ナルコレプシー
ナルコレプシーとは、日中に激しい眠気があり、自分ではコントロールできない「過眠症」の一種。特徴的な症状として、強い感情の動きに続いて全身の筋肉の力が抜ける「情動脱力発作」が挙げられる。これに加えて、金縛りのような「睡眠麻痺」、現実のような「幻覚」を伴うこともある。
神奈川に住む緒川奈美さん(24)は、薬学部で学ぶ大学6年生。2年前、県内の病院で「特発性過眠症」と診断された。「特発性」とは「原因が特定できない」という意味だ。
緒川さんの数値。「睡眠994分」とあり、検査中の24時間のうち16時間34分の睡眠があった。24時間の睡眠の状態を調べる検査で、緒川さんが寝ていたのは16時間超。長く睡眠が必要な体質だと分かった。高校生の時は午後9時に就寝して約9時間眠り、朝起きても強烈な眠気で二度寝。

授業中も頻繁に居眠りしていた理由がようやく説明できた。大学生になっても眠気は変わらず、講義についていくのが大変に。精神科医の勧めで、専門の医療機関を受診した。今は、覚醒作用のある中枢神経刺激薬を朝のんでいる。それでも眠気はなくならず、講義中に居眠りすることもしばしば。
大学には病名を伝え、生活習慣の乱れが原因でないことを理解してもらい、テストの時に居眠りしていたら起こすように頼んでいる。緒川さんは「夜更かしで昼間の眠気があると疑われるのはつらい。悩みを打ち明けたときに、耳を傾けてくれるだけで安心できる」と話す。
ナルコレプシーについて学校などで認識は広がっているが、「たるんでいる」などと誤解されることも。他の人と同じように生活できないことに悩む人も多く、ナルコレプシーはパーキンソン病並みに生活に支障が出るとの調査結果もある。まわりの人の理解と協力が必要な病気だ。
ナルコレプシーの主な症状
1.日中の過度の眠気がある。我慢できないほどの強い眠気が、一日を通して繰り返し現れる。
2.情動脱力発作が起きる場合もある。笑ったり、驚いたりしたときに、筋肉の力が抜けて体全体がぐったりしたり、転倒したりする。
3.「睡眠麻痺」という、目覚めても体が動かせない「金縛り」の状態が続くことがある。
4.「入眠時幻覚」という、寝る直前や目が覚める直前に、リアルな幻覚を見ることがある。
原因はオレキシンの低下
ナルコレプシーの明確な原因はまだ完全には解明されていないが、脳内の「オレキシン」という物質の減少が関係していることがわかっている。
診断には、睡眠専門医による睡眠検査が必要。治療法は確立していないが、薬物療法や生活習慣の改善など、症状に合わせて行われる。日中の眠気が強い場合は、睡眠外来に相談することが大切だ。
オレキシンは、脳の視床下部から分泌される神経ペプチド(物質)で、「覚醒」と「食欲」を司る役割を持っている。日中は分泌されて覚醒を維持し、夜間や満腹時などには分泌が減って眠気を誘うスイッチのような役割をする。
オレキシンは、脳内の覚醒状態を維持・安定化させ、日中の活動を促す。また、脳に作用して食欲を増進させる働きがある。ギリシャ語の「食欲(orexis)」に由来して名付けられた。
日中に分泌が増え、覚醒状態を維持する。夜になってオレキシンの分泌が減ると、脳の状態が睡眠へ移行しやすくなる。ナルコレプシーでは、オレキシンが不足し、覚醒を安定して維持できなくなるため、日中の強い眠気を引き起こす。
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