H3ロケット再び失敗
2026年は日本の宇宙開発にとって正念場の年になる。日本の大型の基幹ロケットH3の8号機が25年12月22日、打ち上げに失敗した。
加えて小型の基幹ロケット、イプシロンも相次ぐ事故で打ち上げのめどが立っておらず、日本の宇宙開発は、打ち上げ可能な基幹ロケットがないという危機的な状況に陥った。
2023年の初号機の失敗から立て直して5機連続で成功していたものの、今回の失敗で成功率は83%から71%に下がった。日本の宇宙利用計画、世界の衛星打ち上げビジネス参入への影響は避けられない。

一方、世界ではスペースXも2025年に入ってから複数回(1月、3月、5月、6月など)失敗し、機体空中分解や爆発、システム異常などで飛行が中止・失敗した。
しかし、8月には 4回目の打ち上げ試験で、1段目ブースターの再利用に成功するなど進歩を見せ、連続失敗の不信感を払拭。10月以降は開発加速し、打ち上げペースが増加。再利用技術や軌道投入に向けた開発が進展している。
スペースXのスターシップは、開発段階で多くの失敗を経験しているが、その都度原因究明と改善を行い、成功を積み重ねている。Xは情報発信と目撃情報の共有の場となり、開発の透明性(または課題)を示す役割も果たしている。
スターシップ一機50〜80億円で、イーロンの資産は20兆円なのでまだ3,000発撃てる。スターシップは次回用に6機製造済みなので来週にはまた打ち上げが行われる。スペースXは日本のH3級ロケットにあたるファルコン9を2024年146回打ち上げ成功してるので1番成功してるのもスペースXだ。
日本は予算がないため、スペースXに比べて失敗が許されない。しかし、情報を公開し広く意見を求め、失敗を恐れず前進してほしい。
12月の打ち上げ失敗
日本版GPSのみちびき5号を搭載し、25年12月に打ち上げられたH3ロケットの8号機は補助ロケットや第1段は予定どおり分離した。
しかし、続く第2段エンジンの燃焼が計画より早く停止してしまい、みちびき5号を所定の軌道まで上げることができず、打ち上げは失敗した。みちびきはその後、大気圏に再突入し、燃え尽きたとみられている。
H3は、去年引退したH2Aの後継として、JAXAと三菱重工業が共同開発した。打ち上げコストを大幅に下げることで、政府衛星の打ち上げだけでなく、世界の衛星打ち上げビジネスへの参入を目指す大型の基幹ロケットだ。
2023年の初号機は第2段に点火せずに失敗。ただ、それ以降5回連続で成功し、軌道に乗り始めたかに見えていたやさきに、再び失敗となった。
これだけでも大変な事態だが、日本のもう一つの基幹ロケット、小型のイプシロンも2022年の失敗以降、試験で爆発が続き、打ち上げのめどが立っていない。
2025年12月にはイプシロンの利用を予定していた小型の実証衛星を、アメリカの民間ロケットに依頼して打ち上げざるをえなかった。
日本の宇宙開発は、打ち上げ可能なロケットが現状なく、ビジネス参入どころか自律的な活動に支障が出る危機的な状況となったわけで、関係者は大きな衝撃を受けている。
H3の失敗の原因は何か
JAXAによると、異変が検知されたのは打ち上げから3分45秒後、先端のカバーを分離した時で、通常よりも大きな衝撃が確認されたということ。
このカバーは衛星を大気との摩擦熱などから守るためのもので、2つのパーツをボルトでつなぎ合わせそれを火薬で切断し、バネの力で分離する。
今回、分離と同時に第2段エンジンに燃料を送るタンクの圧力が下がり始め、エンジンが早く停止した。
そしてカバー内部のカメラが撮影したみちびきの画像を見ると、カバー分離前に比べて、カバー分離直後は、一部が不自然にめくれあがり、変形していることがわかる。
さらにその後の画像には宇宙空間に何かが飛び散っている様子も確認できた。これが何を意味するのかはまだわかっていないが、明らかな異常で、当面はカバー分離時に何が起きたのかが焦点。
とはいえ、まだ失敗までの時系列を飛行データから完全に追えているわけではない。予断を持つことなく、ほかにも異常がなかったかどうか洗い出しを急ぐ必要がある。
スペースXの一人勝ち
日本の宇宙利用計画と衛星打ち上げビジネスへの参入、ともに大きな影響が予想される。 まず今回失われたみちびきは、アメリカのGPSの測位を補強し、スマホやカーナビの位置情報の誤差を縮める役割をしてきたが、現状の5機体制にあと2機打ち上げれば7機体制となり、GPSに依存しなくてもみちびきだけで測位することが可能になる計画で、自動運転などのビジネス展開が期待されていた。しかしその実現は相当遅れ、ビジネスへの影響が予想される。
またH3では来年度だけでも、火星の衛星から砂を持ち帰る探査機や北朝鮮のミサイル発射施設の動向を把握する情報収集衛星など少なくとも5回の打ち上げが計画されていたが、大幅な見直しも予想される。
そして、より手痛いのが世界の衛星打ち上げビジネス参入への影響。H2Aは失敗は1回のみで成功率98%を誇っていたが、打ち上げコストが100億円と高く、商業打ち上げは5回にとどまりビジネスはうまくいかなかった。
これを教訓に、H3は民生部品を多く使うなどしてコストをH2Aの半額の50億円にすることを目指して改良が進められてきたが、初号機が失敗するなど出遅れた。
この間に、世界の衛星打ち上げ市場はアメリカのイーロン・マスク氏のスペースXによる一強体制が築かれた。
近年、世界では小型衛星を多数打ち上げて通信を行うサービスなどが急拡大。日本でも複数のベンチャーが小型衛星で通信や災害時の観測、それに宇宙のゴミの観測を行うなどビジネスの範囲を広げている。こうした小型衛星の打ち上げは、年間3000機に迫ろうとしている。
それに伴い、世界のロケット打ち上げ回数も増え続け、2024年は253回成功と、過去最多を更新しています。なかでもスペースXが133回と最多、ひとり勝ち状態だ。
技術立国日本に期待
スペースXはロケットの機体を再使用することで打ち上げコストを削減。トラブルがあっても素早い意思決定によって、速やかに打ち上げを再開することで信頼を獲得し、日本を含む世界から多くの衛星打ち上げを受注している。
これに対して出遅れた日本は5回にとどまり、世界との差が歴然となっていたところ、今回の失敗で、さらにその差が拡大する結果となった。
この先、この差を何としても縮めていかなければならない。幸い、衛星打ち上げ需要は多くあって、スペースXだけで打ち上げきれるわけではなく、世界は今、ロケットが不足している。
信頼回復ができれば日本にもまだ、チャンスは残されているとも言えるわけで、失敗の影響を最小限にする対応が必要だ。そのためにも、今回こそ問題点をすべて洗い出し、早期の打ち上げ再開を目指さなければならない。
特に今回は、打ち上げ前にエンジンの制御系の異常や地上の散水設備で異常が検知され、打ち上げが延期されている。これらはH3のシステム全体に未熟なところがまだあるということを示している。この際、システム全体を総点検し、不具合の見落としがないか確認していくことが求められる。
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