アマゾンでも干ばつ発生
ブラジルで11月10日から開催されていた国連の気候変動会議(COP30)が22日に閉幕し、深刻化する気候変動への適応を支援する資金を3倍に増やすことで合意した。だが、根深い分裂で協議が決裂しそうになる場面もあり、化石燃料からの脱却に向けたロードマップ(工程表)では合意できなかった。
今回のCOP30、アマゾン川流域が広がるブラジルのベナンで行われたのは意味深かった。アマゾンでは近年森林伐採が進んでいる。大豆などの農地にするためだ。特に進んでいるのは 「森林破壊の弧」 と呼ばれるエリア。アマゾンの東部から南部にかけてアーチ型に広がっている。
世界遺産にも登録されている南米最大の自然保護地ジャウー国立公園では、雨季には木々が水に沈む「イガポ」と呼ばれる湿潤な森が広がっている。ところが2年前、この国立公園を含む地域一帯では、2023年から2024年にかけて記録的な干ばつが発生した。アマゾン川は干上がり、土壌は極度に乾燥していた。落雷や地域住民のたき火などの小さな失火であっても、大規模な火災につながる状況になっていたと考えられている。

当時消火活動にあたった男性は、「とても乾燥していた。乾燥していると火は歩くのではなくて走る。消火活動をしましたが、2か月も燃え続けた」これほどの広さの火災が起こると、森が再生できるか「全く予測できない」という。
高温多湿、熱帯雨林、世界の肺と呼ばれていた、あのブラジルでこのような状態だ。地球温暖化は大丈夫なのだろうか。
COP30ようやく合意成立
アマゾンの玄関口として知られる港湾都市ベレンで、190カ国以上の代表団により2週間以上にわたって交渉が行われ、協議は次第に緊張の度合いを深めていった。対立のあまりの激しさに、会議が決裂して合意なく終わることを懸念する声も噴出。気候危機の要因である石油や石炭、天然ガスからの移行に明示的に言及しない結果に数十カ国が反発したため、当初の会期を延長して協議が行われた。
しかし現地時間22日正午過ぎ、COP30のコヘアドラゴ議長が合意成立を宣言した。最終文書に化石燃料への言及はなく、わずか2年前にまとまった合意からの後退を示す内容になった。また、交渉のもう一つの主要争点だった森林破壊についても、明確な約束ではなく一般的な合意にとどまった。
コロンビアや英国、フランスを含む80カ国以上は、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイで2023年に行われたCOP28での合意を踏まえ、脱化石燃料に向けた「ロードマップ」の構想を支持した。だが、サウジアラビアやロシアを含む産油国や化石燃料を多用する国の強い反対により、協議がまとまらなかった。
コロンビアを含む複数の国は合意成立が宣言された後、化石燃料に関する記述が盛り込まれなかったことに正式に異議を唱えた。
COP30では一定の前進もあった。比較的豊かな国は、気候に脆弱(ぜいじゃく)な国の地球温暖化への適応を支援する資金を3倍に増やす方針で合意した。
合意には「公正な移行」に向けた計画も盛り込まれた。これは世界が化石燃料から移行する際、そうした産業の労働者を取り残してはならず、よりクリーンな職業への転職を支援する必要があるとの考え方だ。ただ、具体的な資金拠出には言及しなかった。
トランプ大統領の「パリ協定から脱退」
このような脱化石燃料にストップをかけたのは、トランプ大統領の意向が大きいのは明らかである。トランプ大統領は、2050年に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを目指す「パリ協定」からの脱退手続きを大統領令で出し、化石燃料の生産・輸出を促す方向に舵を切った。
トランプ政権下では「石油燃料の復権」が進み、太陽光や風力など「再エネの推進」にブレーキがかかる。現在、石油価格が高騰している背景には、「脱炭素」が進む中で長期的な油田開発にブレーキがかかっている上に、産油国が供給量を絞り、供給不足気味になっていることがある。アメリカは石油、天然ガス開発を活発化し、輸出を進めることで、エネルギーコストが大いに低下することが期待できる。
しかし日本政府は、「エネルギー基本計画」の改定案で2040年度の電源構成について、再生可能エネルギーの比率を「4~5割程度」とする案を提示。また、「パリ協定」に基づく「2040年に73%削減」という目標を新たに設定し、国連に提出する。
トランプ大統領は「科学的にも人為由来の二酸化炭素量と地球温暖化の因果関係ははっきりしていない」「脱炭素政策は、製造業や運輸業で企業のコストを膨らませており、国力低下を促すばかりだ」と主張。
また、中国は世界第二位の経済大国に成長しながら「パリ協定に基づき、2030年までに二酸化炭素(CO2)排出量を減少に転じさせる(ピークアウトさせる)という目標と2060年までにカーボンニュートラル(CO2排出量と除去量を差し引きゼロ)を達成することを目指す」としており、いまだに発展途上国の姿勢を崩さない。
このような状態だから、世界が一つにまとまるのは容易ではない。しかし、話し合いを続けなければ もっと酷いことになりそうだ。核融合発電、ペロブスカイト太陽電池などの技術革新に期待をしたい。
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