台湾有事問題が、中国共産党に通らない理由

 高市首相が台湾有事を国会で答弁してから日中関係が悪化したという。中国共産党政府は勝手に台湾を一つの中国と主張し、台湾を中国の一部としているが、台湾の人の全てがそれに同意しているわけがないから、中国が武力を行使する可能性が問題になっている。

 台湾の人が投票で中国の一部で構わないと決めたのならば、それは治外法権であろう。そうでないから、それに対して日本はどうするかを国会で議論するのは、日本にとってあたり前のことである。それに対して、中国共産党は「俺がいったら、俺の言うとうりに世界が考えるのが正しい」といっているようなもので、子供が駄々をこねているのと一緒である。

 こういう子供には親がいて、管理してもらうべきなのだが、問題は親である共産主義指導者たちが世界にいなくなっていることである。

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 共産主義も資本主義も世界を一つにできない

 19世紀に「共産主義」の主要な潮流となったカール・マルクスやフリードリヒ・エンゲルスらは、資本主義による社会の私有化に対して、土地や工場などの主要な生産手段の社会的所有を主張した(マルクス主義)。

 次に20世紀初頭の第二インターナショナル分裂とロシア革命以降は、「共産主義」は特に共産主義革命を目指すボリシェヴィキ(レーニン主義)を指すようになり、資本主義と議会制民主主義の中での社会改良を目指す「社会民主主義」と区別されるようになった。

 スターリンが定式化したマルクス・レーニン主義では、社会主義革命後は過渡期の「社会主義社会」を経て、理想的な「共産主義社会」に到達する、との社会の発展段階の用語としても主張された。しかし、共産主義のもとに結びついたソビエト連邦も、民族主義という名の市民革命によって否定され、1991年に崩壊した。ソビエト連邦の共産党指導者から教えを受けた共産主義国は中国、ベトナム、ラオス、キューバ、北朝鮮の少数になった。

 このような時代を眺めて見ると、資本主義も資本主義の否定から起きた共産主義も、大きな理想として人類は一つにならないということだ。それよりも民族という名の縛りはあるが、民族主義の中で自由を謳歌した方がましということである。日本もその一つだろう。

 レーダー照射の意味と問題点

 小泉進次郎防衛相は12月7日未明、沖縄本島南東の公海上空で6日午後、空母から発艦した中国軍のJ15戦闘機が、対領空侵犯措置(スクランブル)を実施していた航空自衛隊のF15自衛隊機に対し、2回にわたって断続的にレーダー照射を行ったことを明らかにした。

 レーダー照射はどのように行われるのか。中国側は何を意図しているのか。スクランブルの経験がある航空自衛隊元幹部に聞いた。

 元幹部によれば、戦闘機のレーダーには相手機を見つける捜索用と、ミサイルを誘導する火器管制用がある。捜索用は、首を振るように広い範囲に電波を当てるため、断続的に機体に照射する。火器管制用は、ずっと目標機に電波を当て続けることになり、周波数も変わる。艦船と異なり、航空機はレーダーの収容スペースが限られるため、同じレーダーを捜索用と火器管制用に切り替えて使用する。捜索用を自動的に火器管制用に切り替えることも可能という。

 今回、レーダー照射したJ15はロシア製スホイ33戦闘機を改造した第4.5世代戦闘機という。元幹部は「(J15が発艦した中国海軍の空母)遼寧のようなスキージャンプ型の空母からでは、フルに燃料や武装を備えた状態では発艦できないため、燃料を半分くらいにして発艦し、空中給油を受けるケースが多いようだ」と語る。

 レーダー照射の意味は、攻撃を目的とした火器管制レーダーの電波を浴びせられた側は、いつでも攻撃される可能性があると判断。元自衛隊幹部によると「ロックオン」された状態に相当し、引き金を引くだけという状況だ。

 通常は明確な敵対的意図や軍事的威圧の意図をもって行われ、偶発的な衝突を招きかねない極めて危険な行為。国際的な紛争に発展する可能性もある。

 近年では、中国海軍艦艇が海上自衛隊の護衛艦に照射した事案や、中国軍機が自衛隊機に照射した事案などが報道され、国際的な問題となっている。

 中国の圧力に絶対に屈してはならない

 日本の左翼勢力の中には、「レーダー照射も、発端は高市首相の台湾有事をめぐる答弁にある」として、答弁撤回を求める声もある。しかし、そうした主張はレーダー照射を正当化するもの。むしろここで引き下がれば、中国が味をしめるだけであり、レーダー照射をはじめ、危険行為を恒常的に行う恐れもある。

 民主党政権下の2010年、沖縄・尖閣諸島沖で違法操業していた中国漁船が海上保安庁巡視船に衝突した事件が起きた際には、中国の圧力に屈して、逮捕した中国人船長を「釈放」することで譲歩してしまった過去がある。こうした"前例"の積み重ねにより、中国が「日本は圧力をかければ屈する」と認識していることが、今回のような常軌を逸した行動を招いているのも事実。

 高市首相は「極めて残念だ」「冷静かつ毅然と対応していく」と述べているが、一貫した主張のもと、中国封じ込めを目指す各国と連携しながら、中国側に責任追及をするなど、断固たる姿勢を示すべきだ。

 平和な日本にいると、世界情勢が分かりにくいが、中国は数少ない共産主義一党独裁の国家である。穏やかな変革を望む社会主義と違い、共産主義に反する者に対しては、弾圧、粛清、国に対しては革命、戦争も厭わない国であることを忘れてはならない。アメリカにしても、未だに銃の規制はなく、自由に武器が持てるのは、敵に対しては武力を厭わない、自分のことは自分で守る国であるから。日本も自分の国は自分で守る国でありたいものだ。



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