氷上で会えるタテゴトアザラシ
カナダのセントローレンス湾 (Gulf of Saint Lawrence) はカナダ南東部に位置する湾で、セントローレンス川を経由して五大湖から大西洋への湖水の出口にあたる。ここに注ぐセントローレンス川の河口は世界最大の規模でだ。また大西洋と、工業地帯である五大湖周辺を結ぶ重要な航路でもある。
毎年2月になるとセントローレンス川と北極海から流氷が流れ込んでくる。タテゴトアザラシはこの氷原の上で出産する。ここにはホッキョクグマがいないので安心して子育てできる。
大人のタテゴトアザラシの色は灰色で、氷原では目立ってしまう。赤ちゃんの白い毛は保護色になる。そのためか、近づくと親は氷の上に子を残して逃げてしまう。近くにいるとかえって目立つからだろう。

赤ちゃんはミルクを飲んでいるとき以外は、一日中氷の上で寝ている。赤ちゃんにとっての仕事はミルクを飲んで大きくなることが仕事。一日に2kgずつ大きくなる。その間お母さんは絶食しながら子育てするので、1日に4kgずつ減ってゆく。
タテゴトアザラシの赤ちゃんに出会うには、近くのホテルからヘリコプターツアーで行く。近くにおろしてもらい、数時間後迎えに来てもらう。ツアーは午前と午後の2回ある。
タテゴトアザラシ
体長はオスが190 cm、メスが180 cm程度まで成長する。体重は、オス135 kg、メス120 kg程度であり、一般にメスよりもオスの方が大きい。成体の体毛は灰色で、暗色のアルファベットの「U」の字を逆にしたような斑紋が入る場合が有る。
この斑紋が竪琴のように見える事が、和名や英語名の由来である。ただし、斑紋には個体差が見られ、さらに、メスや幼体では不鮮明である。
生後14日程までの幼体は、全身が白い体毛で覆われる。その後灰色の体毛に生え変わる。幼体の体毛は、流氷の上では保護色として機能する。
海洋や海氷の上などに棲息する。大規模な群れを形成して生活する事例も見られる。北海個体群と西氷個体群は、獲物を追ってバレンツ海、ノルウェー海、グリーンランド海、デンマーク海峡まで移動する。
2000年の個体群数は、北海個体群が約30万頭、西氷個体群が約36.1万頭と推定されている。一方で、遺伝的に異なる北西大西洋個体群は、100万頭を大きく超えて、500万頭近いと推定されている。天敵としてはサメ、シャチ、ホッキョクグマの他、一部の地域ではセイウチが挙げられる。
食性は動物食で、魚類、甲殻類、軟体動物等を食べる。雌は5年から6年で、雄は6年から7年で、性成熟する。繁殖形態は胎生であり、2月から3月に、1回の出産で1匹の幼体を流氷の上などで出産する。出生後暫くの幼体は、母乳を栄養源とする。
2025年10月、国際自然保護連合(IUCN)はレッドリストを更新し、ホッキョクアザラシ3種が絶滅に近づいており、タテゴトアザラシを準絶滅危惧種(Near Threatened)に指定した。

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