混乱したらグループ分けする
「言いたいことがこんがらがってしまう」「情報を集めすぎて混乱してきた」
こういう人は騙されたと思って、親近感のある情報やアイデアをグループ分けしてみてほしい。前項の殴り書きをノートの端で再整理してもいいし、付箋を使ってもいい。
例えばAIについて調べて混乱したとする。グループ分けしたら、「AIは人の能力を下げる」「労働を代替し給料を下げる」「監視社会になる」の三方向の話が絡まっていた、と気づく。総論的に語りたいならそれらを順に言えばいい。シャープに論じたいなら一つを選べばいい。とにかくたったこれだけのことで、とたんに話のイメージが見えてくる。
この方法を、大川総裁はKJ法として紹介している。日々の思いつきや、情報の断片を付箋などに書いておく。それをグループ分けし、見出しをつけて並べ替えると、自動的に論文や企画ができる。
KJ法とは、アイデアの言語化と可視化を通じて分析を効果的に行う手法。学校や会社などで、体験した人も多いのではないだろうか。複数のグループに分かれ、自由に多くのアイデアを出し合うブレインストーミングで得られたアイデアを、KJ法により整理し、問題解決につなげることで、新しい視点の発見やサービスの創出につながる。

KJ法を提唱した川喜多二郎は、「気になる情報があったり、切れ切れでも何かを思いつくということは、その背景に理性を超えた何かが働いている」と語る。それをストレートに受け取れるのが天才だ。だが凡人でも、バラバラの情報やアイデア同士の「何が似ているのか」を考えることで、その奥にある、まだ言葉になっていない本質を考えられる。
手を動かすことで"疑似的な思索になる"のだ。大川総裁は「直観力に頼れない人」が「努力と作業で戦う」方法と語る。使えるものは使って人生の密度を高めてほしい、というエールでもあろう。
KJ法とは?
KJ法とは、カードや付箋を用いて、情報やアイデアを効率的に整理する手法のこと。たとえば、付箋に一つ一つの情報やアイデアを記載し、最初に情報の言語化と可視化を行う。そして、付箋を並び替えたりグループ化(グルーピング)したりすることで、それらの情報やアイデアを理論的に整理し、問題解決のための方法を解明していく。このように、アイデアの言語化と可視化を通じて、分析を効果的に行うことで、問題解決や新たな発見につなげることができる。
KJ法が広く知られるようになったのは、文化人類学者である川喜田 二郎氏の著書によるもの。1967年に発売された『発想法』で、「効果的な研究・研修方法である」と紹介され、学問の場で広まった。
KJ法は、文化人類学のフィールドワークで得た膨大な情報を効率的に整理するために生み出されたもの。実際に使用されるなかで、アイデアの整理だけではなく、本質的な問題の特定や課題の発見、新たなアイデアの創出につながることがわかり、分析手法・発想手法として、ビジネスシーンでも支持されている。
ブレインストーミングにも活用できる
KJ法のポイントとなるのが、ブレインストーミングとの親和性。ブレインストーミングでは、グループのメンバーで自由な発想でいくつものアイデアを出し合う。基本的には10人以下の少人数で行うことが望ましいといわれているが、その際、立場や役職が異なるメンバーが集まると、多様な意見やアイデアを出し合うことができる。
ブレインストーミングは、テーマを決めて、いくつものアイデアや問題点をメンバーで自由に出し合うことを目的としている。効果的に行うには、以下のポイントを押さえて行うのが良い。
事前に時間を設定し、時間内に終えるようにすることで、高い効果を発揮できる。まず、グループ内で司会、書記の役割を決める。ホワイトボード、付箋、ペンなどの備品をそろえておく。
ブレインストーミングの時間は、長くとりすぎないのが理想的。テーマに応じて20〜30分が適切、長くても1時間といわれる。
設定した時間の中で、アイデアを発想・量産する作業と、量産してきたアイデアをまとめる作業にプロセスを分けて行う。
ブレインストーミングに慣れていないと、ついつい長い時間ミーティングのように行ってしまうが、途中でメンバーの集中力が切れてしまう恐れがある。延長する場合は、適宜休憩を挟もう。
KJ法のやり方・ルール・手順
KJ法は、下記の手順で行う。アイデアを書き出す時間と、グルーピングをして整理するステップが分けてあることがポイント。
テーマを決め、自由に意見をいう:KJ法を実施する前に、テーマを参加者に伝え、テーマに沿ってブレインストーミングを行い、多くのアイデアを出し合うのが良い。なるべくたくさんの意見が参加者から出るように、他人のアイデアを否定しないことと、これまでの発想にない新たなアイデアを歓迎するムードを作るのがポイント。
アイデアを書き出す:決められたテーマについて話し合ったら、個々にアイデアを書き出す。この時に付箋紙に記入する。アイデアをカードや付箋に書き出すステップであり、カード作りとも呼ばれる。アイデアは、1枚のカード(付箋)に1つ書き出すようにする。そうすることで、後のステップのグルーピングがしやすくなる。
アイデアをグルーピング:グルーピングでは、カードを整理し分類する。まずは無造作にカードを並べ、どんなことが書かれているかをよく読み、そのなかで、まず印象が似ているアイデアや同じような意見を集めて小さなグループを作る。
その後、小グループをよく観察し、カードのアイデアのなかで、共通して表現していることを小グループの見出しとする。小グループの見出しを見て、親近性のある小グループ同士を中グループにまとめる。さらに作業を繰り返し、数個の大きなグループができたら、グルーピングは終了。
関係性を図解化・文章化
その後、各アイデアの関係性を見出しながら論理的整序を行い、図解化していく。論理的整序のポイントは、以下の通り。
各カードのグループごとに関連性があるもの同士を近くに配置する(空間配置)。次に線でカード同士をつないだり、囲んだりして関係性を可視化する。最後に対立、因果関係、原因・結果などの関係性を矢印などで書き表す。
図解化した関係を言語化する。言語化する際には、グループのカードに書かれている言葉(ワード)をできるだけ多く使うことがポイント。
グループごとの関係性を図解化した後、グループの重要度に応じた優先順位を付けて参加者で議論・共有し、その結果を文章化する。最後にグループごとに代表者を決め発表する。
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