微細藻類
微細藻類はその小さな個体に多くの可能性を秘めており、現代社会のさまざまな課題に対する解決策として注目を浴びている。二酸化炭素の吸収や水質浄化など環境保全に役立つことや、バイオマスエネルギーの原料としても期待されているほか、食品や飼料にも利用され始めている。
日本では、環境問題に関する調査研究を行うために、環境庁(現在の環境省)の施設等機関から独立行政法人として発足した国立環境研究所にて、約950種、3000株を超える藻類と原生動物が保存されており、藻類保存の中核機関として活動している。
また、微細藻類の産業利用と関連技術の発展を推進することを目的として設立されたIMAT基盤技術研究所では、微細藻類の栽培技術や収穫技術、微細藻類を原料としたバイオマスエネルギーの開発、食品の開発などが進められている。
今回、筑波大学の蓑田歩助教らは、硫酸性温泉に生息する紅藻が、低濃度で含まれる金とパラジウムを、強酸性の条件下でも高効率に吸着することを発見した。金とパラジウムを低コストで回収し、リサイクルする技術の開発につながると期待される。

都市鉱山から金を回収する
金やパラジウムなどの貴金属は、先進国の「都市鉱山」と呼ばれる産業廃棄物内にも存在している。例えば、金メッキ工場の廃液1トンには、優良金山の金鉱石1トン分に匹敵する量の金が含まれている。しかし、低濃度の貴金属廃液から効率良く貴金属を回収するのは難しく、高効率でありながら低コストで、環境に優しい回収方法が求められている。
今回、蓑田助教らは、草津や登別などの硫酸性温泉にも生息する、イデユコゴメという和名を持つ藻類の仲間である紅藻(ガルディエリア・スルフラリア)に着目し、この紅藻の細胞表層が、強酸性の条件下においても金とパラジウムを高い効率で吸着することを発見した。
実験では、金とパラジウムの他、鉄や銅、プラチナ、ニッケル、スズ、亜鉛を含んだ実際の金属廃液から、銅の濃度の10分の1ほどの低濃度でしか含まれない金とパラジウムを30分以内に90%以上の効率で選択的に吸着・回収できた。
さらに、金属廃液から90%以上の金とパラジウムを15分間で回収した紅藻に一定の処理を加えると、30分後に、細胞に回収された金とパラジウムのうち、48%の金と77%のパラジウムが溶液中に溶出され、銅など他の金属は検出されなかった。

��潟�<�潟��