「北海道・三陸沖地震」発生

 12月8日午後11時過ぎ、青森県で震度6強を観測する地震があり、一時、青森県太平洋沿岸などで津波警報が発表された。北海道・三陸沖地震の発生である。この地震のいつもと違うところはその後「後発地震注意情報」が発表されたことだった。

 この地震の直後、津波警報が北海道太平洋沿岸中部、青森県太平洋沿岸、岩手県の沿岸で発表された。岩手県の久慈港で70センチ、北海道の浦河町で50センチの津波を観測した。その後、9日午前6時、津波注意報に切り替えられた。

 青森県七戸町では地震で水道管が破損した影響で、9日午後0時半の時点で、342戸で断水が起きていて、町は2か所に給水所を設置した。岩手県軽米町によると、地震の影響で軽米町晴山の地中にある水道管が折れ、上野場地区と下野場地区のあわせておよそ60戸で9日午前1時ごろから一時、断水した。

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 文部科学省のまとめによると、8日の地震で揺れの大きかった地域のうち、青森県内の公立学校ではこれまでに窓ガラスが割れるなどの被害が中学校1校、高校4校、特別支援学校2校のあわせて7校で確認され、9日は地震の影響により、青森県内では139校で休校を決めた。北海道では48校が臨時休校となった。

 北海道・三陸沖後発地震注意情報発令

 この地震は2011年の東日本大震災の本震(Mw9.0)と同様に、陸側プレートと海側プレートの境界で発生。気象庁は新たな大地震が発生する可能性が平常時より高まったとして、12月9日午前2時に「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を2022年12月の運用開始以来、初めて発表した。

 内閣府政策統括官・森久保司参事官は「はじめての発表なので戸惑う人もいるかもしれないが、今後大きな地震が発生すると確定していることではなくて、統計上、発生可能性が高く、冷静な行動をお願いしたい」と述べた。

 気象庁の地震火山技術調査課・原田智史課長は「最悪のケースでは3.11のような地震が起きる。あのようなことが再び起きないとは限らない。備えが必要」と呼びかけた。

 北海道・三陸沖後発地震注意情報とは、今回、防災対応が求められる自治体は、北海道と東北、関東の7つの道県の計182市町村。

 この情報が出ても必ず巨大地震が起きる訳ではないため、事前の避難は求めていないが、今後1週間はすぐに逃げられるように、非常用持ち出し袋を準備することなどを求めている。

 「北海道・三陸沖後発地震注意情報」とは

 「北海道・三陸沖後発地震注意情報」は、北海道から岩手県にかけての沖合にある「千島海溝」と「日本海溝」、それにその周辺でマグニチュード7クラスの地震が起きた場合、その後の巨大地震の発生に注意を呼びかける情報。

 情報が発表された場合 ▽避難場所や移動経路の確認 ▽すぐに逃げられるよう非常用持ち出し袋の準備 ▽家具が倒れないよう固定 ▽食料や水、トイレなどの備蓄品の確認 など、日頃からの備えの確認が求められる。

 避難は求めず、呼びかけの期間は1週間程度。発表される条件は、北海道の根室沖から東北の三陸沖にかけての巨大地震の想定震源域とその外側のエリアで、マグニチュード7以上の地震が起きた場合。プレート境界かどうかは問わず、想定震源域の外側で大地震が起きた場合、発生した地震の規模によって情報を発表するかが決まる。

 地震発生からおおむね2時間後をめどに、内閣府と気象庁が発表する。今回は9日の午前2時に発表、運用は2022年12月16日から始まった。

【対象地域は】 対象となるのは、3メートル以上の津波や震度6弱以上の揺れなどが想定されている、太平洋側を中心とした北海道と青森県、岩手県と宮城県、福島県、それに茨城県と千葉県のあわせて182の市町村。

【情報の確度は】 国は「情報が出されたからといって、必ず巨大地震が起きるとは限らない」としている。世界的な事例ではマグニチュード7クラスの地震のあとに8クラスの巨大地震につながる例は100回に1回程度とされています。9クラスになると、さらに低いとされている。

 一方、国はこれまで、過去の地震の履歴から「後発地震注意情報」の発表は平均すると2年に1回程度と頻繁に出されるとする見通しを示していた。

 専門家「20~30年間隔で繰り返し発生」

 東北大学災害科学国際研究所の今村文彦教授によると、青森県東方沖では、これまでもマグニチュード7程度の地震が20年から30年ほどの間隔で繰り返し起きていて、今回の地震もその活動の一環だとみられるという。

 近くでは、1968年の十勝沖地震が起きているが、震源がやや離れているため、関連があるとは考えにくいとしている。

 また、南に離れた三陸沖では先月9日にマグニチュード6.9の地震が起きるなど、地震活動が続いているが、震源が離れていることから、直接の関係はないとみられる。

 今村教授の研究グループが、地震のデータなどをもとに今回の地震で津波がどのように伝わったかシミュレーションを行ったところ、地震発生直後には青森県や岩手県のほか北海道の南部付近に、第1波が押し寄せている様子が再現された。

 今回の津波について今村教授は「第1波の到達が早く、津波の周期が短いことが特徴だ。周期の短い津波は流れが速くなる傾向があるため、強い流れで養殖いかだや漁船が被害を受けた可能性がある」と指摘している。

 その上で、後発地震への備えについて「対象地域に住む方は日頃の生活を送りながら津波が発生した場合は迅速に、適切に避難できるように備えてほしい」と呼びかけている。



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