キャッチコピーて何?

 キャッチコピー(Catch Copy)とは、商品、サービス、企業の広告において、短く印象的な言葉でターゲットの興味を惹きつけ、その魅力を瞬間的に伝える「宣伝文句」のこと。見た人の注意を惹き、行動(購入や興味など)を促す役割があり、広告やWebサイトの顔として重要だ。

 人に考えを伝える時に「キーワード」が大切だが、「キャッチコピー」と「キーワード」は似ている。どちらも短くて分かりやすい、印象に残る、ターゲットに突き刺さる「言葉」である。そしてどちらも、さらに詳しく伝える「ボディーコピー(本文)」へ誘導する。

 そこで今回は、キャッチコピーの考え方を学んでいく。キャッチコピーに関する本はあふれているが、表面的なテクニックを並べただけのものや、逆にプロ向けで普通の人は真似できないものもある。ここでは普遍的ながら、初心者に使える「考え方の軸」を紹介する。

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 他の商品と比べて同じでないか?

 まずキャッチコピーを書くときは、その商品のことだけを考えるのではなく、世の中の似たような商品にどんな言葉が使われているかを調べる。

 というのも、ありがちな失敗なのだが、自分の商品だけを見て「これしかない!」と思うコピーを書いても、いざ他の商品と並んだ時、同じようなことを言っていて、意外に刺さらないことが多い。

 例えばレストランの宣伝をする時、「お客様を笑顔にする」と銘打ったする。自分たちにとっては正解なのだが、見る側からすれば「言っていることは分かるけど……」で終わってしまう。

 人は自己本位で物を見る。内向きの最適解を見つけても、「並べた時にどう見えるか」という視点を忘れがちだ。

 「誰に伝えたいか」考える

 次に考えるのは、「誰に向かって書くか」。この時よく聞くのが、「まずターゲットの細かな属性(ペルソナ)を想定し、その人に向かって書く」といった議論だ。しかし実際に普通の人がそれをするのは難しいことが多い。

 そこで、お勧めするのは、「この商品なら、どんな人をハッピーにできるだろうか」という順番で考えることだ。

 あなたが思い浮かべた"その人"の後ろに、同じような悩みを持っている、思わぬ属性の人たちがいる。結果的に言葉が広く届く、という考え方をしたほうが良い。

 相手のハッピーを語れ

 そして、いよいよその人に対し「何を言うか(What to say)」を考える。この時、お勧めの考え方は"商品のことを説明しない"ということだ。人はやはり自分本位なので、どうしても「商品を主語」にした説明をする。例えばボイスレコーダーを売るなら「360度集音マイク搭載」(ファクト)とか、よくても「音を広く拾える」(メリット)などと言ってしまう。

 しかし、どんな時に人が動くのかと言うと、結局「自分に関係がある」と思った時。だから、自商品のことから一度離れ、「相手が何に悩んでいて、その商品によってどのようにハッピーになるか」(ベネフィット)を、ありありと想像しよう。"憑依する"と表現する人もいる。ボイスレコーダーなら、「相手を主語」にして「広い会議室で使える」と言えば、月並みでも一定の需要をつかめる。

 さらに上級者だと、相手も意識していない悩み(インサイト)を見つけ、それを解決する提案をすることもある。

 例えば、ジャパネットたかたの創業者である髙田明さんは、番組でボイスレコーダーを売る時、「お子さんが学校から帰ってきて、お母さんが仕事でいない時、ボイスレコーダーに『お帰りなさい』『おやつは冷蔵庫に入っているからね』などと声を聞けたら、寂しさが和らぎます」と紹介しました。その結果、電話が鳴り止まないほど注文が殺到したのは有名な話。

「相手のハッピー」をつかめれば、キャッチコピーは7~8割はできたも同然。

 伝え方4つのコツ

 そうして初めて、「どう言うか(How to say)」を考える作業に入る。強い表現に磨いていく。この時の注意点は、前段でせっかく「相手のハッピー」を見つけたのに、かっこいい表現にしようとして台無しにしてしまうことだ。ですから初心者には、次の4つの型に当てはめることをお勧めする。

(1)リスクをとって言い切る(例「ファッションは顔だ」)。
(2)問いかける(例「なんで、私が東大に!?」)。
(3)数字を使う(例「97.5%の人が泣いた」)。
(4)みんなの声、権威の声を使う(例「「シェフが選ぶ〇〇」)

 こうした型を使いこなした上で、「守破離」ではないが、さらに多くの型を知り、感性を磨いて独創的なコピーを書けるようになっていくことを目指すべき。

 もちろん心を動かす言葉に簡単な法則はない。商品の種類、場所やタイミング、組織文化、ブランドとの相性によって、逆効果になることもある。失敗も繰り返しながら感度を上げ、打率を上げていくのが王道である。