火星探査6年「天問1号」の収穫

 中国が、私の知らないうちに火星に探査機を送り、何着陸、ローバーによる地上探索を行っている。今から6年前のことだ。もはや中国は発展途上国ではなく先進国である。

 天問1号は、中国初の火星探査ミッションとして2020年7月23日に打ち上げられた惑星探査機。このミッションは、火星の周回、着陸、探査の3つの目標を一度に達成するという野心的なもので、中国国家航天局(CNSA)によって実施された。

 天問1号は、2021年2月10日に火星の周回軌道に入り、2021年5月15日に探査機から分離された着陸機が火星表面への軟着陸に成功した。着陸地点は、火星北半球の広大な平原であるユートピア平原南部の事前選定区域。

 これは「周回、着陸、探査」の一挙達成。単一のミッションでこれら3段階を成功させたのは、世界初の快挙である。

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 探査車「祝融号」による探査活動。着陸機に搭載されていた探査車「祝融号」が火星表面を移動し、地形や地質、大気などを調査している。

 探査ミッションで得られた科学データは、火星表面の微細構造や物理的特性、地質的な変化や環境、気候変動を明らかにする上で重要な基礎を提供していいる。

 中国の火星探査車「祝融号」は、2022年5月18日に火星の冬の訪れと砂嵐による発電能力低下のため自主的に休眠モードに入った。当初は2022年12月頃の復帰が予想されていたが、その後も通信は回復しておらず、太陽光パネルへの砂の蓄積によりエネルギー不足に陥った可能性が高いとされている。

 探査車「祝融号」は現在まで、火星北部低地のユートピア平原で1年以上にわたり累計2000メートル近く走行し、大量の貴重な科学探査データを取得している。天問1号は火星探査の1年でどのような収穫があったのだろうか。近い将来、中国の深宇宙探査はどこまで進むのだろうか。

 祝融号 連続的に稼働、現在は「冬眠中」

 中国国家航天局がこのほど発表した情報によると、天問1号が火星に着陸してから1年あまり。祝融号はすでに火星表面で356火星日稼働し、累計1921メートルを走行している。周回機は打ち上げられてからすでに661日飛行しており、火星周回軌道に入った後に持続的にリモートセンシング探査を行っている。火星探査車と周回機は現在コンディションが良好で、生データを累計で約940GB取得・伝送している。

 専門家によると、祝融号の巡視エリアは現在すでに冬に入っており、日中の最高気温がマイナス20℃以下、夜間の最低気温がマイナス100℃に下がる。また所在エリアは現在、強い砂嵐に見舞われた。

 祝融号は、2022年5月18日に火星の冬の訪れと砂嵐による発電能力低下のため自主的に休眠モードに入った。当初は2022年12月頃の復帰が予想されていたが、その後も通信は回復しておらず、太陽光パネルへの砂の蓄積によりエネルギー不足に陥った可能性が高いとされている。

 探査車「祝融号」は現在まで、火星北部低地のユートピア平原で1年以上にわたり累計2000メートル近く走行し、大量の貴重な科学探査データを取得している。

 探査の成果 水の活動兆候を発見

 天問1号の火星着陸と祝融号の火星走行から1年以上にわたり、中国国家航天局は天問1号の科学探査データをすでに10回発表している。科学者は探査データの研究を通じ、新たな科学的発見と科学研究の成果を次々と発表している。

 中国科学院はこのほど、「中国科学院宇宙科学センターの劉洋氏のチームは地質年代が比較的若い火星着陸エリアで、岩化した板状の堅い層を発見した。水を含む硫酸塩などの鉱物が豊富に含まれており、その形成プロセスは地下水の波動と関係している可能性がある」との研究成果を発表した。

 火星はどのようにして「海の惑星」から「砂漠の惑星」に変わったのだろうか。火星水環境変化プロセスは、火星研究の重要な内容の一つだ。この発見は火星の気候環境の変化の歴史の理解にとって重要な意義を持つ。

 将来的に小惑星の探査とサンプル採取を実施

「中国の宇宙2021」白書によると、中国は今後5年間で引き続き惑星探査プロジェクトを実施し、小惑星探査機を打ち上げ、地球近傍小惑星のサンプル採取、火星のサンプルリターンなどのキーテクノロジーの研究開発を行う。

 計画によると、中国はさらに天問2号、天問3号、天問4号などの任務を実施する。中国航天科技集団第五研究院によると、天問2号探査機はすでに試作品の研究・製造段階に入っており、任務のペースが上がっている。

 中国工程院院士で、中国月探査チーフデザイナーの呉偉仁氏は、「中国は将来さらに太陽系のその他の惑星付近を通過し、探査を行う。例えば金星や地球の脅威となる地球近傍小惑星の探査を行い、その早期警戒、防御、処置などを実現する」と述べた。