宇宙ステーションから台風22号
台風22号(ハーロン)は高気圧の縁に沿って北東に進んだ。10月9日(木)未明に伊豆諸島南部が平均風速25m/s以上の暴風域に入り、八丈島では6時までに54.7m/sの最大瞬間風速を観測した。八丈島で50m/s以上の暴風を観測したのは2005年以来、20年ぶりのことだ。
AXAの宇宙飛行士で、国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在のクルーとしてミッションを遂行中の油井亀美也さんが10月8日、Xを更新。ISSから撮影した台風22号の写真を投稿した。
油井さんは「就寝前に、台風22号の最新情報を皆さんに共有した方が良いと思い、写真を撮影しました」とコメントを添えて4枚の写真を投稿。
写真には、10月9日にかけて伊豆諸島に接近中の台風11号の姿が収められていた。広範囲に渡って広がる白い雲が渦巻いている様子が見て取れる。中央には、丸く穴が空いたように見える「台風の目」が。
油井さんは台風の目の中を撮影した写真も公開。青い海の上にうねる雲は、まるで竜のように厳かな雰囲気を感じさせる。
油井さんは「台風は少し見ない間に大きく勢力を増していました」 「目の中を覗き込むと『竜の巣があるとしたら、こんな場所かも?』と思わせる恐ろしさを感じました」「進路予想に十分注意して警戒をお願いいたします」と注意喚起を交えてコメントした。
体育館の屋根はがれ
伊豆諸島を通過した台風22号。記録的な大雨と猛烈な風にみまわれた八丈島では建物への被害が相次ぎ、ライフラインへの影響も広がった。
「八丈島上空です。台風の影響でしょうか、屋根が飛ばされています」
最大瞬間風速54.7メートルを観測した八丈島。上空からの映像で被害が明らかになってきた。
「学校でしょうか。学校の体育館の屋根もはがれている様子が見られます。漁港の屋根のトタンもめくれている様子がうかがえます」
台風22号の影響で、各地で広がった建物への被害。
「電柱も風の影響でしょうか、倒れています」
電柱が根元から倒れ、道をふさいでいます。そのすぐ傍では、ビニールハウスの骨組みがむき出しになっている様子も。
「停電の影響でしょうか、手信号で車を誘導しています」正午時点で、停電は6480軒にのぼっているという。
けさから断続的に線状降水帯が発生した八丈町。午前10時半までの24時間に356.5ミリを観測するなど、記録的な大雨となった。
「電線が切れて、地面に垂れ下がっています」
暴風・波浪・大雨の特別警報は警報などに切り替わりましたが、ライフラインへの影響は続いく。
電柱倒壊・店崩壊
倒壊した電柱のそばに住む男性は… 「今、携帯電話が止まっているのと、停電しているのと、断水もしていて、ちょっと身動きが取れないような状態。ここまで大きい台風は初めて」
中華料理店だった建物は暴風で屋根や柱が吹き飛び、骨組みが剥き出しに。あらわになった断熱材が強風ではためいている。
被害に遭ったお店の店主 「ある程度は覚悟していたけど、まさかこんなになっているとは思わなかった」
両親の代から30年近くにわたり営んできたというこの店。「これまでも台風で壁が壊れるなどの被害が出たことはあったものの、ここまでの被害は初めてだ」と話す。
島に暮らす人たちでにぎわっていたカウンターも、一晩で変わり果ててしまいました。店主は店内を茫然と見まわす。
被害に遭ったお店の店主「いろいろありましたけどね。喧嘩ばっかしてましたけど、こうなってくると寂しいもんですね」
10月9日午後5時現在、建物への被害の申告が40棟あるということで、役場などが詳しい状況を確認している。

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