南鳥島沖の海底からレアアース採掘試験
レアアース(希土類元素)とは、スカンジウム、イットリウム、ランタノイド15元素(計17種類)の総称で、ハイテク製品の小型化・高性能化に不可欠な素材。地殻に広く分布するものの分離・精製が難しく、特に中国への供給依存度が高いことから、戦略物資として注目されている。
今回、日本の排他的経済水域である南鳥島沖の海底からハイテク産業に欠かせないレアアースを含んだ泥を採掘する試験を行うため、JAMSTEC=海洋研究開発機構の探査船が1月12日に出航した。
南鳥島沖の海底の泥には、レアアースが高い濃度で含まれることが現地調査の結果わかっていて、内閣府のプロジェクトは水深6000メートルの海底から泥を採掘する試験を、今月から来月にかけて行う計画だ。

レアアースは17元素
レアアースとは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタノイド15元素(La, Ce, Pr, Nd, Pm, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu)の合計17元素のこと。優れた物理的・化学的特性を持ち、現代技術に欠かせない。
レアアースは我が国の基幹産業であるハイテク産業やグリーンテクノロジー産業に必須の金属であり、電気自動車やスマートフォン、LEDなど私たちの日常生活の様々な場面で活用されている。しかし、現在世界のレアアース生産はその大部分を中国に依存している。
2019年以降激化している米中貿易戦争に伴い、中国はレアアースを「重要な戦略資源」と宣言し、2010年の「レアアース・ショック」に引き続きレアアース禁輸を示唆した。このような状況を打破するため、アメリカをはじめとした先進諸国は、レアアースを筆頭とする重要資源のサプライチェーンの強靱化に取り組んでいるが、未だ問題の解決には至っていない。
国の基幹産業の命運を他国に握られることのない資源安全保障を確立することは、日本にとっても喫緊の課題だ。
2013年に日本の排他的経済水域(EEZ)である南鳥島周辺に次世代型のクリーンな資源である「レアアース泥」が膨大な量存在していることを発見した。私たちはこの国産レアアース資源を商業ベースで活用することこそが、日本の資源安全保障の確立につながると考え、その探査、環境影響調査、採泥・揚泥、選鉱・製錬、残泥処理、およびレアアースを用いた新素材に関する研究開発を進めている。
私たちの研究の結果、南鳥島EEZ内およびその周辺の海域(公海)には、世界最高品位のレアアース泥が豊富に分布していることがわかっている。
日本は世界第4位の海洋大国
日本の国土面積は世界第60位だが、島国であるため広大な海域の権利を持っている。 日本は排他的経済水域(EEZ)の面積では世界第6位だが、海水の体積では世界第4位の海洋大国である。
排他的経済水域 (EEZ) の面積は約447万平方キロメートルで、日本の国土の約12倍の広さに相当する。日本周辺の海域は海溝やトラフなど非常に深い場所が多く、海水の総体積では順位が上がる。特に水深6000メートル以深の海域の保有面積は世界第1位になる。
日本はこの世界に誇る資源を生かしきれていないのが現状だ。深い海に眠っている資源を引き上げる技術がまだ確立していない。今回の試験採掘の結果に期待したい。
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