インフルエンザの猛威
インフルエンザが流行している。インフルエンザは、もとをたどるとすべてが鳥インフルエンザに行き着く。というのも、インフルエンザウイルスは本来、カモやアヒルなど足に水かきのある水鳥、渡り鳥に感染するウイルスだからだ。
ただし私たちが腸管内に大腸菌を持っていても病気にならないのと同じで、水鳥がインフルエンザウイルス感染で病気になることは基本的にはない。インフルエンザウイルスが数百万年もの長い間、水鳥へ感染し続けた結果、両者に共存関係ができた。感染しても死亡率は1〜2%程度である。しかし、ウイルスは変異することがあり、強毒化すると問題である。
オジロワシの保護と治療
最近、北海道で不審な死をとげた野鳥たちが発見された。実は近年、野鳥の間で鳥インフルエンザの感染が相次いでいる。おそらく強毒化したインフルエンザが発生したのだろう。
北海道釧路市で令和7年6月17日(火)に、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)に基づく国内希少野生動植物種に指定されているオジロワシの死亡野鳥1羽が回収され、同日に遺伝子検査を実施したところ、A型鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が確認された。
オジロワシは絶滅が危惧される種であり、インフルエンザによる大量死は種の存続に関わる。釧路湿原野生生物保護センターなどでは、感染したオジロワシ(頭部の異常などを示す個体も含む)に対し、人間用の抗ウイルス薬を用いた治療を行い、野生復帰させる研究を始めた。
現在、獣医師たちの努力で、20%程度の確率であるが複数の個体で治療が成功し、野生に帰すことに成功した事例も報告されている。
オジロワシの生態
ユーラシア大陸北部で繁殖し、冬季になると中華人民共和国東部、ペルシャ湾周辺に南下し越冬する。東ヨーロッパや西アジア、中華人民共和国北東部などでは周年生息する。日本では主に基亜種が冬季に北日本に飛来(冬鳥)するが、北海道北部および東部では周年生息する個体もいる(留鳥)。
2010年1月に開催された環境省の保護増殖分科会では、北海道内で越冬する個体数は約1,700羽(うち、つがい約140組)という数を示している。また、かつては対馬に定期的に飛来する個体がいた。
全長70–98 cm。翼開長180–240 cm。体重は平均4.7kg。全身は褐色の羽毛で覆われている。頭部は淡褐色や淡黄色の羽毛で被われる。尾羽は12枚で短く、やや楔形。尾羽の色彩は白い。海岸、河川、湖沼などに生息する。単独もしくはペアで生活するが、冬季になると集団で休む事もある。
食性は動物食で、魚類、鳥類、哺乳類、動物の死骸などを食べる。ヒツジの幼獣、タンチョウの雛を襲い食べることもある。水面付近にいる獲物は急降下して捕らえる。
繁殖形態は卵生。高木の樹上や断崖に木の枝を組み合わせた巣を作り、3-4月に1回に2個の卵を産む。主にメスが抱卵し、抱卵期間は約38日。雛は孵化してから70-75日で飛翔できるようになり、さらに35-40日後に独立する。生後5-6年で性成熟し、生後6-7年で成鳥羽に生え換わる。ヨーロッパでの平均寿命は20年以上とされる。
これより先はプライベートモードに設定されています。閲覧するには許可ユーザーでログインが必要です。

��潟�<�潟��