光速度一定の原理

「光より速いものは存在しない」ってどうして言い切れるのだろうか?そんな疑問を持ったことはないだろうか?

 光は1秒で約30万km…地球を7周半も回る速さ。この速さ(光速)は、宇宙のあらゆる動きを測る“基準”になっている。

 しかし不思議なことに、光のスピードはどんな人から見ても変わらない。アインシュタインの特殊相対性理論(1905年)は、この「光の速さは一定」というルールから始まった。

 光速を超えられない特殊相対性理論

 光速が宇宙のスピードの限界になる理由には、主に3つの視点がある。①エネルギーの問題、②時間の流れ方の変化、③質量そのものの変化だ。どれも特殊相対性理論が示す結果で、実験でも完全に一致している。

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① 光速に近づくほど必要なエネルギーが“爆増”する
 ロケットでも、粒子加速器でも、物体を速くするにはエネルギーを与える必要がある。 ところが相対性理論によると、物体の速度が光速に近づくほど、速度を上げるためのエネルギーが急カーブで増えていく。
 たとえば── • 時速100km → 200km にするより • “光速の99% → 99.1%” にするほうが とんでもない量のエネルギーが必要 になる。

 最終的には、光速に到達するためには「無限のエネルギー」が必要になる。宇宙にも地球にも、無限のエネルギー源はない。だから 物質は絶対に光速へ到達できない。

(実際、LHCなどの粒子加速器では粒子を光速の99.999999%まで加速できるが、そこから先はどれだけ頑張っても“壁”にぶつかる。)

② 光速に近づくほど「時間の流れ方」が変わる

 相対性理論のもう1つの不思議なところは、動いている物体の時間は“遅れる”という性質。 これを 時間の遅れ(タイムディレーション) と呼ぶ。光速に近づくほど、この“ズレ”は極端になる。 • 地上から見ると、超高速で飛ぶ物体の“時間”はゆっくり進む • 光速に近づけば近づくほど、時間は限りなく止まっていく

 もし光速に達するならば…その物体の「時間は完全に止まる」ことになる。理論上、これは矛盾=物理法則が破綻することになる。つまり、時間そのものが光速を超えることを許していない、という理解の仕方もできる。

③ 光速に近づくと「見かけの質量」が増えていく

 特殊相対性理論では、物体が速く動くと「運動によって生じる質量(相対論的質量)」が増える という結果が現れる。これは物体そのものが太るという意味ではなく、“動いている物体は重く扱われる” というニュアンス。

 速度が光速に近づくと、この質量がほぼ無限大に近づいてしまう。質量というのは物体の動きにくさという意味がある。
 もし、質量が無限になると… • 加速しようにも力が足らない • エネルギーを注いでもほとんどスピードが変わらない つまり、物体にとって光速は「越えたくても越えられない壁」 でありこれが質量と時間の特殊相対性理論物である。

 この物理法則は、100年以上にわたって、あらゆる観測で確かめられてきた。 • 粒子加速器で、電子を光速の99.9999%まで加速しても、それ以上は上がらない • GPS衛星の時計補正も、相対性理論を前提にしないとズレる • 宇宙線ミュオンの寿命も、理論どおりに「時間が伸びる」 理論だけでなく、現実世界の精密な観測がすべて一致している。

 特殊相対性理論を超える新理論

 科学は「わかっていること」と「これからわかるかもしれないこと」の間を行ったり来たりする。現在、特殊相対性理論を超える理論が存在する。

タキオン:光より速いものは考えられていて、タキオンという粒子が理論上も存在可能だという。  タキオン(Tachyon)は、常に光速を超えて移動する仮想上の素粒子。理論上は存在可能とされているが、まだ観測されていない、未知の粒子である。

ワープ航法:空間そのものを歪ませ、見かけ上光速を超える移動 実際に空間は重力により歪んでいる。

 宇宙空間自体が膨張する宇宙膨張のスピードは、光速を超える。実際、夜空が暗いのは遠くの恒星の光が、高速より速い速度で宇宙が膨張しているために届かない。

 遠方の銀河が互いに遠ざかる速度が光速を超えても、空間の膨張は物理的な「物体」の移動ではないため、アインシュタインの相対性理論に矛盾しない。つまり、空間を制御できれば光速を越えられるかもしれない。

量子もつれ:離れた粒子が瞬時に“連動”するようなふしぎな現象

「運命共同体」の粒子ペア: 粒子Aと粒子Bが「量子もつれ」状態にある場合、片方の状態(スピンの向きなど)を測定すると、たとえそのペアが銀河の端と端に離れていても、もう片方の状態が瞬時に決定する。

 2つの粒子の間には物理的な作用や通信があるわけではなく、光の速度を超える速さで情報が伝わるかのように見えるため、アインシュタインは「不気味な遠隔作用」と呼んだ。

「重ね合わせ」との違い: 重ね合わせは1つの粒子が複数の状態を同時に持つ性質ですが、量子もつれは複数の粒子間の関係性が「もつれて」いる状態を指す。

 2022年のノーベル物理学賞は、量子もつれ光子を用いた実証実験により、この現象が古典物理学の限界(ベルの不等式)を超えていることを証明した3氏に授与されている。



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