フロリダがグリーンランドより寒い日

 2026年1月末から2月にかけて、アメリカ・フロリダ州を記録的な寒波が襲い、各地で氷点下を記録。寒さで凍り付いたグリーンイグアナが木から落下する現象が多数報告された。オーランドやタラハシーではグリーンランドより低い気温となり、住民へ凍ったイグアナの回収が呼びかけられた。

 2月1日、フロリダ州オーランドの最低気温が−4.4℃を観測するなど、90年前の記録を下回る寒さとなった。その日グリーンランドのヌークの−3.3度よりも低かった。

 この寒波は、北極からの寒気と発達した低気圧により、通常温暖な「サンシャインステート」であるフロリダに劇的な冷え込みをもたらした。この寒波により、果実への被害やつららの形成など、生活や農業にも影響が出た。

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 さらに 寒さでイグアナが動けなくなり、木から落下する現象が多発。これは、変温動物であるイグアナが低体温により一時的に機能停止する「休眠状態」に入るためである。普通、体重5キロの「凍った」爬虫類が目の前で頭から真っ逆さまに落ちてくることなど、まずありえない。

 フロリダのグリーンイグアナ

 フロリダ州にとって外来種のグリーンイグアナは、1960年代に持ち込まれ、今では州の南部から中部にかけてすっかり定着している。トカゲのなかでは西半球最大で、鋭い歯と、鞭のように強力な尾を持つが、動きが緩慢で、普段はおとなしい。そして、寒波に襲われると突然代謝にブレーキがかかり、体が動かなくなって、ただのうろこの塊と化す。

 自分で体温を調節できる哺乳類と違って、爬虫類であるグリーンイグアナは外温(変温)動物で、体温は外部の環境に左右されるのだ。

 イグアナは、反応が鈍くなり、危険から逃れられなくなることがある。木の枝の上に乗っていた場合、運動機能が失われることによって枝や幹をつかむ力がなくなり、下に落ちてしまう。

 さらにイグアナは侵略的外来種のため、捕獲したイグアナを別の場所に放すことは禁止されている。拾った場合は飼育するか、処分するしかない。

 地元の捕獲者ライアン・イスキエルド氏は「変温動物であるイグアナは筋肉が動かなくなり、体の機能が停止し、心拍数が落ちる麻痺状態に入る。コールドスタン(寒さによる麻痺状態)、生き延びるための反応だ。その結果、木の上の居心地の良い場所にしがみついていたイグアナが握力を失い、そのまま木から落ちてしまう」と語る。

「寒波に襲われると、心拍や呼吸が鈍り、信号の伝達が全体的に遅くなって体が休眠状態に入ることがあります」と、米農務省野生生物サービス局内にある国立野生生物研究センターの野生生物学者、ナタリー・クランチ氏は言う。

 動かなくなっているイグアナを見つけたらどうすべきか

 イグアナは侵略的外来種のため、捕獲したイグアナを別の場所に放すことは禁止されている。拾った場合は飼育するか、処分するしかない。もし冒険してみたいなら、昼ご飯にいただくという手もある。

 原産地であるカリブ海地域では、イグアナは「木の鶏肉」と呼ばれ、その肉にはタンパク質、オメガ6脂肪酸、オメガ3脂肪酸が豊富に含まれる。また、イグアナの卵はほとんどが黄身でできていて、白身が少なく、オムレツに向いている。

 地元の捕獲者ライアン・イスキエルド氏は「変温動物であるイグアナは筋肉が動かなくなり、体の機能が停止し、心拍数が落ちる麻痺状態に入る。コールドスタン(寒さによる麻痺状態)、生き延びるための反応だ。その結果、木の上の居心地の良い場所にしがみついていたイグアナが握力を失い、そのまま木から落ちてしまう」と語る。

 イスキエルド氏は1月30日だけで90匹以上を回収し、その後も毎日、それぐらいの数を拾っている。そして、フロリダ州ノースパームビーチにあるピザ店「バックス・コール・ファイアード」と手を組み、そのイグアナをメインの食材とした新メニュー「ザ・エバーグレーズ」を発売した。

 イスキエルド氏は「店に持ち込む前にイグアナをさばき、脚と尾をピザに使った。店に着いてからは、肉を消毒し、すべて問題ない状態にして、ピザを仕上げた」と明かす。

 インスタグラムに投稿した動画では、イスキエルド氏が3匹のイグアナを抱えて店の外に立つ姿が映る。その後、店の従業員がオリーブオイル、パルメザンチーズ、ランチソース、ベーコン、鹿肉、そして主役のイグアナを使ってピザを作る様子が紹介されている。