議論を重ねる中で、国民の幸福に繋がる方向を選び取っていくものだ。
大川隆法・幸福の科学総裁は次のように指摘している。「政治もまた非常に創造的な仕事であり、何もないもののなかから、新しいものを創り出していかなくてはなりません。新しい政策や法律によって、その国に住む人たちの未来の生活が変わってきます」
現代社会の仕事においてツールとしてAIを用いる風潮が強まる中にあっても、高度な創造性や悟性が要請される政治的判断をAIに任せてはいけないのではないだろうか。
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