サンゴ礁の「天然防波堤」効果を測定
和歌山県立南紀熊野ジオパークセンターなどは、和歌山県のサンゴが波の高さを30%以下に抑えていることを明らかにした。気候変動に伴って2100年までに起きる海面上昇などの影響を予測したところ、引き続き波を防ぐためにはサンゴの成長が必要だとわかった。沿岸にサンゴを移植すれば、コンクリートの防波堤をつくるよりも安く浸水などの被害を抑えられる可能性がある。
気候変動に伴う海面の上昇や台風に伴う高波で沿岸の被害が増え、防波堤の維持費の増加などが問題になっている。安価に移植できるサンゴ礁は天然の防波堤だ。
研究チームは沖縄県と鹿児島県、和歌山県のサンゴ礁が波の高さをどの程度低くするかを調べた。サンゴが海面付近まで発達している沖縄県や鹿児島県では波の高さを20%以下に抑えた。サンゴが少ない和歌山県では30%以下だった。

気候変動の影響もふまえた将来の予測もした。沖縄県の石垣島や久米島などではサンゴが今後成長しない場合でも波を防ぐ効果は維持できる見通しだ。和歌山県串本町では、波高を下げるためにはサンゴの成長が必要だと分かった。
沿岸にサンゴを移植すれば、海面上昇で高くなった波も防ぐことができる可能性がある。今後は静岡県の伊豆半島や高知県など日本各地でサンゴ礁が波の高さを抑える効果を調べる。
サンゴ礁のさまざまな恩恵
サンゴの恩恵はサカナだけでなく、人間も受けている。サンゴの役割は大きく分けて4つある。それは、地球温暖化への対抗策、自然の防波堤、非常に優秀な漁場、美しい海をつくる…などである。
サンゴは海中の熱帯雨林
サンゴは木と同様に二酸化炭素を吸収して、酸素を排出している。二酸化炭素を炭酸化合物として留める機能のことを「固定」という。地上でも熱帯雨林が同じように大量の二酸化炭素を固定してくれる。
海中ではサンゴが、地上では熱帯雨林が地球温暖化の原因の一つである二酸化炭素濃度をコントロールしてくれている。
彼らがいなければ、二酸化炭素の濃度のバランスが崩れ、海洋生物すべてに大きな影響があると言われている。ひいては、その海洋生物を食べている人間にも影響がでてくる。
サンゴ礁は自然の防波堤
サンゴは二酸化炭素のコントロールだけでなく、私たちの生活自体を守ってくれる場面がある。
オーストラリアにあるバリアリーフをご存知だろうか。観光地としても有名だが、バリアリーフとは沖合にサンゴ礁が発達し、まるで陸を波からバリアする防波堤のようなサンゴ礁(=リーフ)を指す。
美しい風景だけでなく、バリアリーフを始めとしたサンゴがつくる浅瀬や起伏に富む海底が、大波にブレーキをかけ、自然の防波堤の役割を果たしてくれる。
実際に22万人以上が亡くなった2004年12月のインド洋大津波でもそのサンゴの恩恵を受けた地域がある。甚大な被害が出たスリランカ南部のリゾート地ヒッカドゥワには、一人の死者も出なかった地区があった。
サンゴ礁は優秀な漁場
そして何よりもサンゴ礁は、豊富な漁場になる。サンゴ礁は海洋面積の0.2%ほどだが、その限られた地域に93,000 種以上の動植物が生息していると言われている。
サンゴ礁は地域社会の維持にも非常に重要で、80以上の国の数え切れない地域社会(世界人口の実に2割)が収入と食料をサンゴ礁に依存しているといわれている。1キロ平方メートルのサンゴ礁が、年間で15tもの食料を生産し、1,000人以上を養える。
サンゴ礁は美しい海をつくる
沖縄やハワイなど美しい白い砂浜が輝くリゾート地に魅力を感じる人は多い。サンゴには、海を浄化し、海水を綺麗に保つ能力がある。サンゴの生息している海は浄化によって透明度が高くなる。
また、死んだ後もサンゴも皆さんが憧れる美しい海を作ることに一役買っている。サンゴは柔らかい本体の部分の下に、石灰質でできた骨格を持っており、死ぬと石灰質の部分だけが残る。この石灰質が波の力などで長い時間をかけて粉々に砕けることであの美しく白い砂浜を形成している。
そして、この透明な海と、海岸を作っている真っ白な砂浜がそろうことで、海は特別な姿にかわる。白い砂は海底に届いた太陽光を反射して海水を美しいエメラルドグリーンに見せてくれる。南国の海の象徴である青と白の美しいコントラストは、この二つが揃うからこそ生まれる。
美しい海にサンゴがいるからこそ、その土地の海は美しくなる。サンゴを大切にしたい。
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